異世界の家族は落ちてきた未知の生物(人間)に欲情する

ユミグ

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体に痛みが戻ってしまったのかと絶望しながら起きた私はすぐに痛みの種類が違うと気付く。

へぇー…セックスって筋肉痛になるんだなぁ…

「ミオ?」
「メ゙ル゙、んんっ!」

声が枯れるまでセックスするって本当にあるんだぁ…

「ん?」

メルお兄ちゃんが手に持ってるグラスを私の口元に近付けてくる。
そしてグラスにはストローが刺さってる…私が思い描くストローが。
確かに私は最近まで殆ど横になって生活していたからストローで飲む事が普通だったけど、今は別に平気なのに…なんて思いながらストローに口付けて飲み干していく。

そしてもう完璧なストローが出来上がった事に驚いたよ。

「ん゙…んっ!おは…んん…おはようメルお兄ちゃん」
「おはよう、体調悪くなってるね」
「ううん、これは喘ぎすぎたせいだよ」
「……喘ぐだけで声がおかしくなるの?」
「ならないの?」
「…」

私もそんな経験はした事ないけど、お父さんの精力とお父さんの手練?具合なら簡単に枯れてしまうし、今みたいに筋肉痛になっちゃうと思う。

「平気?」
「うん」

体調は元気。
セックス疲れってやつだけかな?

「食事にしよう、オムライスだよ」
「え!?ほんと!?」
「ふふ、本当」

ガバッとベッドの上に立ち上がった私は…

「うおっ!?」
「ミオ!」

足腰が立たない事って次の日も継続するんだぁ…

「やっぱり具合が」
「ううん、セックス疲れだよ」
「……疲れるの?」
「メルお兄ちゃんは疲れないの?」
「…」

一回ヤっただけでも疲れるか、寝ちゃうのもあるあるだよね?男の人って出す時、100メートル走ったくらいの疲れが襲うって聞くし。

「オムライス!」
「…うん、食べよう」

食卓に行くと想像通りのオムライスがあった。

見た目だけ。

ガチッ!

「…」
「どうしたの?」

何度スプーンを刺してもガチッ!ガチッ!と音を鳴らして、卵みたいな見た目のオムライスを突き刺す?事も出来ない。

「硬くて食べられない」
「硬いの!?」
「メルお兄ちゃん達って凄いね」
「…」

味覚は分かっても、お父さんは歯の脆さまでは分からないみたいだ。

「ふわふわ卵、とろーり卵、お米はもちもちしててケチャップは甘くてちょっとしょっぱい。焼いたお肉よりも柔らかいの」
「分かった、今日はステーキにしよう」

ステーキ…

「ううん、要らない」
「食べたくない?」
「ちょっと飽きちゃった」
「飽きる…?食事に飽きたの?」
「ううん、同じ食べ物って飽きちゃう」
「え!?」

異世界って凄いよね。

「メルお兄ちゃんオムライス食べてみて?味の感想聞きたい」
「分かった」

どうしてそんな、すんなりとスプーンが刺せる?んだろう?

「ボリッ!バリッ!」

そんな音が出る食べ物を私はしらない。
そしてこれからもそんな音を出せる気がしないよ。

「美味しい……」
「美味しいご飯知らないの?」
「知らない……」

異世界って凄い…
知識無双とか単語だけは聞いた事あるけど、こんなに身の回りの事に興味がない世界なら簡単に無双出来ちゃう。

無双出来ちゃうのはすぐに作れる世界のお陰ではあるんだけど。
私はなにもしてないし。

バリボリバリボリ音を立てながらご飯を食べ進めるメルお兄ちゃんは10分の1よりもっと少ない私のオムライス仮も完食した。
どこにそんな量が入る胃袋があるんだろう?
見た目は……うん、完全に人外ではあるけど、肉体はそんなに変わらないように見えるのに。

「ダーツ見てくれる?」
「うん」

食卓が片付く不思議にはもう慣れた私の目の前にはダーツがあった。

思い描くダーツだ。

的の大きさは知ってたから、想像通りの大きさに的まで投げる長さも頭に入ってるから床には真っ直ぐ伸びた布に、立つ場所には線が横に入ってる。

ちょっとドキドキしてバレルを触ると、少し重いけど、これは私だから重いんだ。
手に馴染むバレルは人それぞれだからこれも間違いではない。
でも、バレル部分にはギザギザだったり線があったりしてつるつる滑らないようになってるって伝えるの忘れてたなぁ…なんて、つるつるのバレルを触りながら思い出す。
わがままばかりだけど、別にいいかとメルお兄ちゃんにバレルの詳細を話す。
羽の形も様々あって、ダーツの先端についているチップと呼ばれる部分はダーツに刺さると折れたりする。
だから折れて的に埋もれたチップを取り出すような物や、他にもダーツを仕舞う物、ダーツに関連する全てをちゃっかりお願いした。

「分かった」
「あ!待って!投げてみたい!」
「……死なない?」
「これじゃ死ねない」
「分かった」

だって先端のチップはもうプラスチックで出来上がってる。
ちょっと長いけど。
それでも投げてみたいとお願いして、1度消えたダーツを戻してもらった。

「なにしてるの?」
「投げる前にするの」

右腕を曲げて伸ばして、いつものように…懐かしい習慣をしてダーツを投げる前の準備運動?みたいな事をして線ギリギリに立つ。

「どうしたの?」

なにもしない私に投げかける問いに答えられない。

だってドキドキする。

試合でもないのにドキドキして、少しだけ筋肉痛な体だけど、痛くないお尻に慣れ親しんだフォームに…

とってもとっても緊張する。

すー…はー…すー…はー…と息を整えて、ダーツを持って構えた。

ガタガタッ…

「………えへへ」

ダーツは的に刺さらず、床に落ちちゃった。
何年もしてないんだ、力加減も変だし、ダーツがスッポ抜けた感覚だってした。

「えへへ」

それでも投げれた。

痛い体で無理矢理投げたんじゃない。
“普通”に投げて、“普通”に失敗した。

合わないバレルだけど、それでも…

「楽しい!!!」
「良かった…」

試合をいつかしたくなるかもしれない。
でも今は投げられるだけで幸せ。

何度も投げた。
次のご飯の時間まで投げ続けた。

腕は痛くなるし、腰だって痛くなった私の体は筋肉痛でいっぱい。

それでも…

「楽しいよ!メルお兄ちゃん!」
「ふふ」
「一緒にやらない?」
「いいの?」
「うん!その方が楽しいもん!」
「ふふ、分かった」

メルお兄ちゃんの力加減がどうかは分からないけど、まずはどんなフォームが合うか2時間くらい調べて投げてもらった。

バコンッッッ!!!

「「…」」

ダーツの的って粉々になる事ってあるんだぁ…
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