陽あたりのいいパティオ 〜ももとさくらは人類最強です〜

あかぎ さわと

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第3章

鬼王神社の夏祭り 4

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「親分大丈夫ですかね、捕まったりしませんかね」
 二が、町役場の外で言った。
「ふん、何も盗みしようってわけじゃねえんだ。なんで捕まる? それにあん時は暗くて顔なんてそうそう見えてねぇよ」
「そうすっかね」
「それより、これだけ面子を潰されてこのままじゃ泥棒仲間に笑われちまう」
「そうでがす、面子潰れちゃ業界で生きていけねぇ」
 さすが建設現場で鍛えられた事がある一は、向こうっ気が強い。
「よく言ったぁ一、さすが俺の子分だ、ここの祭りはたいそう賑わうらしい、人が多く集まる、稼ぐぞ! 稼いでこの町の連中に一泡吹かせるぞ」
「おー 」一が腕を振り上げる。
 少々怒りの矛先というか、ピントがズレてるようだが…この人たちはこれでいいみたいだ。
「へぇ…」二が心細さそうに呟いた。
「お前、やる気ないんか、ならクビだぞクビ今までいい思いしてきたじゃねぇか、今すくクビだ、嫌なら帰ぇれ、とっとと田舎に帰ぇれ」
 親分は自分の首筋を親指で真一文字に切る。
「アイアイさーやります、やります、やりますって、そんなに良い思いしてないっすけど…」
「やってやる! ガンガン稼ぐぞ」一が吠える。
「それにな、こんだけ活気のある町にはきっと秘密があんだ、どこかにきっと現ナマが山盛りころがってるに違ぇねぇ、下調べのつもりでいるんだよ俺様は、町の様子を肌で感じて狙いをつける…」

『ウヘェさすが親分』声が揃う一と二。

「ちょっとばかりここの出来が違うんだよ、お前らとわ」頭を指差す親分。

『すげぇっす』一と二の声が揃った。

「でも、悪さして、またあの神さま出てきたらどうすんですか? 」二が言った。
「あんなの手品だよ」
「あのガキどもは? 」

『あんなの手品だよ』親分と一の声が揃った。

「…じゃあ、あの忍者みたいのは? 」
「かぁーお前馬鹿か? 」
「…」
「いいか耳かっぽじって良く聞けや」
 親分は凄む。
「良く聞けやー、おー! 」
 なんだかやる気の一である。続ける、
「親分、二にガツンと言ってやってくだせぇ」
「ふふ、いいか、秘策がある」
『ひ、秘策ですかぁ』一と二が声を揃えた。
「いいか、今から言うぞ」
『(ごくり)』

「見つからなければ、いいんだ! 」
「かーさすが親分! その通り分かったかニ」
「おおっそうだ、見つからなけりゃいいんだ」二は言った。

『行くぞー、えいえいおー』
 三人は声を揃えて勝どきをあげた。

 神社の宝玉を狙うような不届き者たちは、どこか頭のネジが緩んでいて懲りない面々なのだった。
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