陽あたりのいいパティオ 〜ももとさくらは人類最強です〜

あかぎ さわと

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第1章

鬼王神社の宝玉 10

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 ももはさくらと共に、体育館に敷かれた布団の上に現れると、さくらの頭を撫でた。
「おやすみ」
「うん、おやすみ」
 ふわ…軽くあくびをするとタオルケットにくるまって寝てしまった。

 そして、ももは姿を消した。

 ── ── ── ──

 境内で盗っ人三人衆はちびりそうだ。
 信じられない光景を目にして、震えが止まらない。
 マックの手裏剣も親分の頬に当てられたままだ。
 その親分に、影の氏子衆総隊長はじりじり近寄ると鋭い視線を投げかけた。

「その目でしかと見たか? 」
「あ、あい、ああああああ」
「これが鬼王様の力だ、この町は鬼王様が護っておられる」
「…」
「ワシらはその守護のもと、400年もの間この町を護ってきた、影の氏子衆の末裔じゃ、お主らご存知か? 」
『いいいいい………えええええ………』
 三人衆は声が揃った。

「お主らに鬼王様の教えを一つ聞かせてやろう、悪人も人の子、1度目は出来心だ逃してやれ、二度目はとことんやり込めろ、三度はないぞ…だ」
 と、マックの手裏剣がさらに強く頬に押された。

「&\%#{#%^?><#!」びびりまくる親分。

「二度と悪さをするな、子どもたちにも一才手を出すな、二度目は鬼王様も手加減しないぞ、心しとけ」
「は、はい、分かりましたぁ」
「隊長放してやれ」
「了解、解放! 」大声でマックがそういうと、羽交い締めしていた手を放し、三名を解放した。

『ひぇぇぇ』
 盗っ人三人衆は、蛍光塗料を月明かりにテカテカさせながら、けんもほろろに境内から出て言った。
「……」
 五人は無言でその後ろ姿を見つめていたが、総隊長が声を発した。
「散開」
 影の氏子衆は、音もなくその場から四方八方に走り去った。

 そして、満月が煌々と境内を照らし、木々が何事もなくざわつき、元の静かな境内に戻ったのだった。
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