化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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「わぶっ!」

寝室に来なかったイセトはどこかの宿?ホテル?に居るみたい。
私が現れた途端、ベッドにボスッと落として、軍服を着てた私の服を脱がしていく……
凄い……なんて早業なの……

「はぁーっっ…」

私の腕まで露わになると、手で擦りながら大きなため息を吐いた。
どうやら傷を負った箇所が気になっていたようだ。
もう治したよ?

「避けられたでしょう?」
「リリースくらいの強さを設定してたから…」
「はぁ……あれなら全てを騙せますよ」

どうやら擬態を褒めて頂いているらしい。

「傷を付けた人間を教えて下さいますか?」
「はひ…」

にっこりジリジリとした詰め方をするイセトに人相を教えておきました。




「………殺しまでするとは思いませんでした」
「だってイセト騙した奴」
「そうですが………」

なんだろ?困惑?喜び?焦り?

「イセトが分かんない」
「美しいモノだけを見て欲しいという矛盾でしょうか?」
「イセトは綺麗」
「っっ~~」

なんだか脱がせた時よりも早く着させられた行動にまた驚いた。
イセトってやっぱりインキュバスじゃない?

「あ、分かった」
「なにがです?」
「私は綺麗じゃないよ?」
「…」
「えっとねー?人もたくさん殺したしー、拷問もたくさんしたしー、騙して騙された事もたくさんあるしー、んー…イセトよりずっとワルワルしてる」
「くすくす」
「そういう事が汚いのなら、私はとっても汚くてイセトとお似合い」
「………誘惑しないで」

してないよ!?
なんだか色気のあるため息を吐いて……吐かないで!?私にも我慢の限界というものが……

「どうしたら一緒に生きられますか?」

アルフみたいな事を聞くね。

「みんなが死んでからまた聞いて?」
「………はい」

アルフに伝えた言葉をイセトにも伝えた。

「えー?もうおしまいなのー?」
「どうされまし………」

足音を殺して、だけど最大限の魔法陣を放つ人間が多数。

「もー!イセトと早く伴侶になりたいのにー!」
「誘惑の混沌!」
「………はぁー………」
「ため息つきたいのは私もだよー!」
「死ね!」
「帰るよぉ…帰りますぅ…」
「ちょうどいいです、発散させて下さい」
「調子に乗りやがって!」
「私は発散出来てないよおおおおお!!!」



*********************************



最近は寝てなかったから久しぶりに寝ると伝えた。
イセトの所に行く時に眠そうな天使様は見せられたし。
イセトには声をかけてから来てもらうようにお願いした。
寝室の出入りは一時的に開放してあるから。
そして毎日一緒に寝てるのはアルフ。
たまに意識が浮上して目を開けるとアルフがいたりするのだ。
襲わない精神力って何処で鍛えるんだろう?







「ヒナノ、ヒナノ」
「…」
「化粧も着替えもしてあるから、もう少しで夜会だよ」
「…」

また夜会………
どうやらリンジーが化粧して、アルフが覚えた魔法陣で着替えさせてくれたみたい。
しばらくぼーっとしてからお水を飲んでから、コーヒーを飲んで。

「ふわあぁぁ……おはよー」

起きました…なんとかですけど…

「おはよう、行ける?」
「んー…」
「分かってる」

アルフに抱き上げられて肩におでこをつける。

「寝るな」
「んー……」

どうしたって眠い………

「ちゅーするぞ」
「起きた、おはよう」
「そんなに嫌なのかよ!?」
「嫌っていうより違和感?」
「あん?」

夜会会場にはアルフに抱っこされて入った。
イセトがアルフは運命だと当然のような認識をされているみたいな口調だったからもういいかな?って。
いつも通り天使様のソファに降ろされて…

あ。

「忘れてた」
「どうされました?」
「女…女性がこれから……というかもう産まれてるかも?」
「え!?」
「アレスがそう言ってたー」
「報告してくる」
「ああ」

こういう場では私の護衛をするのか、後ろに立って警戒しているアルフ。

「なんでそんなにピリピリしてるのよ」
「危ねぇ」
「それならルーシャンの護衛しなさいよ」
「………行ってくる」
「いってらっしゃーい」

優しい心根はいつだって人の為に動くアルフ。
私が運命じゃなければもっと幸福になれたかもしれないのにね。

「本当か?」
「うん」

ルーシャンとバーナビー、リンジーと後ろにいるアルフ。

「そうか…そうか…」

どうやらルーシャンは涙腺が緩くなっているみたいだ。

「まだ秘密だ」
「うん」

ルーシャンのお腹には双子が育っている。
私が眠っている間に、子を授かったみたい。
魂が見れるのは私と、神々だけ。だからまだ知らない者の方が多いんだろう。
まだ内緒にしたいのか、知っている者はごく僅かみたい。

「どちらでもいい」
「そうだな」

ほわほわーとした空気に私までほわほわーってしちゃう。

「大丈夫だよー」
「「?」」
「どちらもだからー」
「「………ふたっ………」」

あれ?双子って知らなかったのかな?
でも分かりそうな大きさだけど……

「しゅ…種族も分かるか?」
「獣人だよー、どちらも」

こんなに聞いてくるならおめでとうしてもいいのかな?

「おめでとう」
「「ありがとう」」

いいらしい。
漏れないらしい会話に安心して話してる。
子どもがルーシャンのお腹の中にいてピリピリしてるアルフはしばらく付き従ってたら?
ああ、そうするんだね。

「はっ!」
「「「「?」」」」

会場の真ん中に浮きながら高速で動き、ピタッと止まってスタンバイする私。

さあ!こい!

「ぬ?」
「海の!!!大っっっ好きだああああああああああああああ!!!」
「離れ!阿呆!」
「やだ!」

海のの匂い!くんくんっ!海のの水色サラツヤ髪!くんくんっ!海ののひんやりとした素肌に海のの心音…!

「海の大好きぃぃぃぃぃ!!!」
「離れ!!!」
「う、わあああああ!海のおおお!気持ち悪くなるよおおお!」
「ふんっ!」
「「…」」

あ、あれ?
最終形態、海の渦に入れられて夜会の場でぐるぐるしてる私と、海のに寄り添う緑色を纏い、海のと同じくらいの長髪の風のはとっても違和感を感じた。

「海の、どうしたの?」
「なっ!?無効化するのはやめ!」
「どうしたの~?」
「ごめんね?でも気になっちゃって……私なにかした?何か思い出しちゃった?嫌な事しちゃったかな?」

海のが怒っ……拗ねてる?
本気で拗ねてる海のは……確かに私の元へ来た時には拗ねてなかったのに……どうしたんだろう?なんて思ってる私のおでこに………

ゴチィィィィンッッ!!!

「「っっ~~!!!」」

頭突き?頭突きなの?頭突きは初めてだよ?
い、痛い…!痛すぎるぅぅぅぅ!!!

「海の~痛いよ~?平気~?」

うおおおおお!海のの物理はいつだって痛いけど、今回はあまりの痛さに蹲る《うずくまる》よ!
なんでか海のまで蹲ってるよ!

「うぉぉぉぉ……愛されてるぅ……」

物凄い勢いで頭を振ってぶつけられた海のの頭突きは愛がいっぱいだ。

「っっ、阿呆な事を言うでない!つっっ…!」
「治してい~い?」
「退け!阿呆が!」
「うわああああああ!」

ガラスを突き破って海の渦でえっさえっさとどこかへ運ばれて行った風の。
相変わらず海のはツンデレだ。物理が激しいツンデレなのだ。

「うへへー」
「気色の悪い笑みをやめ!」
「ぶべぼっ!」

初めて海のに加護を貰った。
おでこゴチィン!で。
きっと、音のと、森のと土のの加護がついている私に気付いて嫉妬してくれたのかなぁ?って妄想しちゃう。うへ。

「気色悪いの!」
「ぶべっ!」

にやにやが止まらない私に海のから愛の物理が飛んできます。

「ありがとう」
「ふんっ!」

ああ…もう終わりなの?もう海の帰っちゃうの?ぐすん……
あとで私の加護を授けに行こう!うん!

『しばらく来ないでね~?』

………

風のの馬鹿ああああ!
いちゃいちゃ再開するなよおおお!!!
もう少し堪能させてよおおおお!!!

「ぐぅ…!海のの可愛さ特大級…」
「なにやってんだ」

項垂れて海のの可愛さを噛み締めてる私を抱き上げるアルフは楽しそう。

「海のが可愛い」
「良かったな」
「うん!」

赤くなったおでこは治しませんでした。
海のの愛はいつでも大歓迎なのです。
はっ!海のからの加護は最大限の愛情だよ!
それなら魔力量をアルフよりも多く見せるよ!人間離れした魔力量に見せました!愛を見せつけるよ!
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