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第4章
災害警報発令中 6
しおりを挟む──a.m.9:30
防災スピーカーから避難連絡の放送がなると同時に、翼橋周辺の10区から50区の影の氏子衆組隊長十数名が、各隊員を使って全ての住居を見回る。
翼橋の土手脇には、町のマイクロバスや公用車を並べ、歩行困難者を乗せてパティオとピストン輸送を行う。
パトカーや消防は土手から野川の監視、及び負傷者の搬送を行う為に待機している。
同時に山側の比較的高地にある住居から応援にきた各組は、協力してアーケード街の入り口や、『子犬のさんぽみち』といった通路の入り口に土嚢を積み重ねる。
全てが土砂降りの雨の中での作業だ、細心の注意と体力の消耗が伴うが、誰一人として文句一つ言わない。
『町は家族だ』──その礎こそがこういう時の団結力を生んでいるのだ。
パティオではまだシャッターを完全密閉する必要なしとの判断から、通常の高さまでシャッター下部を上げていた。避難指示が出された住民達は、別段慌てることもなく、入り口から雨風がシャットアウトされた空間へ入っていく。
勿論入り口には防犯協会のジャンバーを着た影の氏子衆が、住民名簿のチェックを行い、安否確認をしている。
──a.m.11:00
翼橋周辺の住民避難が完了すると、アーケード街周辺の住民避難が始まった。
蘭さんとどんとも雨合羽を着て長靴を履き、連れ立ってお店から出てくるとお店のシャッターを閉めた。
そして隣の『画廊喫茶赤煉瓦』の新垣光彦、そして、厨房を預かる六助さんに加え、周囲十店舗の住民が集まると、影の氏子衆五組隊長、向かいの『ソーセージ屋ダンケ』の主人、ドイツ人のアレクサンダー佐藤に報告した。
「アインフェアシュタンデン!(了解)行きましょう」
防犯協会の緑のジャンバーをきたアレクサンダー佐藤はそういうと、土嚢の積み込み作業をし終わった隊員四名と、組内の住人とともに歩き出した。
アーケード街のあちこちにでも同じような隊列を組んで続々と避難をはじめている。
アーケードには…
どばばば! ──雨が風にのって勢いよく叩きつけられていた。
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