65 / 135
63
しおりを挟むなんとなく分かった。
アルフに対する感情が。
ちゅーしてもいいし、なにしてもいいと思ってる。性行為以外は。
肉欲がなければアルフとなにをしてもいいと思ってる私と、肉欲をぶつけてくるアルフが対立?意見の食い違い?見方の違い?が生まれてるんだ。
「ヒナノ」
「ん」
バーナビーがアルフに抱きかかえられている私の頭を撫でてくれる。
そんな年齢でも、そんな存在でもないと知っているのに………
「失くした全てが大きすぎるな」
「ん」
「ゆっくり向き合っていこう」
「ん」
「私が生きているうちは駄目でも、子に継がせ」
「あ、それは無理」
「ん?」
「バーナビーが王から退いたら私、いなくなろうと思ってるから」
「あ゙あ゙!?」
相変わらず乙女は煩いな。
声量をどうにかしろ。
「アルフの近くにはいるよ。そういう消えるんじゃなくて、私には寿命がないからいつまでも存在し続ける。それはアレスが望んでいる天使様の存在ではないから、バーナビーが玉座を降りる時、私は消えたと認識させる」
そういう終わりでいいかなぁ?と思っててねー?だっていつまでも天使様がいたんじゃ、誰を幸福にしたいのか分からないじゃん。
「ふっ、それなら強引に心を開かせよう」
「やだ、バーナビーったら男前♡」
「炎のに似てるな、気色悪ぃ」
「うるせぇよ阿呆が」
「ははっ!幸福にしてみせる、必ずな」
ポンポンと頭を撫でてから退出したバーナビーはいい男であり、いい人間だ。
「ヒナノ」
「いい、このまま護衛しとく。よろしいですか?」
「構わない」
横になってるルーシャンに許可は取るのに、私には許可を取らない………
何故だ。
するすると首元に腕を伸ばして匂いを嗅ぎながら一日中ルーシャンの警護をしてるアルフにくっついてた。
「あ!?」
煩いよ乙女。ルーシャンが驚くでしょ。
「俺が行ってる家ってどこだ!?」
「「!」」
鋭いのか、今更気付く馬鹿なのか………
両方だな。
「天界」
「どこだよ」
「神々が住まう世界」
「「「…」」」
ルーシャンは気を利かせてくれたから、近くには3人しか居ない。
「なんで外出ちゃいけねぇ?」
「危ないから」
「なんでだ?」
「この間バーナビーに呪いを投げようとした子が居たでしょ?あんな風に遊びで呪いを投げる子ばかりなの。統率なんて必要ないから無法地帯だし、それにアレスはとても希少な神だよ」
「あん?」
「人間の事なんて愛していない、どうでもいい存在としてしか見ていない者達ばかりよ。そんなところに行かせられない」
「「「…」」」
バレないように親しい者達には加護を授けているけど、神々が本気になれば通用しないチンケな加護だ。
だから遊びに行かせられない。
さすがに私の加護がついてちゃバレるだろうし。
「お前……最初から知ってたな?」
運命か。
どうしてそんなに詰めてくるんだ今日は。
「今日の夜ご飯は魚かー」
「あん?」
「あー、運命だー、ふーん。みたいな感じ」
「「「…」」」
「夜ご飯と一緒ー」
「一緒にすんじゃねぇ」
「私に会って絶望してたしー?私も伴侶が死んじゃうなんて嫌だしー?そんな絶望耐えきれないしー?耐えてるけどー?最初はお互いそれで良かったじゃーん」
「「「…」」」
私も成長したなぁ…
伴侶はいらない!なんて気持ちよりも、今はイセトと伴侶になりたい!という気持ちの方が強い。
あ、デズモンド様探しに行くの忘れてた………
もう少し心が回復してからにしよ。うん。
「しっくりくるな」
「なにが?」
ルーシャンは心底納得しているような顔してる。
「アルフもそうだが、イセト・ダックワーズも変だ」
うんうんと頷いているのはリンジー。
「囲おうとするのが普通だ、人それぞれ異なるとはいえ、ヒナノをアルフに預けた彼も、ヒナノがなにを大切に思っても全てを見守るアルフは通常ならあり得ない」
そうだね。私もそう思ってる。
「生まれ変わってまで側に居たいという執念は負けそうだがな」
「そうでしょう」
なんで頷いてんだよアルフ。
そうでしょう。ってなんだよ?
なんでそんなに生まれ変わりを信じてる?
私の願望だよ?
なにアダムは俺だ。みたいに当たり前のように返事してるのかな?
「なに納得してんだよ」
「あ?だってそうだろ?俺はアダムだった。お前を1人にしない為に、お前を愛して側にいたいアダムが願ったのが今の俺だ」
「「「…」」」
だとすると。
「伴侶になりそうにないね」
「あ゙!?なんでだよ!?」
「100万年アダムと一緒にいたけど伴侶になってないもん」
「なんでだ?」
「全く肉欲が沸かない」
「「「…」」」
そう言うとストン…と落ちてきた愛情。
アダムではなくアルフと認識して、アルフを愛している。
それは必然ではなくて、積み重ねてきた私たちがあるからこそ愛しているのだけれど……
ちっとも伴侶になりたいと思えないな?
愛してるって言ったら襲われそうだから言わないけど、大切で愛おしい存在ではあると気付いた。
「諦めて違う愛の形を」
「ぜっっってぇに嫌だ!!!」
「うん、困ったね」
「ふざけんな………」
心からの言葉にガッカリしてるアルフは、私が怖がりながらも前に進もうとしているのに気づいている。
だからこそ心底げんなりしてるんだろうけど。
「デートすんぞ」
「うん、なんだろう?アルフのデートって楽しいんだけど、きゅんきゅんしないな?」
「「「…」」」
そうだな、乙女センサーなるものが反応しない。
「ルーシャン一緒に寝てもいい?」
「来なさい」
ルーシャンの横で寝転がって、許可を貰ってからお腹に触れる。
「もしも話してもいい?」
「構わない」
「もしもルーシャンが恋愛するとしたらアルフのアタックで心動かされる?」
「………」
どうしてか私のお腹をポンポンして寝かせようとしてくるルーシャンに抗わず目を瞑った。
「旅行にでも行って来い」
「………今は無理です」
「お子様が生まれた後でもいいから行って来なよ。ヒナノ、本気で恋心ないよ?」
「ぐぅ゙………」
「ダックワーズの事は愛してるんだ、愛せない訳じゃない」
「お……私も愛は頂いております」
「うん…その愛じゃ多分一生伴侶になれなさそう」
「どうしたらいいんだ……!」
「「…」」
0
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
黒騎士団の娼婦
星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる