異世界の家族は落ちてきた未知の生物(人間)に欲情する

ユミグ

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メルお兄ちゃんに謝られたけど別に気にしてない。
新しい的はすぐに現れて、粉々になったダーツの的だった破片は消えて、ダーツの矢も新しい物が手元にある。

そもそも私がお金出して作った訳でもないし。

「メルお兄ちゃん達が投げても壊れないダーツ一式も欲しい」
「分かった」

そもそも一緒の的に投げられるなんて思っていなかった。
だから別々の的に違うダーツの矢を投げるしかない。
よく言うように、ゴミをゴミ箱に投げ入れるような自然な動きで投げるんだ。
メルお兄ちゃん達の自然な腕の動きの強さがこれなら違う方がいい。

「オムライス出来たよ」
「え?もう次のご飯?」
「ずっとゲームしてたよ」

好きな事になると時間が溶けていくみたいに早いなと思っている私の目の前に出てきたオムライスはさっきよりもとろとろしてるように見える。

「「…」」

そーっとスプーンをオムライスに当てると、簡単に埋もれていく。
安心しながらオムライスを掬って、ふーふーしてから口に運んだ。

「食べられそう?」
「もぐもぐ……ごっくん、食べられるけど味が違う」
「どういう風に?」

難しい…トマトの説明ってなんてしたらいいんだろう…
ケチャップライスはケチャップじゃない。
甘くてしょっぱいだけ。
お砂糖と塩が振ってあるご飯だ。
お米はしっかりお米だ。

「トマトが…んー…酸味のある野菜をソースにしたみたいな味?そこに甘さとしょっぱさを足す?」
「分かった」
「食べられるから食べる」
「ほんと?良かった…」

残しちゃうほど不味くはない。
どちらかというと炒飯に近いかも。

うん、という訳でちゃっかり炒飯もお願いしておいた。





「嫌にならないの?」
「なにを?」
「ミオわがままばっかりじゃん」
「?」

ぽかんとしてるメルお兄ちゃんにぽかんとしたくなる。
この世界でのわがままって違ったりするのかな?そんな事を思うくらいぽかんとしたお顔だ。

「メルお兄ちゃんが思うわがままってどんな事?」
「父の座を奪えと言われたらわがままだと思うかな」

それはもうわがままを超えて横暴で犯罪な気がするよメルお兄ちゃん。

「筋トレする」
「どんな物?」
「見てて?」
「分かった」

せっかく自由に動かせる体になったんだから筋トレしよう。
歩く事も座る事も筋トレする事もこの際、ぜぇんぶやっておきたい!

「なにしてるの?」
「筋肉を鍛えてるの」
「……どうやって?」
「この動き、でっ、」
「それで?」

なんだかその言い方は心にクるよメルお兄ちゃん。

私の筋トレを観察してるメルお兄ちゃんの横にいつの間にかバティンも居て、じーっと見られてた。
使い魔ってどこにでも現れるんだね。








「はぁっ、はぁっ、も、だめ…」
「床に手を付かないと駄目なの?手が傷付いちゃう」

そんな馬鹿な。
絨毯が敷いてあるから痛くならないし、汚れだってきっとメルお兄ちゃんが綺麗にしてくれたから手に汚れもついてない。

「ヨガマットが、はぁっ、ちょっと待って」
「横になろう」
「お風呂、入り、たい」
「分かった」

既に体を綺麗にしてくれたみたいだけど、マッサージする為にお風呂に浸かりたい。
ちなみに綺麗にされても、まだ出てくる汗があるからもう少し後でも良かったよ。

お風呂場に抱っこで連れて行かれた足元にはバティンが居る。

「バティンはなにしてるの?」
「新しい事をしている時は観察します」

そうなんだ。

それもそうか。
私はみんなのペットだもんね。
未知の生物がなにをするのか分からないだろうし。

「洋服脱ぐの?」
「脱がないの?」
「ううん、お父さんはお風呂に入った後に洋服脱ぐから」
「今は大丈夫でしょ?」

なにが大丈夫なのか分からない。
未だにぶかぶかな服を脱がせてくれる、するするーって、とっても簡単そうに。

「ヨガマットはダーツの長さを測るやつみたいなの、もう少しぷにぷにしてるけど、床に敷いてその上で筋トレしてた」
「分かった」
「どうして分かるの?」
「うん?」
「お父さんもメルお兄ちゃんも嫌だとか駄目だとか言わないね」
「死なないで欲しい」
「それだけ?」
「大切な事だよ」

言っている意味は分かるけど、無理だとか止めなさいだとかは言われない。
精々、体調が悪い時だけは安静にしなさい。と言われるくらいだ。

裸になった私と服を着たままのメルお兄ちゃんは気にせずお風呂に浸かり、私の背もたれになってくれる。
そしてその間に服を脱いでるのはお父さんと変わらない。
これが当たり前なのか。

足をもみもみして腕をもみもみして毒素流れろーってしてると、案の定不思議そうな顔で観察してるメルお兄ちゃん。

「うわっ!?」
「どうしたの!?」
「バティンがお風呂に浮いてる!」
「はい」

バティンがお風呂に浮いてる…というか、お風呂の中から出てきた。

「なにしてるの?」
「観察です」
「…」

毒素流れろーってしてるのも変な行動なのか。
お風呂に潜ってなにしてるか見てたのかな?
猫がお風呂に浸かる?溺れる?のは中々見れない体験だ。

「リンパがなにか分からないけど、リンパ流れろーってして、血の巡りを促すとたくさんいい効果があるの」
「どんな事?」
「んー…ダイエットだったり、疲れが取れたり、お肌がつるつるになったりする?かも?」
「ダイエットってなに?」
「え!?」

ダイエットは世界共通…世界を超えても共通だと思ってた私。
だって痩せたいと思わない?太ってコレステロール値が上がると痩せなさいとか言われない?

「体重を減らす行為?」
「え!?な、なん、し、死なないでって言ったばかりだよ!」
「ええ?死なないよ?」
「……どうして?」

ええ?体重を減らしても別に死にはしない。

「あ、極端にじゃなくて理想の体型になりたいからダイエットするの」
「理想?」
「メルお兄ちゃん達は理想の顔とかないの?」
「?」

ないんだ…
格好良い……から?分かんないけど、人外すぎる瞳と翼があるから格好良いのかは分からないけど………

「…」
「?」

うん、瞳に白目があったら格好良いと思う。
というより整い過ぎてる………
今更格好良さに気付いたよ。

「お腹がぷにぷにしてるより割れた腹筋の方が好き」
「分かった」

なにが?なにが分かったの?

「うひゃぁ!?」
「僕はぷにぷにしてるミオの体全部が好き」

お腹を揉むのはやめて欲しい…

「こう?」
「う、うん」

お風呂でするマッサージをメルお兄ちゃんがしてくれるみたい。

「傷付きそうで怖い…」
「ぬるぬるしてると摩擦もないよね」
「分かった」

またまた一体なにが分かったのか分からない私の体は一瞬にしてぬるぬるになった。

「な、なに!?」
「泡を纏えばぬるぬるするでしょ?」

それはそうかもしれないけど…

「ひうっ…!」
「…」

メルお兄ちゃんが足先から太ももまでマッサージしてくれるけど、ぬるぬるしてるから滑るように手が流れていく感覚がする。

「はぁっ、ん、」
「…」

手首から肩までゆっくりと流れる手は、肩までくると鎖骨もするすると撫でられて違う意味で気持ち良くなってきちゃう。

首も、足先も、手先も、お腹もゆっくりと撫でられて、つい漏れてしまうため息と、軽くふるえる体。

「メルおにぃちゃん…」
「ん?」

見上げるとさっきよりも近い顔。

「ちゅー」
「ちゅー?」

首を伸ばしてメルお兄ちゃんに口づける。

「メルおにぃちゃんっ」
「もっとしようね」
「うん、ん…」

メルお兄ちゃんの方を向いて首にしがみつきながらキスを強請るように体を押し付ける。

「ふあ…」
「お口あけて?」

少しだけ開くとメルお兄ちゃんの舌が私の舌を引っ張るように絡め取られて、マッサージしてた手は秘所に伸びてナカに指を埋められる。

焦らされたと感じる体はすぐに快楽を拾う。

舌を出してどちらともなく絡めていく。

メルお兄ちゃんの漏れた吐息が益々、気持ち良さに拍車をかけていくようだ。

「あえっ…っ、えあっ…!」
「はぁっ、酩酊感が凄い…」

お腹側をずりずり擦られて、体が揺れる。

「メル、おにーひゃ、」
「瞳が濡れてる…」
「メルっ、あっ、あっ、あっ、あっ、……っっ……っっ、イっちゃうっ…!」
「ナカがきゅぅきゅぅしてる」
「ひうっ…!っ……っっ……はぁっ、はぁっ、」

イった後の怠い感覚と頭がふわふわして頭をメルお兄ちゃんの肩に乗せる。

「のぼせ、そう、」
「え!?」

ガバッとメルお兄ちゃんが立ち上がるからもっとくらくらしちゃう私をすぐにベッドまで運び、どうしてか乾いてる髪を撫でながら口元にストローを差し出すメルお兄ちゃんはきっと未知の生物に甘い。
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