死霊王の日記

風紀医院長

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2話

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「…警察」
 冷静に声が出た。
 すると肌白い女性は焦ったように頭を横に振る。
「いや、普通にダメだから。警察だから」
 そう言うともっと頭を横に振る。眺めていると振っていた頭がポーンと真横に飛ぶ。
「ほう、幽霊か」
 俺はダッシュで女性に近づく。女性は顔を取って元あった場所に設置して俺を見る。その時には顔がものすごく近いところにあった。
 女性は慌てて俺から距離をとる。誰が逃がすか。やっと本物に会ったんだから。
 女性は慌てて動くが途中でこけたりする。俺は頑張って追いかける。そして壁に追い詰める。
「大丈夫です。直ぐに終わりますから」
 女性はプルプルと震える。
 俺はそこで土下座をする。
「私に憑いてください」
 憑いてくれたら四六時中幽霊と一緒なんだろ?最高かよ。
 女性はプルプルと目を瞑っていたが俺の言葉を聞いて慌てたように周りをキョロキョロする。
「私は昔から幽霊が大好きなんです。お願いします」
 真正面から言う。女性は少しオロオロとしたが顔を赤くさせてこくんと頭を縦に振ってくれる。
「ありがとうございます!!」
「あの敏夫さん先程から何か走るような音が聞こえたのですが大丈夫ですか?」
 扉を開いて奈波ちゃんがこちらを覗いてくる。
「ひっ!!幽霊…」
 女性の姿を見た瞬間気を失って倒れた。扉にもたれ掛かる形だったから頭を打ってない。
「えっと。そう言えば取り憑くってどうするんですか?」
 女性は奈波ちゃんのことを気にしていたが俺の言葉を聞いて俺から離れる。
 これは準備か?
 ある程度離れた瞬間俺に向かって突進してくる。もちろん受け止めようじゃないか!!
 俺の体に当たった瞬間少し後ろに持ってかれる感覚があった。
「これで取り憑けたのか?」
『はい。これで取り憑きは完了です』
 直接脳内に!?
『えっと声聞こえますか?』
「え?あっうん聞こえますよ」
 心を読むことはできないのか。
『えっと。それでは改めてよろしくお願い致します』
「こちらこそよろしくお願いします」
 ふぁー、幽霊と話が出来るぅ!!
「あの、あなたの名前は」
『…すみません。名前はとうの昔に忘れました』
「あぁ、それじゃ私が付けても?」
『いいんですか?』
「いや名前が無いと呼びにくいですし…そうですね。白葉しろはさんでいいですか?肌の白さと葉のような透き通りをイメージした名前なのですが」
『白葉…いいですね。ありがとうございます!!』
 うん。上機嫌になってよかった。
「そう言えば気になってたのですが何故私に取り憑いたのですか?自分で言うのもあれですが普通に追いかけ回してましたし」
『えっと。具体的に説明は出来ないんですけど。あのまま誰にも憑かなかったら消滅してました。感覚でなとなくわかるんです』
 ほう、幽霊特有の感覚ってやつか。興味深いな。
「えっとそれじゃ取り憑いてる間は消えないってことですか?」
『そうです。たぶん』
 うん不安が少々。
「そう言えば憑かれてるのにあまり気だるさを感じませんね?」
『えっと、恐らくですが敏夫さんの生命力が高いからだと思います』
「どういうこと?」
『この憑くというのはなんて言うか寄生に近い行為なんです。取り憑いた相手の生命力を少し分けてもらってこの世に存在し続けるのです。家に憑いたり、家具や人形に憑くことによって生命力をいただけれるのですが人に憑く方が効率がいいのです。なので先程消えかけてたんです』
 なるほど。生命力というのは幽霊にも必要なのか。まあ、そもそも生命力自体なんなのか分からないんだけどな。
「で、私はその生命力が高いんですね」
『はい。それも尋常ではなく』
「どれほどなのですか?」
『えっと一般人の人達を1~10だとしたら敏夫さんは100程ですね』
 なんかナチュラルに一般人から離された?と言うか大きすぎ!?
「10倍も違うんですか?」
『はい。過去に何回か死にかけたことは?』
「えっと……何回もありますね」
 姉に引きずられて色んな所に行った結果死にかける。まあ、いつも通り。
『えっと。人間は何度も死にかけると生命力が格段に上がるようです。そもそもそこから生還できるという時点で生命力は物凄いと思います』
 うーん。要するに俺は幽霊達からしたらちょうどいいたまり場なのか?
「そんなに生命力が高いのなら他の幽霊は近づかないんですか?」
『逆に高すぎると近づきにくいんですよ。簡単に言ったら大量の卵がタダで配られてるようなもので怪しく感じるんですよ』
 マジかよ。だから1回も見た事ないのか…
 と言うか表現の仕方。
「なるほど…それじゃなんで白葉は俺に憑いたんですか?」
『えっと、行き倒れのような物で怪しくてもなんでも飛びつかないと行けない状況だったので』
 なるほどな。
「と言うかなんでこの世に残ろうとしてるの?」
『分からないです。何故かこの世に残らないとと言う気持ちがあって』
「うーん。わかりました。それじゃそれが何か分かるまで私に取り憑いていてください」
『いいのですか?』
「これも何かの縁私は何も気だるさなどないですし不都合がないので大丈夫ですよ」
『ありがとうございます!!』

 その後奈波ちゃんのことを思い出して部屋の中に入れたベットに寝かせる。その間に荷物などを置いておく。さすがに服などは触らない方がいいだろう。奈波ちゃんもそういうお年頃だろうし。
 そして起きた奈波ちゃんに白葉さんのことを話す。だって白葉さんと話す時は独り言のようになってしまうし、変な目で見られるのは嫌だ。
 最初は信じてなかったけど俺の体から出た白葉さんの顔を見て顔を青ざめながら納得した。
 まあ、バタバタしながらも荷物の片付けが終わり夕食を食べてごちゃごちゃした一日が終わった。

「敏夫さん!!早速やりましょう!!」
 奈波ちゃんが食器を洗っている俺に言う。ゲーム機を持ちながらいい笑顔だ。
「えっとちょっと待ってね。あ、それと床のままだと体を痛めるだろうし布団引いておいてくれないかな」
 ちなみに言っておく。奈波ちゃんはただ料理を食べに来ているだけだ。1人と2人はそう変わらない。それに食べてくれる人がいるのはなかなか良い物だ。
 白葉はすごく物欲しそうな顔をしていたが。食べれるのか?
「わかりました!!」
 奈波ちゃんは早足で部屋に向かう。うーん結構楽しみにしてるんだな。
 早く終わらせてやらせてあげないと。
 
 食器の片付けを終えて手を拭いたあとに部屋に向かう。布団が1つ。
「奈波ちゃん?布団1つしか無かった?」
「いえ、この大きさですしそんなわざわざ2つ出す意味あるかな?と思いまして。…ダメでしたか?」
「いや、別にいいのだけど。ま、いいか」
 俺は笑顔の奈波ちゃんからゲーム機を受け取り布団で横になる。
「奈波ちゃんどうしたの?」
 何故か奈波ちゃんは顔を赤くしながら固まってる。
「あ、もしかしてやっぱり嫌だった?」
「いっいえ!!そういう訳では無いです。…失礼します」
 少し縮こまりながら俺の横で寝っ転がる。
「それじゃ行くか」
「はい!!」
 俺は改めて横になりゲーム機を被りスイッチを入れる。その瞬間意識が途切れる。

 目を覚ますと真っ白な空間にいた。そして目の前には四角形のアイコンのような物が浮かんでいた。これが選択画面か?
 俺はひとまず選び方が分からないので頭の中でtwoを思い浮かべる。すると他のアイコンが消えて目の前に一つだけ残った。これをタップすればいいのか?
 タップすると真っ白な空間が真っ黒になる。そして目の前にダウンロードの文字が浮かんで100%になる。
 スタートの文字が浮かんだのでタップすると真っ白な空間になる。
 キョロキョロしていると目の前に謎の数列が現れて人型になっていく。数列が爆ぜたと思った瞬間白髪の美女が現れた。
「初めまして」
「こっこれはご丁寧に。初めまして」
 えっと?
 美女はにっこりと笑う。
「私はこのゲームの案内人。俗に言うナビゲーターでございます」
「なるほど」
「どうしますか?この世界についての説明を聞きますか?途中でスキップすることもできます」
「いえ、全部教えてください」
「わかりました」

 …予想以上に長かった。たぶん30分以上余裕でかかった。
 で要約すると。
 まずこの世界は5つの大陸からできている。それぞれ難易度があり次の大陸に渡る度に難易度が上がっていく。そして大陸を渡るには特定のクエストをクリアしたら大陸を繋ぐ船に乗ることが出来る。一応自力で渡ることはできるけど…魔物が強力のようで初心者だと1秒もしないうちに死んでしまうようだ。
 で大陸一つ一つはユーラシア大陸並の大きさのようで隅から隅まで歩いて探索しようとしたら何年もかかるそうだ。
 大陸の中には国、街、村がいくつもある。時々戦争クエストなども起こるようだ。
 おっと、忘れてた。どうやらこの世界の住人や動物、魔物は個体一つ一つにAIが搭載されてるようで本当に生きているようだ。
 だから、クエストなどを受けようとして態度が悪いとクエストを受けることが出来ない。そして無理やり殺したり襲ったらネームが真っ赤になるようだ。ただし、正当防衛や相手の同意がある場合だと変わらない。

 魔物と動物の違いについても説明された。魔物は倒したらドロップアイテムを落とす。動物は倒しても何も出ない。ただしある特定のやり方をするとドロップアイテムを手に入れることが出来るようだ。
 そして魔物は自然に発生する。交尾もするし自然に出現することもある。動物は特定の建物がないと出現せず量も増えることはない。
 ちなみに調教して仲間にすることはどちらともできるようだ。

 最後にこの世界は魔法や技をスキルという名で統合されてるようで、例えば火魔法というスキルがあれば剣術というスキルもある。スキルはレベルが上がるほど威力が上がり使用出来る技や魔法も増える。中にはレベルが上がるほど使用する魔力量が減るなんてのもある。
 そしてステータス表はこんな感じだ。
------------------
名前:

職業:

Lv:

魔力量
10
攻撃力
10
守備力
10
俊敏力
10
精神力
10

《スキル一覧》
(例)剣術Lv1:(効果)

《従魔》(*魔物を従えている者のみ)
(例)スライム:Lv1

《ペット》(*動物を従えている者のみ)
(例)水牛:Lv1

《称号》(*持っている者のみ)
(称号名):(称号の効果)

《加護》(*持っている者のみ)
(加護名):(効果)
------------------
 ステータスは魔物などを倒した時に何で倒したかによって勝手にレベルアップした時に増加するようだ。
 例えば物理で相手を倒したら攻撃力が上がりやすくなる。魔法で倒したら精神力が上がりやすくなる。
 うーん補足として精神力とは魔法の攻撃力にも繋がるけど魔法への防御力としても使われる。精神的攻撃からも守る。
 
「とまあ、こんな感じです」
「もしかして毎回これぐらいの長さ話しているのですか?」
 思わず聞いてしまう。
「いえ、大体の人はスキップしてしまいます。最後まで聞いたのは記録上貴方様が初めてです」
 いい笑顔だねぇ。
「ですがその他の説明はまだありますが…ここではここまでです。あとはギルドなどでお願いします」
「ギルド?」
「はい。まあ、端的に言えば冒険者達のまとめ役です。皆様はゲームを始めた時点で冒険者ギルドに強制加入なので悪しからず。その他にも木工ギルドや建築ギルド、中には宴会ギルドなどというのもあります。まあ、それは後々聞いてください」
「わかりました」
「では、キャラメイクの時間です。このタブて操作お願いします」
 目の前に透明な板が現れる。そこには黒髪の少年が立っていた。これが今の俺の姿かな?
 えっとまずは種族か…
「あの」
「はいなんでしょうか?」
「オススメの種族ってありますか?」
 美女さんは少し驚いた顔をする。
「ふふっ」
 静かに笑う。
「申し訳ありません。まさか私めにそのようなことを聞いてくるとは思わず。…そうですね。職業など目指しているものはありますか?」
「えっと、ネクロマンサー的な死霊系を使ってみたいです」
「それでしたら。この3つの種族がオススメです」
 選別早くね?いやまあいいけど。
 1つ目はエルフ族。まあ見た目はみんな知ってる耳が尖っており華奢そうな見た目だ。魔法が得意なようでスキルを覚える速度やレベル上げも早いようだ。ただし耐久は紙。レベル自体普通の速度で上がるようだ。
 2つ目は獣人族の狐族。見た感じ人に狐耳と尻尾をつけたような見た目だ。獣人族は総合的に魔法は得意では無いのだがこの狐族のみ得意のようだ。ただし魔法に振ったせいなのか攻撃力が最低すぎる。ただし特殊なスキルも覚えるみたいだ。成長速度的には少し遅い。
 3つ目は人族。まあ、これといった特徴のない種族だ。ただし器用貧乏で色んなことに手が出せる。でも色んなものに手を出した結果育てるのが大変なことになるようだ。成長速度も普通で色んなスキルに手を出したらめんどくさい。

 この3つはどちらとも進化先は色々とあって面白そうだが…そうだなぁ。どうしよ。
 よし決めた!!これにするか。
 俺はその種族をタップする。
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