巡る旅の行き着く先は終焉と呼べるのか

ユミグ

文字の大きさ
209 / 247
淫魔編

5-55※

しおりを挟む

アンテロスへのイラつきを抱えたままリクの元へと転移した。
こんな状態で会うつもりじゃなかった、本当にいつだって私の人生は一瞬で変わり、一瞬で終わる。



執務室に居るリクは私にしばらく気付かない。
気配の消し方上手くなったかな?

「リク」
「っ、どちら…さ………」

いつだってリクは私を愛してくれる。
だけどこの瞬間は毎回緊張しちゃうんだ。

ああ、もう心が滅茶苦茶。

アンテロスを殺したい気持ちと、リクをこれから1秒でも長く見て愛したいと思う気持ちがごちゃごちゃと煩い。

「あ、愛してるのっ、いつだって、あ、愛してるのっ、リクの事愛してっ、頑張ったんだよおっ…!頑張ったんだ私ぃっ…!ぎゅぅしてぇっ!頭を撫で、んぶっ!」

抱きしめられた。

だって私がぎゅぅしてって言ったから。

頭を撫でてくれる。

私がしてって言ったから。

緊張してる手で撫でてくれるんだ。

「はぁっ…私も、愛しておりますっ、嘘かと思われるかもしれませんが、何故か、何故か、愛おしいと思う心がっ、」
「抱いてほし、説明後でするから今すぐ抱いて、じゃないと倒れちゃ、っんっんっ!」

遠い遠い記憶。

理久を思い出した。
私はワンピースじゃなくてチキュウの服装だったから。
それを煩わしそうに脱がしてリクも脱いでいくけど、私はぶわっとリクへの愛情を思い出して体を動かしたかったけど、もう動けなくて…
抱かれてないからなのかリクが居る安心感なのか分からないけど、力が抜けた私をソファに倒す。
キスしたまま。
前戯もしようとするから思わず止めた。

「も、いれ、て、意識、なくしちゃ、いたくな、い、から、っっ~!」
「はっ!はっ!チッ!」

久しぶりに聞いたリクの舌打ちに嬉しくて嬉しくて涙が止まらない。
拙い腰つきに興奮する、滅茶苦茶なキスに愛してるって思うよ。

「すみませっ、出しますっ、っっ、ぐっ…!はっ!はっ!っっ、」
「もっ、と、」
「チッ」

嬉しいなぁって思う。
コントロールが出来ないんだ。
私は気絶が中々出来ないし、抱かれればどんどん元気になってくる。
途中扉を叩かれたから思わず鍵を閉めちゃったけど、リクが声をかけたらまた始まる行為は次の日のお昼まで続いたの。



ふふ、愛されてるなぁ。



「リク」
「はっ!はっ!っ、体調はいかがですか?」
「とりあえずは」
「でしたら食事を致しましょう」
「うん」
「お名前を伺ってもよろしいですか?」
「ふふ、やだ」 

硬直したリクにそういう事じゃないのにと思いながら、私って随分意地悪になったなぁとも思う。

「食事をしたら説明するね」
「はい」
「愛してる」
「っ、私も、愛しておりますよ」

まぁ、驚くよなーと思う。
なんで女がここに?とは思うよねぇ?
護衛達が驚いてる中、気にせずリクが私を抱っこして寝室まで行くから尚更驚くよねぇ…なんて、なんだか楽しい状況にくすくす笑ってるとキスされて、まだ寝室じゃないのにと思いながら力の入る腕をリクに回した。

「うえ…」
「どうされました?」
「うん、忘れてた。とりあえず私はいいや」
「ですが…」
「リクだけ食べて、後でご飯探してくるから」
「…かしこまりました」

最近世界が美味しかったからまた忘れてた!
マズイよ!砂よりマズイよ!

リクが食べてるところ見たいって言ったら私を前に置いてくれたからじーっとみてる。

「ふふ」
「…」

どうしようかな。
とりあえず2人は起こさない、アンテロスを調教してからだ。
強力な契約書を作ってサインさせる。

ああ、リクが格好いい。

「ふふ」
「…」

やる事がたくさんだ。
空間収納はやっぱり空っぽだったから鉱石掘りに行かないと。
早くリクに守りを、私に守りを。

ああ!もぐもぐ可愛いよおおおおお!

「んへへー」
「…」

とりあえずリクには仕事やめてもらってる間に支度…はあぁぁん!ペロって!ペロって!伴侶様ああああああ!

「んふっ、ふふ、んへ」
「…」

まだ体調悪いなぁ…
けどこれくらいなら…ああ、でもあと100万年くらい抱かれないと無理かもおおおおっ!

「んふっ、ふふ」
「くすくす」
「んえ?」
「楽しそうでなによりです」
「んはっ…!かあっこいいいいいっ!」
「くすくす」

ご飯食べ終えてベッドに横になるリクと見つめ合う…はうっ…!

「んふっ、んふふ、ふふっ、しあわせぇぇぇっ!」
「くすくす」

まだ遠慮されてるのが分かる。

ちゃんと覚えてるなぁ、私凄い!偉い!

「リク、私の記憶を見て欲しいの」
「そのような事が出来るのですね」
「今聖女だからだと思ったでしょおー!」
「くすっ、そうですね、黒目黒髪など見た事はありませんから」
「違うもん!頑張ったんだからね!リクにたあっくさん褒めてもらえるように!」
「?」
「見てくれる?」
「もちろんです」
「見た後は混乱するけど大丈夫、怖くないよ」
「はい」

リクにだけフォーカスする、リクの全てを受け渡すようにおでこに当てる。

「っっ!」

私も一瞬で出来るようになりました!

「はっ!はっ!はっ!っっ、っ~!」

たくさん回数を重ねて心にも肉体にも問題ありません、だけどちょこっと混乱するみたい。

ぎゅぅぎゅぅしてリクの頭を抱える。
大丈夫だよー怖くないよー。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…っっ、っ、」

一緒に居ようね。
出来れば永遠がいいなぁ…

「っっ、」
「うひゃぁっ!」

私の事をベッドにコロンとしたら。

泣いてた。

リクが泣いてる。

とってもレアだ。

「あ、あれ?感情までは読み取れないはずなんだけど、ご、ごめん、失敗しちゃっ、んんっ、んっ、んー!んー!んんん!?」

簡単に脱がされて挿れられました。
とっても早業です。

「っっ、ヒナノ様っ、ヒナノ様っ、」
「なかないで、かなし、の?」

パンパンッて部屋中に響く音を消して、リクだけに集中する。

「ヒナノ様っ、っっ~!も、申し訳、ございませっ、ヒナノ様っ」
「んんっ!ん、」

どうしてか泣いてる。
なんでだろう、リクは楽しみにしてくれてたのに…

罪悪感なんて必要ないのに…

「はっ!はっ!ぐっ…!っ、ぐぅっ!はっ!はっ!」
「うひゃぁっ!ひあっ!リクっ、ど、して、わたし、わるい、んんっ!」

いきなり出されて、びゅーびゅー出しながらも叩きつけるから困った。
なんでかとってもリクは悲しそうで…

どうしてだろう…

後ろにも指を入れられたけどすぐ抜かれた。

割れてないからだね!?そんな遠慮するくらいなら涙拭いて!

泣きながらずっとずっと私を求めるからあとで聞こうと思ってずっとずっと手を握ってた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~

卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」 絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。 だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。 ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。 なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!? 「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」 書き溜めがある内は、1日1~話更新します それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります *仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。 *ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。 *コメディ強めです。 *hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

【本編大改稿中】五人のイケメン薔薇騎士団団長に溺愛されて200年の眠りから覚めた聖女王女は困惑するばかりです!

七海美桜
恋愛
フーゲンベルク大陸で、長く大陸の大半を治めていたバッハシュタイン王国で、最後の古龍への生贄となった第三王女のヴェンデルガルト。しかしそれ以降古龍が亡くなり王国は滅びバルシュミーデ皇国の治世になり二百年後。封印されていたヴェンデルガルトが目覚めると、魔法は滅びた世で「治癒魔法」を使えるのは彼女だけ。亡き王国の王女という事で城に客人として滞在する事になるのだが、治癒魔法を使える上「金髪」である事から「黄金の魔女」と恐れられてしまう。しかしそんな中。五人の美青年騎士団長たちに溺愛されて、愛され過ぎて困惑する毎日。彼女を生涯の伴侶として愛する古龍・コンスタンティンは生まれ変わり彼女と出逢う事が出来るのか。龍と薔薇に愛されたヴェンデルガルトは、誰と結ばれるのか。 この作品は、小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...