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しおりを挟む私が何者なのかはざっくりと説明?出来たと思う。
これでバーナビーの憂いが減ったのなら良きかな良きかな。
私を幸福にしようと動くバーナビーは決して落胆していない。
むしろみなぎるような力が感じ取れる程に生き生きとしている。
いや、もちろん私の事だけでみなぎっている訳ではない。
でも、私のせいで幸福から遠のくなんてあっちゃいけないのだ。
「おめでとう」
「ありがっ、あり、あ、あ、」
「「「「…」」」」
卵から生まれ出てくる子どもたちは、結腸の奥に疑似子宮を魔法陣で作り、腹の中で育て、時期になると卵の形で出てくる。
そして数日かけて2人の、まぁ、なんでもいいんだけどね?本当は。
この世界では両親の魔力を注いで卵が割れる。
そこで初めて子どもが無事に産まれ出たと認知される仕組み。
「「みー…みー…」」
ルーシャンとバーナビーの子が産まれ、なんでかルーシャンではなくバーナビーの涙腺が崩壊している。
「ありがとうございます!!!」
「「「「…」」」」
うん、世界様だから感謝されるのは分かるけど、他の人間もいるからねー?
「ルーシャンが頑張ったんだよー」
「そう、だなっ、あり、ありがっ、とう、ルーシャン!」
「そろそろ泣き止め」
「あ、ああっ…!っっ、」
「「「「…」」」」
こんな可愛い姿を見せたくないんだろうルーシャンの独占欲が感じ取れる。
「また見に来るねー」
「ああ、遊んでやってくれ」
「うん」
部屋に戻らず庭に転移するのも最近の日常だ。
本を読む時は庭にして、遊びに行く時は部屋に籠もっている天使様にしている。
ちなみに、リンジーが側にいてくれる時もあるけど、今みたいに1人で転移して、好き勝手に行動してるのだ。
もちろん遊びに出掛ける転移以外は王城に張り巡らされた結界に引っかかるようにしてる。
そのお陰?で、ヒナノちゃんの動向は分かりやすくなってるから安心安全だ。
アルフはルーシャンの警護で忙しいし、リンジーは私の側仕え兼新人を育て上げる兼ルーシャンたちの子どもの側仕えを兼用する事になったので大忙し。
私は精霊の加護がたくさんついてるし、魔力量も桁違いになったし、部屋か庭にしか行かないから警護も要らないと天使様のわがままで自由気ままに過ごしている。
他の側仕えもいらないのだ。
私はリンジーのお世話が大好きになったので、リンジー以外からのお世話は拒絶してる。
本を仕舞って寄り掛かっている大木を見上げた。
真っ赤な果実はなく、今は葉が落ちて新緑のような緑もなく、果実を挟んで向こう側にいる動物の息遣いも聞こえない。
アダムが声をかける事も、果実が誘惑するように食べて、食べて、とも揺れない。
「今日もいい月だね」
きっとこうやって懐かしむ日々になるんだろう。
しがみついて、過去に縋る私ではなく、懐かしみ思い出に浸るような……そんな日常に変わっていく。
「あ」
室内庭園に転移すると人間が数名いたらしく、驚かれた。
あ、そうだった。なんにも説明していないなと思い、イヤーカフをみんなに着けた。
連絡する物はこの国にもあるけど、それも調べようと思えば結界に引っ掛かってしまうから安全策として私が創った物を使用した。1番の理由は面倒にならない為に。
『こんにちはー』
『『『『!!!』』』』
『イヤーカフを着けたのー、話せる……えーっと……ああ、魔力を流したら話せるよー。今はルーシャン、バーナビー、アルフにリンジーが聞こえるようになってる』
なんだっけ?この花。
ああ。
『マリアコサト花はリヴァの花ー』
『あ゙!?』『『は?』』『……どうしたらいい』
バーナビーは行動が早いねぇ。
『そろそろ出現する。今回だけは私が対処するからバーナビーはいつも通りでいいわ。現れるまでに対策もしないで、怪しまれないように動きなさい』
『かしこまりました』
あれ?なんで敬語だ?
『ルーシャンの庭園に来て勝手に観察しちゃってるのー』
『構わない』
『ありがと、生えてるだけでは害意はないけれど、今はどう見えるのか多くの人間から聞いてみたい』
『お任せ下さい。リンジーは子が産まれ、室内庭園を開放する日と称して茶会を開け。平民も全てだ』
『かしこまりました』
バーナビーはいい王様だねぇ。
お任せしちゃお。
『アルフは城の安全を強固としろ』
『お任せ下さい』
みんなのイヤーカフは今日一日着けておこうかな?
『クロノスー、アレス呼べるー?』
私が声をかけるのはまだはや……
「うん?どこだ?」
うん、そうだね。今度から私もクロノスみたいに勝手に転移させちゃおう。
『いつもありがとう』
『はい!』
リヴァの花が見える位置……宙にでもラグを敷くか。人間が来るみたいだし。
「アレス、久しぶり」
「そうか?」
「そうみたい」
「そうか!」
誰に飛ばされたかも分かってないな。
そしてどうでも良さそうだ。
可愛いな、おい。
「上にラグを敷いたの、盤上の遊びでもしない?」
「いいぞ!」
「ちなみにこれは何色?」
「ん?透明だな!」
「ありがと」
ラグの上に移動して、リヴァの花を観察するけどやっぱり透明に見える。
人それぞれ異なるように見えるリヴァの花は多分、全ての者から透明に見えると思うんだけどまだ確定ではない。
『淫魔ー』
『あは♡』
『マリアコサト花って今何色に見えるー?』
『…………透明』
『ありがと、対価はこの間の媚薬でいい?』
『えー?』
『ビタバレティモ国王はお尻のセンスがあるわよ?』
『本当!?ありがとヒナノ!』
どういたしましてー。
センスはあるかもしれないけど、させてくれるかはまた別だけどねー。
「アレス」
「む!勝ったぞ!」
「次ね」
「楽しいな!」
「他にもちょーっと難しいけど、覚えたら楽しい遊びがあるのー」
「くれ!」
「対価を願うわ」
「なにがいい!」
「人間や土地には一切触れさせないようにするから一瞬だけ悪魔の出入りをさせたいの」
「む………」
「今の遊びくらいの時間で済むわ」
「いいだろう!きっとヒナノなら世界様も許して下さる!」
ううん、世界様ここだよー。
「はい」
「でかいな!?」
「遊び方はこれに載ってる、みんなで学ぶといいわ」
「感謝する!」
いいんだよー、対価だからねー。
マージャン流行らしておいてくれるー?私の存在明かした時に強い神がいるといいなー?
イヤーカフを有効利用しているのか、みんなの声が聞こえ、下に居る人間達はアレスのキラキラが感じ取れなくなったのか…落胆?喜び?両方かな?してる。
『炎のー、マリアコサト花って今何色ー?』
「透明よぉ」
飲んでたのかいい感じに酔っ払った炎のが来た。
「あれリヴァの花ー」
「あら、そうだったのね」
「害意はないけどー、みんな同じ色に見えるからそろそろ出現すると思うのー」
「しょうがないわね、頼まれてあげる」
「ありがと、対価を願ってもいいよー」
これで歴史がねじ曲がっても炎のがなんとかしてくれるでしょ。
「それなら魔石のみを使った武器かしら?」
「いい子だよねぇ、ほんと」
「当たり前でしょぉ?」
リヴァの討伐に必要な武器。
人間に出来ないのなら炎のがやろうと思ってるんだろうな。
「リヴァが顕現して倒し方を確定したら渡すね?」
「そうね」
「ほんと、いい精霊なんだけどなぁ?」
「………なによ」
「素直になれって言ったでしょー?」
「っっ……うおおおおおおおんっっ!!!」
「おお?」
どうやら失恋してヤケ酒をしてたらしい炎のはいつもみたいに綺麗な化粧も華美な服装でもなくて、どう見ても失恋中!な炎のはまだ素直になれないらしい。
「うおおおおおおお!!!」
「すげぇ泣き方だな」
うおんうおんと泣く炎のの元彼氏に縛りをつけておいた♡
精霊と天使様に関連する全て、見聞きした情報を口に出せないように♡
「こんな感じで縛っちゃった♡」
「それくらいならいいわよぉ…!許してあげるぅ…」
「ありがと」
「うおおおおおおおん!!!」
「泣くなら心から泣きなさいよ、気ばっかり張ってると見失うわよ」
「うお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!」
う、うん…それはもう雄叫びだ。
平民も混じってきたのか、精霊の雄叫びに恐れおののいちゃってるよ。
私は下から見えてないし?神やら精霊やらが庭園で遊んでるようにしか見えないだろう。
「飲むわよおおおおおん!」
「う、うん、」
喋るか泣くか飲むかどれかにしてくれ。
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