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しおりを挟む今日は貴族数人との食事会。
本当はダウエルが私の席に座る予定だったんだけど、体調を崩したという事で代理で出てます。ダウエルの体調は熱が出てるだけなので、ゆっくり休ませている。どうやらお勉強のしすぎらしい。というより、ダウエルは勉強が好きらしく、没頭してしまう癖があるんだとか。だからこうして度々、熱を出してはルーシャンたちに勉強を取り上げられている。それでも元気になればまた、勉強に励んじゃうんだけどね。
「天使様とダウエル殿下がご一緒になられるところも拝見してみたいものです」
ダウエルの生誕祭やダウエルが出席する会がある時は、“たまたま”私が体調を崩している。近寄れないからね。恐怖を煽りたい訳でもないですから。
だから相まみえるところを見たいという話や、次代として、王として相応しくないから天使様がお会いにならない。なんて噂話が流れているのも知ってる。目の前の貴族は心配なんだろう。ダウエルの事を本当に天使様が嫌っているのではないか………。と。
「彼が玉座に座るその時には、どんなに体調を崩していたとしても祝いの場に出向きます」
「そうですか……」
ほっとした貴族には噂話を広げておいてもらいたいものだ。
「この間、ダウエルから花束を頂いたんです。とても大切に保管しているんですよ。ふふ」
「花束を…!それは良き出来事でしたな!」
「ええ、とても」
天使様はダウエルが大好きだという噂を流しておいてくれ。ちなみに事実だから大丈夫だよー。
ダウエルは既に次期王様という認識が誰の心にもある。
魔力量の多さに恐れている者もいると聞いて安心した。
「マーティンデイル公爵も跡継ぎが出来、ますます安泰になりましたね」
君の言う通りだね。
どんな子か知らないけど、音のが気に入って加護を与えたくらいなんだから、いい人間ではあるんだろう。国政ができるかどうかは別だけど。
「ああ、ウロコが飛び出ているのは不安だがな」
どうやらマーティンデイル公爵は親バカなようだ。
竜人の子が生まれたと聞いた。
竜人は体の一部に鉱石のような硬い部分があり、そこから運命に飲ませるたった1つのウロコがある。それを奪われないか不安なんだろう。
私にもある。首から顔にかけて、竜人の証が。獣人耳や尻尾のように私は隠せるから魔人として嘘つけるけどね。嘘でもないけどね。
「早く運命を見つけるのもいい手だ」
そうなればウロコは相手に飲まれ、消えてしまうからね。
「旅が出来たら今のうちに」
「危険だ」
「「「「「「「…」」」」」」」
却下されました。
そして親バカだという事が露見しすぎてますよ、公爵。
運命じゃなくても、好きな人が出来ればいいんだろうけど、まだ早いよね。
「天使様もお強くなりましたね」
「?」
話の脈略が分からないぞ?
「精霊様のご加護のお陰でしょう」
「ですがそれだけではないでしょう」
「ああ、それもそうだったな」
「?」
精霊以外に魔力が増える方法ってある?天使様的にだけど。
魔力の話じゃないのかな?
「なんのお話ですか?」
「ウロコですよ」
「そうでした、リンキーン伯爵が領地に新しい芽を発見したらしく、それがたいそうな物になりそうだとか」
???
ウロコがなに?
んん?なんの話をされて、なんで終わっちゃったの?ウロコ?ウロコ………
ああ!ウロコを飲めば相手の魔力と混じるからか!アルフは竜人だもんね。私にウロコを飲ませたら………
ガシャンッッ!!!
「大丈夫か?」
「天使様、具合でも?」
「………いえ、失礼致しました。手が滑ってしまっただけです」
「お取り替え致します」
「ありがとう」
やべぇやべぇやべぇ!!!
馬鹿!私の馬鹿!アルフのばかあああ!!!
一体、籠もり期間とやらになにしてたのよ!?いや、ナニしてたけども!
『バーナビー!!!』
『はい!』
『少しだけでいいから籠もり期間ちょーだいいいぃぃぃ!』
『三人目の』
『ちがああああう!!!アルフとの!』
『?戻って来たばかりだろう?』
そうだけど…そうだけど…そうなんだけど!
『ウロコ!ウロコ飲むの忘れてる!私もアルフも!』
『………』
『ふええええん!ウロコ飲むの忘れてたあああああ!!!』
唯一の相手としてウロコを飲ませて飲む。という大切な儀式を忘れてたよ!
『………なぜ忘れたんだ………』
呆れないで!私も呆れてはいるからあ!
『だあってぇ!………分かんないよおおおお!!!私たちのばかぁ!』
『………数日だけ整えるよう申請しておく』
『ありがとバーナビー!ごめんねぇ?もう次は絶対に飲むから!』
『………忘れることか?』
そんな風に聞かないで!
私だってそんな風に聞きたくなるけど…!
「………で………てん……天使様?」
「………はい」
「どうされました?」
「お気になさらず」
「「「?」」」
どうして気にならなかったんだよ!私もアルフも!
「黒き実りは飲まれた事がありますか?」
ああ、光のが隠してたコーヒー豆か。
それがリンキーン伯爵のところに生えたんだね。うん、そんな事よりアルフに問いただして責任転換したい気分なんだけどな?
「ございますよ。ビタバレティモ国に流れている飲み物を頂いた事がありますから」
「あのように美味しくなれば国中に広がるでしょうね」
「ええ、期待しております」
いつ籠もれるようになるかなぁ?なんだかうずうずしてきちゃった…。
いや、性的にというより、落ち着かないというか、早く飲みたいなぁ…なんて気持ちが湧き上がってきちゃうのだ。
食事会も終わり、そわそわとウロコの事を考えながら天使様の部屋に戻り、リンジーにおやすみの挨拶をして、アルフの家に帰った。
「ただいまー」
うん、返答なし!
ニウは箱庭で眠ってるみたい。アルフとメルはまだ仕事中かな?それならご飯を作って待っておこう。
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