123 / 197
〜第4章〜
119.『行方不明』
しおりを挟むユウゼンとのサシの勝負に敗れたみつれ。
みつれはその場に倒れていた。
スマホにしおんからの着信が何通も来ている。
しお「おかしいな……みつれさんが電話に出ない……」
ゆう日が暮れようとする時間。
しおんは一向に電話に出ないみつれを心配していた。
カエ「なにかあったんですかね…」
しおんはみつれのスマホのGPSの位置を確認した。
しお「・・・廃ビルから動いてないな……。カエデちゃん、もうすぐ暗くなるけど1人で家に帰れる?僕はちょっと送っていけないけど…」
カエ「大丈夫です!1人で帰れます。」
しお「じゃあこれでタクシーで帰ってくれる?みつれさんと連絡取れたら必ず連絡するから。」
しおんはカエデにタクシー代を渡した。
カエ「あ、ありがとうございます。ではまた…」
カエデは帰宅することにした。
しお「・・・みつれさん…なにかあったのかな……」
しおんは再びみつれに電話を掛ける。
みつ「・・・・・・うっ………」
みつれは目を覚ました。
スマホが鳴っているのに気が付き、電話に出る。
しお「みつれさん!!やっと出た!!」
しおんの慌てた声が聞こえる。
みつ「し……おん……すまない……」
しお「なにかあったのみつれさん!?」
みつ「ユ……ユウゼンに……やられた……」
しお「なんだって!?父さんに!?」
しおんは驚いた。
まさかユウゼンが戻ってるとは思ってもいなかった。
みつ「わ、悪いが……リンを……呼んでくれ……私はいま…動けない…」
しお「わかった!!すぐに向かってもらう!!」
しおんは一度電話を切り、リンに電話を掛ける。
しお「リンさん!大変です!今すぐ廃ビルに行ってくれませんか!?」
リン「ちょっ!?どうしたのしおん君!?」
しお「みつれさんが……ッ!!」
リン「ッ!?すぐに行く!!!」
リンはなにがあったのか聞かずに電話を切って駆け付ける。
しおんは再びみつれに電話を掛ける。
しお「みつれさん!リンさんがそっちに向かってくれてるよ!」
みつ「ありがと…しおん……グッ……すまない。」
みつれはなんとか身体を起こし、瓦礫にもたれかかる。
しお「なにがあったの!?なんで父さんが!?」
みつ「・・・アルバムを…取りに来たそうだ……」
しお「アルバム?」
みつ「お前の…家族のアルバムだ……。ユウゼンはそれを取りに来たと…言ってた…」
しお「父さんが!?なんでそんなものを…」
しおんは驚きを隠せなかった。
みつ「わからないが…わざわざ取りに戻るほど……大事なモノなんだろ………」
しお「…ッ!どういうつもりなんだ……父さん……」
しおんは戸惑った。
自ら家族を捨てた父親が家族のアルバムを持っている。
わざわざ取りに戻るほど大切にしていることに。
しお「・・・父さんはなにか言ってた?」
みつ「いや…ハナさんの居場所もシロサキの居場所も言わなかった……まぁ当然だよな……」
みつれはフッと笑った。
みつ「けどヤツの反応をみてわかった…ハナさんは…シロサキに拉致されている。」
しお「・・・やっぱりそうなんだね…。なんとかして助けないと!」
みつ「あぁ…そうだな。調べておいてくれるか…しおん。」
しお「わかった!」
みつ「私はリンが来るまで少し休む…また連絡する……」
みつれは電話を切った。
しばらくするとリンが車に乗ってやって来た。
リン「みっちゃん!!!」
リンはボロボロのみつれを見つける。
みつ「リン……すまないな…来てもらって……」
リン「大丈夫みっちゃん!?なにがあったの!?」
みつれはリンにユウゼンにやられたと説明した。
リン「ユウゼンが!?」
みつ「あぁ。すまない。」
リンはみつれをおぶり車に乗せた。
リン「・・・とりあえず戻ろう。」
リンは車を走らせ、廃ビル跡地を後にした。
リンはみつれを連れて自宅に帰る。
リン「大丈夫みっちゃん?つかまって。」
リンはみつれに肩を貸す。
みつ「すまないな…リン。」
リンはみつれをソファに座らせる。
リン「ちょっと待ってて!」
リンは救急箱を取りに急いだ。
リン「とりあえず水飲んで。」
リンは水の入ったコップを渡す。
みつ「ありがとう。」
みつれは水を飲み干す。
リンはみつれを手当てしていく。
手当てされている最中でみつれはリンにハナのことを話した。
みつ「・・・リン。やっぱりハナさんはシロサキに拉致されたようだ…。」
リン「・・・やっぱりか……どうしよ…もしかして殺されてるんじゃ…ッ!?」
みつ「・・・可能性はある……。今しおんに情報を集めさせている。」
リン「ハナちゃん……はっ!まさか…」
リンは青ざめた。
リンは以前シロサキに拉致された時に言われた言葉を思い出した。
『地下に送り込んで男達を悦ばせて稼がせるか』
リン「もしかしてハナちゃん……慰みものにされてるんじゃ……」
みつ「・・・無い話では無い……」
リンは泣き出す。
リン「どうしよ…早く助けないと……」
みつ「もちろん全力で助ける。しおんの情報を待とう。」
みつれはリンを抱き締めた。
ハナ「ん………ここは……」
ハナは目を覚ます。
薄暗い部屋で身体は拘束されていた。
?「やっと起きたね。刑事さん。」
ハナ「ッ!?誰や!?」
暗闇から姿を現したのはシロサキだった。
ハナ「シロサキぃ………ッ!!」
シロサキは笑みを浮かべていた。。。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる