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第4章
災害警報発令中 8
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避難指定区域の全住民避難が完了すると炊き出しの料理も完成し、パティオに集まった町民全員が食事をはじめた。
その後、影の氏子衆も避難し、翼橋の低地周辺で残っているのは、野川の土手の道路で監視しているパトカー一台のみとなった。
それも突然の水位上昇に備えて少し離れた上流で監視している。
蘭さんとどんとも芝生広場の一角でブルーシートに座り、豚汁とおにぎり、唐揚げにお漬物を食べていた。
どんとは既に食べ終わった。
そして、はっとした。
──あれ、教授は…? そういやパティオで姿を見ていない。
えっまさか、まさか…いないんじゃないか!
それに教授はテレビもラジオも持っていない…
どんとはいてもたっても居られなくなった。
教授の存在は僕しか知らない!
「ちょっと手伝ってくる」
どんとは蘭にそういうと、雨合羽を持って走り出した。
「行っといでー、頑張るんだよ」
何も知らない蘭は、何の疑いもなくそういった。
「うん」
入り口から出るときっと止められる、逆走は無理だ。そうだ、役場の昇降機だ。
待機している昇降機に乗り込むどんと、
「すみません、トイレ行きます」
操作している職員にそういった。
「じゃあ、あげますね」
「はい、お願いします」
町役場二階に上げてもらうと役場の階段を降り、ロビーを横切った。影の氏子衆の待機場所は備蓄倉庫の一階なのでロビーには誰もいなかった。そして、役場の正面玄関から外に出た。
「教授、教授、無事でいてください」
ドドドド、バリバリ!
雷と暴風雨の中路地に向かって、独りで走った。
町には人っ子一人いない。
バシャ、バシャ、バシャ!
走ると叩きつける雨と、道路に溜まった水たまりのせいで長靴の中に水が入ってくる。靴下がぐちょぐちょになる。
でも、そんな事など構っていられない。
教授を助けられるのは僕しかいない。
あの場所は僕しか知らない。
嫌だ、教授、死んじゃ嫌だぁ!
無我夢中で走るどんと。アーケード街を横切り、子犬のさんぽみちを走り抜け、野川へと続く路地に入る。
ザザザ!
叩きつける雨。
バタバタ! ──風に雨合羽が暴れる。
それでも走った、どんとは無我夢中で走った。
──ん!
神殿の下で雨を凌いでいたボスがそんなどんとの気を察知した。
遠くを見つめるボス。
何かを決心するとバケツをひっくり返したような雨の中、翼橋に向かって走りだした。
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