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第5章
嵐の後の学校公開 12
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──にゃー!
ボスが声を張り上げると鎮守の森の中から妖狸のポン三郎と、九尾狐のコン姐が嬉しそうに現れた。そして三匹は走り去った。
ももは境内の神殿の脇を走り抜けると『鎮守の小道』を通り、『まいごの十字路』へと向かった。
盗っ人三人衆も昼なお薄暗い『鎮守の小道』を通り『まいごの十字路』へと向かった。
そして…
四方を同じような建物に囲まれた、裏道の十字路に差し掛かった時。
──ここでは決して立ち止まってはいけない、迷子になる。
だが、盗っ人三人衆は立ち止まった。
「えーっと確かまっすぐ行った…」
親分がそういうと、正面の路地からのそりのそりとやってくる白い物体。そう正体を現した猫又のボスだ。
尻尾が二つに割れている。
「あれ? こっちじゃないっすか? 」一が左手の路地を見ると、茶色い狸が二足歩行でグルグルいいながら、迫ってくる。
正体を現した、妖狸のポン三郎だ。
「こっちじゃ、ぎゃー」右手の路地を見た二が叫んだ。
そこには、金色に輝く九つの尾をさわさわ広げて、しなりしなりとコン姐が迫ってきた。
三匹とも不気味な笑いを浮かべている。
『ぎゃー』
盗っ人三人衆が悲鳴を上げた瞬間、視界がぐるぐる回り出し、小さな十字路の真ん中で背中合わせにしゃがみ込んだ。
「なんじゃこりゃ! 」
大声で叫ぶ親分、そして視界が元に戻ると三匹の姿は消えていた。三人衆はあわてて真っ直ぐ前の道に入っていった。
『迷子の十字路』──それは妖たちが見守る場所だった。昔から四辻は魔物が潜む言われているが、本当だ。
盗っ人三人衆は、外へ駆け抜けたと思っていたが、再び鎮守の小道へと戻っていた。薄暗く木がざわざわさざめく。
「まじですか? 」二が呟くと
──ボッ!
道の両脇に青白い炎がずらりと並ぶ。そしてぼんやりと道を照らし初めた。
「うわぁ、なんだなんだ。戻るぞおい」
親分がそう言って振り返った。
すると…ゴン!何かにぶつかった。
巨大な壁が道を塞いでいる。
それだけじゃなく、迫ってくる。
「なんだこの壁動いてるぞ」
「ウヘェ! 」一が大声をあげる。
振り返る親分。
「あ、あれ、誰ですかー」二が大声を上げる。
青白い炎が並んだ先の暗闇に黄色い浴衣を着た女性が一人、袂で顔を隠して立っている。
──じりじりじり…壁が背後から迫ってくる。
ドン! 親分の背中にぶつかった。
「うわ! い、いくぞ、女なんて無視しろ無視」
三人衆はそろりそろりと歩き出すと、浴衣の女性に声をかけられた。
「ちょいとお兄さん」
透き通った女性の声だ。
ボスが声を張り上げると鎮守の森の中から妖狸のポン三郎と、九尾狐のコン姐が嬉しそうに現れた。そして三匹は走り去った。
ももは境内の神殿の脇を走り抜けると『鎮守の小道』を通り、『まいごの十字路』へと向かった。
盗っ人三人衆も昼なお薄暗い『鎮守の小道』を通り『まいごの十字路』へと向かった。
そして…
四方を同じような建物に囲まれた、裏道の十字路に差し掛かった時。
──ここでは決して立ち止まってはいけない、迷子になる。
だが、盗っ人三人衆は立ち止まった。
「えーっと確かまっすぐ行った…」
親分がそういうと、正面の路地からのそりのそりとやってくる白い物体。そう正体を現した猫又のボスだ。
尻尾が二つに割れている。
「あれ? こっちじゃないっすか? 」一が左手の路地を見ると、茶色い狸が二足歩行でグルグルいいながら、迫ってくる。
正体を現した、妖狸のポン三郎だ。
「こっちじゃ、ぎゃー」右手の路地を見た二が叫んだ。
そこには、金色に輝く九つの尾をさわさわ広げて、しなりしなりとコン姐が迫ってきた。
三匹とも不気味な笑いを浮かべている。
『ぎゃー』
盗っ人三人衆が悲鳴を上げた瞬間、視界がぐるぐる回り出し、小さな十字路の真ん中で背中合わせにしゃがみ込んだ。
「なんじゃこりゃ! 」
大声で叫ぶ親分、そして視界が元に戻ると三匹の姿は消えていた。三人衆はあわてて真っ直ぐ前の道に入っていった。
『迷子の十字路』──それは妖たちが見守る場所だった。昔から四辻は魔物が潜む言われているが、本当だ。
盗っ人三人衆は、外へ駆け抜けたと思っていたが、再び鎮守の小道へと戻っていた。薄暗く木がざわざわさざめく。
「まじですか? 」二が呟くと
──ボッ!
道の両脇に青白い炎がずらりと並ぶ。そしてぼんやりと道を照らし初めた。
「うわぁ、なんだなんだ。戻るぞおい」
親分がそう言って振り返った。
すると…ゴン!何かにぶつかった。
巨大な壁が道を塞いでいる。
それだけじゃなく、迫ってくる。
「なんだこの壁動いてるぞ」
「ウヘェ! 」一が大声をあげる。
振り返る親分。
「あ、あれ、誰ですかー」二が大声を上げる。
青白い炎が並んだ先の暗闇に黄色い浴衣を着た女性が一人、袂で顔を隠して立っている。
──じりじりじり…壁が背後から迫ってくる。
ドン! 親分の背中にぶつかった。
「うわ! い、いくぞ、女なんて無視しろ無視」
三人衆はそろりそろりと歩き出すと、浴衣の女性に声をかけられた。
「ちょいとお兄さん」
透き通った女性の声だ。
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