化け物天使は常識知らず!

ユミグ

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なんとなく分かった。
アルフに対する感情が。
ちゅーしてもいいし、なにしてもいいと思ってる。性行為以外は。
肉欲がなければアルフとなにをしてもいいと思ってる私と、肉欲をぶつけてくるアルフが対立?意見の食い違い?見方の違い?が生まれてるんだ。

「ヒナノ」
「ん」

バーナビーがアルフに抱きかかえられている私の頭を撫でてくれる。
そんな年齢でも、そんな存在でもないと知っているのに………

「失くした全てが大きすぎるな」
「ん」
「ゆっくり向き合っていこう」
「ん」
「私が生きているうちは駄目でも、子に継がせ」
「あ、それは無理」
「ん?」
「バーナビーが王から退いたら私、いなくなろうと思ってるから」
「あ゙あ゙!?」

相変わらず乙女は煩いな。
声量をどうにかしろ。

「アルフの近くにはいるよ。そういう消えるんじゃなくて、私には寿命がないからいつまでも存在し続ける。それはアレスが望んでいる天使様の存在ではないから、バーナビーが玉座を降りる時、私は消えたと認識させる」

そういう終わりでいいかなぁ?と思っててねー?だっていつまでも天使様がいたんじゃ、誰を幸福にしたいのか分からないじゃん。

「ふっ、それなら強引に心を開かせよう」
「やだ、バーナビーったら男前♡」
「炎のに似てるな、気色悪ぃ」
「うるせぇよ阿呆が」
「ははっ!幸福にしてみせる、必ずな」

ポンポンと頭を撫でてから退出したバーナビーはいい男であり、いい人間だ。

「ヒナノ」
「いい、このまま護衛しとく。よろしいですか?」
「構わない」

横になってるルーシャンに許可は取るのに、私には許可を取らない………

何故だ。

するすると首元に腕を伸ばして匂いを嗅ぎながら一日中ルーシャンの警護をしてるアルフにくっついてた。






「あ!?」

煩いよ乙女。ルーシャンが驚くでしょ。

「俺が行ってる家ってどこだ!?」
「「!」」

鋭いのか、今更気付く馬鹿なのか………
両方だな。

「天界」
「どこだよ」
「神々が住まう世界」
「「「…」」」

ルーシャンは気を利かせてくれたから、近くには3人しか居ない。

「なんで外出ちゃいけねぇ?」
「危ないから」
「なんでだ?」
「この間バーナビーに呪いを投げようとした子が居たでしょ?あんな風に遊びで呪いを投げる子ばかりなの。統率なんて必要ないから無法地帯だし、それにアレスはとても希少な神だよ」
「あん?」
「人間の事なんて愛していない、どうでもいい存在としてしか見ていない者達ばかりよ。そんなところに行かせられない」
「「「…」」」

バレないように親しい者達には加護を授けているけど、神々が本気になれば通用しないチンケな加護だ。
だから遊びに行かせられない。
さすがに私の加護がついてちゃバレるだろうし。

「お前……最初から知ってたな?」

運命か。
どうしてそんなに詰めてくるんだ今日は。

「今日の夜ご飯は魚かー」
「あん?」
「あー、運命だー、ふーん。みたいな感じ」
「「「…」」」
「夜ご飯と一緒ー」
「一緒にすんじゃねぇ」
「私に会って絶望してたしー?私も伴侶が死んじゃうなんて嫌だしー?そんな絶望耐えきれないしー?耐えてるけどー?最初はお互いそれで良かったじゃーん」
「「「…」」」

私も成長したなぁ…
伴侶はいらない!なんて気持ちよりも、今はイセトと伴侶になりたい!という気持ちの方が強い。
あ、デズモンド様探しに行くの忘れてた………
もう少し心が回復してからにしよ。うん。

「しっくりくるな」
「なにが?」

ルーシャンは心底納得しているような顔してる。

「アルフもそうだが、イセト・ダックワーズも変だ」

うんうんと頷いているのはリンジー。

「囲おうとするのが普通だ、人それぞれ異なるとはいえ、ヒナノをアルフに預けた彼も、ヒナノがなにを大切に思っても全てを見守るアルフは通常ならあり得ない」

そうだね。私もそう思ってる。

「生まれ変わってまで側に居たいという執念は負けそうだがな」
「そうでしょう」

なんで頷いてんだよアルフ。
そうでしょう。ってなんだよ?
なんでそんなに生まれ変わりを信じてる?
私の願望だよ?
なにアダムは俺だ。みたいに当たり前のように返事してるのかな?

「なに納得してんだよ」
「あ?だってそうだろ?俺はアダムだった。お前を1人にしない為に、お前を愛して側にいたいアダムが願ったのが今の俺だ」
「「「…」」」

だとすると。

「伴侶になりそうにないね」
「あ゙!?なんでだよ!?」
「100万年アダムと一緒にいたけど伴侶になってないもん」
「なんでだ?」
「全く肉欲が沸かない」
「「「…」」」

そう言うとストン…と落ちてきた愛情。
アダムではなくアルフと認識して、アルフを愛している。
それは必然ではなくて、積み重ねてきた私たちがあるからこそ愛しているのだけれど……
ちっとも伴侶になりたいと思えないな?
愛してるって言ったら襲われそうだから言わないけど、大切で愛おしい存在ではあると気付いた。

「諦めて違う愛の形を」
「ぜっっってぇに嫌だ!!!」
「うん、困ったね」
「ふざけんな………」

心からの言葉にガッカリしてるアルフは、私が怖がりながらも前に進もうとしているのに気づいている。
だからこそ心底げんなりしてるんだろうけど。

「デートすんぞ」
「うん、なんだろう?アルフのデートって楽しいんだけど、きゅんきゅんしないな?」
「「「…」」」

そうだな、乙女センサーなるものが反応しない。

「ルーシャン一緒に寝てもいい?」
「来なさい」

ルーシャンの横で寝転がって、許可を貰ってからお腹に触れる。

「もしも話してもいい?」
「構わない」
「もしもルーシャンが恋愛するとしたらアルフのアタックで心動かされる?」
「………」

どうしてか私のお腹をポンポンして寝かせようとしてくるルーシャンに抗わず目を瞑った。










「旅行にでも行って来い」
「………今は無理です」
「お子様が生まれた後でもいいから行って来なよ。ヒナノ、本気で恋心ないよ?」
「ぐぅ゙………」
「ダックワーズの事は愛してるんだ、愛せない訳じゃない」
「お……私も愛は頂いております」
「うん…その愛じゃ多分一生伴侶になれなさそう」
「どうしたらいいんだ……!」
「「…」」
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