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淫魔編
5-52
しおりを挟む私が召喚されて10万年が経った。
あれから何度か召喚されたけど、弱い悪魔と契約して帰ってこれた。
扉を知ってたから、色味を教えてね?弱い悪魔に世界を渡らせたからすぐに帰れるんです。
相変わらず私については分からない事だらけ。
分からない事しかない。
だけどついに出来た!
出来たんだよ!
寿命を延ばす事は出来なかった、でも牙は出せた!鼻はやっぱり劣化品だけど、魔法で感度をあげる事も出来る。
そしてそして遂に……
「風のー!」
「うあっ!ヒ、ヒナノ?き、気付かなかった!」
「うへ、10分前から居たよー」
「え!?」
実は風のはデズモンド様と同じくらい魔法にも詳しかった、今回はそうでもないけど、10万年かけて私の知識を吸収して軽々と私の先を行くから敵わない相手は風のだけだった。
気配も魔力の残存もなく近付けたよ!
10万年っておい!って思うよねぇ…
でも私も仕事しながらだったしー、たくさんのトラブルもあったしー、大変だったんだよぉ?
でも魔法陣も精密に、息するように出来るようになったし、記憶も渡せる私はこの世界では最強かも!
「んふふー」
「今度は僕がしてみていい!?」
「いいよーそれじゃ」
「不思議な魂だ」
違和感だ。
誰?
空に浮いてる風のを捕まえに来たのに。
いきなり目の前に現れた美丈夫な男は海のみたいに足元まで金色の髪がサラサラしてて瞳も金色だ。
真っ白な服を着てる、でも変だなって思ったのはこの男が現れたからじゃない。
風のが跪いてる、ずっと。
宙を浮かんで頭を垂れてるんだ。
「誰?」
「アンテロス」
「私はヒナノ、魂が見えるの?」
「人間は見えないのか」
また違和感。
「見えない、アンテロスはなに?」
「神だ」
ああ、居たんだ。
神は居たんだよ。
落ち着いて、落ち着いて。
「人間の町に降りた事ある?」
「ないな」
「私の国そこなの、滞在していきなよ」
「何故だ?」
「美味しいご飯に美味しい飲み物もたくさんあるから」
「ふむ…まぁいいか、国とはなんだ?」
「ちょっと待ってね」
心臓がバクバクだ。
だって目の前から消えたら何も聞けなくなる。
魔法で国の範囲を分かるようにして…
「この円の中が私の物、遊んで来て感想を聞かせて?」
「ふむ…まぁいいか」
そう言いながら消えていったアンテロスは神と言ってた。
神が居るなら…
「ヒナノ大丈夫?」
「うん、もしかして威圧的な?」
「凄かった…人間が言う事分かったかも」
「うん…私分かんなかった」
「え?」
私には威圧が分からない。
なにも感じ取れないのはどうしてだろう。
異なるからといっても限りがありそうなのに…
「精霊に警告しておいて…」
「なにを?」
国を知らない。
精霊を見てもなんの反応もしない。
降り立った事がないのかもしれない。
「善悪の分からない神が降り立ったと」
「…分かった」
風のが消えても呆然と空の上に居た。
神が居た…
神が居るよ!
聞きたい…!
知りたい!
私がなんなのか聞きたい!
*********************************
海のは海の中で大人しくしてくれてる。
風のが説得してくれたんだろう。
土のも出て来ないようにした。
新しく友人になった精霊は神に興味がないみたいで一安心。
「ヒナノ、これはなんだ」
「どっから取って来たのよそんなの」
「駄目か?」
「駄目じゃない、それは魔獣と呼ばれてる生き物で…魂はある?」
「ある訳ないだろう、馬鹿なのか?」
「人間が居ない世界ってなにがあるの?」
「天界、下位世界、悪魔世界だ」
「ああ、そう…ってそこで切らないで!焼かない…いいわ、なんでもない」
「そうか」
アンテロスは何も知らないらしい。
天界で暮らしているのかとも思ったけど、それも違う。
箱庭と呼ばれる場所を作り、そこで魂を磨くんだって。
びっくりだよね、なに魂って、磨くの?キュッキュッて?って聞いたらそうだって…
布で拭くらしいよ。
凄いよね、なんだかげんなりもしたよ。
たまに天界に行って呑むらしい。
誰と呑んでるかは聞いてない…まだ。
ゆっくりと聞き出そうと思ってる。
強き存在であり、隔離された…人と接した事のない心ある者の行動が分からなすぎるから。
そしてたまに世界を覗いてたんだって。
神の言うたまにはどれくらいか知らないけど
、私の魂は混じり合ってるらしい。
汚くはないけど、違和感が凄い私の魂に会いに来た、なんで?って。
それだけ。
なんで?って聞いたら答えが返ってくるような環境なのかな?
とにかく降り立った事のないここは、多分天界とは全く異なるんだろう。
いつもいつも寝ててもいきなり起こされて“これはなんだ”“口に入れていいのか”と聞かれる。
いいんだけどね、私は利用したいからいいんだけど。
正直ここまで理解しない子は初めてで、ママちょっと戸惑ってるよ。
*********************************
「性行為は知ってる」
「そうなんだ」
「した事ない」
「そうなんだ」
「どうやる?」
「…」
まさかの一から育てんのかよ!?とか思ったけど、子育てにこういう事は付き物だよなとも思う私の思考回路は完全に親だった。
「射精はする?」
「分からない」
「他の神は射精する?」
「射精が分からない」
ううん、どうしてこんなに犯罪臭がするんだ。
私に。
「ここ、ここは大きくなる?」
「ならない」
「形状は一緒、魔力の流れも一緒。出せると思うけど…とりあえず娼館に行ってみようか」
「うむ…まぁ、いいか」
ちなみにアンテロスのこれは本当にいいかと思ってるだけ。
何を?それはこれからどこかに行こうという誘いに乗ってるだけ。
私の言葉の意味を理解してる訳じゃない。
娼館にアンテロスと転移するけどこんな事も珍しくない。
アンテロスはいつだってママよろしくだ。
「神様………!」
「…」
そうだった、なんかこいつ崇めるオーラ出てるんだった。
「一目見てこいついいなと思う人間居る?」
「居ない」
「ごめん私が間違えた」
「馬鹿だな」
「うん」
執務室に戻って前をはだけさせる。
「これが陰茎という体の部位の1つで、ここが大きくならないと射精しないの」
「どうする」
大人のおもちゃを取り出して目の前で握る。
「こうやって上下に動かしてみて、そっとね」
「分かった」
私の手の動きを真似して動かしてるけど、うん元気だね!
「先に穴が空いてるでしょ?」
「ああ」
「そこから今より気持ちいいと射精するの」
「やってみるか」
もう勉強はいいかと思って仕事に戻る。
うーん、匂いは同じだ。
出た精液も多分一緒だけど魔力が馬鹿濃い。
「これが射精か?」
「そう、次はこのおもちゃをこういう風に埋めてみて」
「分かった」
「これが穴に挿れるという行為、それが終わったら前戯について話しましょう」
「分かった」
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パソコンをカチカチしながら次の射精を待つ。
うん、なんだかちょっと馬鹿らしいね!
「射精した」
「そしたら1度片付けて…うん、まず許可を得た相手以外にその姿を見せたら駄目、人間は恥ずかしいやら隠したい欲求やらを持っているから」
「ああ、女神達もなんか言っていたな」
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