巡る旅の行き着く先は終焉と呼べるのか

ユミグ

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魔王編

4-22※(軽く)

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「起きろ」
「壁にでもぶつけてみるか」
「いいなそれ」
「…やめてください起きました」
「「起きろ」」
「ふあ…おはよ」

ナインとエイスの起こし方はヒヤヒヤする、何度かぐいんぐいんと寝てるところに浮かされた体を揺らされた事があるから…起きてご飯を食べたら執務室に向かう。

「おはようございますデズモンド様」
「おはよう」

ちょっと朝から恨めしい顔して睨む事があるけどデズモンド様が気にした事はない。
気にして下さいお願いします。

「ん?」

デズモンド様の横に座ると足の長い机にはいつもとは違うグラスではない茶器が置いてあった、トレックス領で“いいか”と聞かれた物が目の前にある

「…」

やっぱり魔王様は可愛い物好きだ。
ほかほかの湯気が出てる緑茶が冷めるまでちょっと眺めてた、決して眠いからぼーっとしていた訳じゃない。

カップを持つと熱いかと思ったけどそうでもない、ふーふーして口をつけると美味しい緑茶の味だ、見た目も味も緑茶だ、とっても美味しい、これを私の為に作ってくれたんだからお礼を言わなきゃとは思うんだけど…

どうだろう。

海のの緑茶は冷たい物なんです。とは言わない方がいいよね。

「デズモンド様!ありっ、っ、近いですね」
「…」
「ありがとうございます!緑茶が飲めると思いませんでした!とっても美味しいです」
「…」
「デズモンド様が淹れてくれたんですか?」
「どちらが美味い」
「………え?」
「…」
「ど、どっちも違って美味しいです!」
「違うのか」

違うっていうか、本当に味が違うのは違うけど緑茶って色んな味があるのも楽しいよね。

「緑茶は色んな味がありますから、これも本当に美味しいです」
「どんな味だ」
「………」

どうやら追求したいらしい。

「え、と、海のの緑茶は澄んでいてすーっと喉に通る感じで…その、冷たい、です」
「…」
「ああ!デズモンド様!これも美味しいのは本当ですってば!目の前から消さないで下さい!まだ飲んでます!」
「…」
「本当に美味しかったのに…」
「…」
「ちなみに温かい飲み物も好きです」
「…」

冷たいっていうと茶器が消えてどこへ持って行ったのか仕舞ったのか分からないけど手元から机から消された。

「好きです、魔国の緑茶」
「…」

もう飲めないのか…
とちょっと伝え方がよくなかったなって反省してたら茶器が戻ってきた、さっきと変わらないままで。

「ありがとうございます!」
「…」

有言実行というか、やると決めたら多分やる人だからそのうち冷たい緑茶も飲めるだろう
そう思うと伝えて良かったのかも。

「♪」
「…」

勉強してると最近寝ちゃう事がある。
今までは自分のタイミングで起きてたし、ああやって寝不足にさせるから目がしゅぱしゅぱするけどお昼寝は許してくれるみたい、緑茶をとっくに飲み終わり体がポカポカして眠くなる。

「人間!」
「うひゃあっ!」
「ふんっ!こんなっぶべぼおおぉっ!」
「ん?」
「…」

壁をぶち抜いて飛ばされてるコンヴェラ様は相変わらずお笑い担当だ。

「どうして飛んだんだろ」
「…」

どうやら今日は答えをくれないみたい。

コンヴェラ様が部屋に入ると穴が開いた壁が直るけどどうしてボロボロのまま復元するんだろ?そういうものなのかな?

「魔王様本日も麗しく残虐なお顔でございます」

これって褒め言葉なのかなぁっていつも思う。

「コンヴェラ様おはようございます」
「人間!チーズケーキだ」
「わあっ!ありがとうございます!」
「人間には」
「デズモンド様がお願いしてくれたんですか?」
「気分になれば言え」
「気分です!」
「分かった」
「人間!無視するなああああっっ!?ごふっっ!」
「わあー、天井にのめり込むのは新鮮ですねー」
「…」

コンヴェラ様の手元にあったケーキはすでにデズモンド様の手の中、袋を開けて半分より少なめに切った物を私にくれるデズモンド様は私の食べられる量を寸分違わず把握してくれてるらしい。

「いつもありがとうございます!いただきます」
「いただきます」

ちなみに今私が住んでいる場所は一応魔王城らしい、魔国のどこに建てても魔王様が居れば魔王城になるんだって、それもそうか。
魔王城には料理人ももちろん居るらしいんだけど、私がトレックス領のあのお店を気に入ったと思ってるのかあそこからわざわざコンヴェラ様に買ってきてもらってるみたい。

優しいよねぇ、はきゅぅ

ハートマークを心から出すな!

「どうした」
「…わざわざ遠い場所から買ってきてくれるデズモンド様に感謝してました」
「…」
「動いてるのは私だ!」
「コンヴェラ様もありがとうございます、コンヴェラ様の分もありますか?」
「当たり前だ!」
「一緒に食べましょう」
「ふんっ!いただきます」

ちなみにラグウダ様もいただきますを言うよ。

「美味しい!チーズケーキも美味しいんですねぇ」
「…」

これに緑茶も合いそう、また飲める日が楽しみだ。

「魔王様、アルゼドとルールーリリが挨拶したいと言っています、いかがなさいますか」
「好きにしろ」
「はっ!」
「答えてみろ」
「は…魔王様どうい」
「はい!アルゼド様のキマスカス領は沼や竹林といった場所で住む事を好む魔人が多く職人気質な方も多い為、剣や私が座っている椅子などが多く生産される場所です」
「マグマも多い」
「そうでした!ルールーリリ様のトレッドローズ領で有名なのは化粧品に使う製品の開発ですが、温泉も売りに出しているのと一流の娼館が立ち並ぶ温泉街も魅力の1つです」
「正解」
「えへへ」
「くっ!人間がっ!」

1日に何度かクイズをデズモンド様が出してくれる、この時間が好きで答えられるように長い歴史がある魔国を覚えられるようにと勉強も捗る。

「コンヴェラ様緑茶頂きました、美味しかったです」
「はんっ!人間如きに味が分かるか!」
「味覚に違いがあるのですか?」
「ない」
「良かった」
「…」
「伝えてきます魔王様」
「行け」
「はっ!」

コンヴェラ様はみんなと仲がいいのかな、でも4人が四天王なんだもんね。
自然と仲が良くなるのかも。

「ヒナノ」
「エイスどうしたの」
「やる」
「わっ!金平糖、いいの?エイスが好きなのに」
「いい」
「ありがと!」
「…」
「また持ってきてやる」
「嬉しい、エイスは珍しい物たくさん知ってるね」
「無知なだけだ」
「そうだった!でもデズモンド様のクイズに答えられるようになってきたよ」
「じゃぁな」
「うん」

今日は口の中が甘いなぁ。

「来い」
「はい」

椅子から降りてデズモンド様の膝の上に乗る、未だにスイッチが分からないけど。

「んっ……ちゅ、ん、…はっ、ん、」
「好きか」
「ん、金平糖ですか?」
「…」
「好きです、んっ!ん、ん、……ん、」

多分覚えたての……んんっ
そういう事なんだと思う。

「ひあっ!?な、な、なっ!」
「…」
「ま、まって下さい!ひあっ!?下着を取らないで下さい!」
「…」
「んっ!んん~~!んっ、んっ、んっ」

ベッド以外で剥ぎ取られたのは初めてです
最後まではしなかったけど

「んにっ!ん、ん、んん~~!っっ!っっ、づっ!んっんっんっんっ」

キスと指で愛撫されて何度かイかされました。

体力そこまでないです…
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