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第2章 夏
◆番頭さんと行く、はじめての洞窟温泉
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今日は、洞窟温泉にイオナおばあちゃん家族とアンジーさん、リアムさんをお招きした。
以前、エルディナさんを見て、おばあちゃんが腰を抜かしちゃった事件(※1)の前科があるので、予め「番頭さん」がいることは説明済みである。
だったのだけれど…。
玉砂利の道を口をあんぐり開けながら歩く一同を連れ、エントランス兼休憩スペースまで降りてくるとー
「…っ!何かいる!!」
刹那、アンジーさんの手が剣の柄に伸びる。
私は慌てて
「アンジーさん、待って!それ番頭さん!」
と止めに入ると、剣を抜く体勢でピタリと制止したまま、首だけがギギギとこちらを向いた。
「……バント―さんとはゴーレム…なのか?」
「エヘヘ、バッカスさんとエルディナさんが本気出しちゃった」
「そ、そうか………精霊と神が…」
何だか歯切れ悪く納得したらしいアンジーさんは抜刀の体勢を解き、納刀して姿勢を正した。
一方、イオナおばあちゃんは“エルディナさんが作った”と聞き、「あらまあ、これはこれは…」と拝んでいる。
おばあちゃん、番頭さんはエルディナさんの使途じゃないからね?
その隣ではケイトさんとロニーさんの目が点になっていて、リアムさんは魂が抜けたように遠くを見つめていた。
クィール?
クィールはいつも通り、ガチャ丸達とギャッギャ、ニャゴニャゴ楽しそうだよ!
ともあれ、番頭さんはそんな一行の様子など気にするでもなく、いつも通りピリリとしたホテルマンの姿勢でお客様をお迎えし、枝葉をユサユサと揺らしながら物腰柔らかに私達を温泉へと案内してくれる。
ちなみに、番頭さんから生えている葉っぱや花はその時々で違う。理屈はよくわからないけれど、今日は心を落ち着かせるイランイランのような香りのする葉っぱがはえていた。
うん、いい香り♪
それぞれが男湯と女湯に分かれ、脱衣所で服を畳み終えた頃には、さすがのアンジーさんもようやく落ち着きを取り戻し、髪をまとめはじめた。
さすが、一流冒険者。均整のとれた体!
腰の位置は高く、お尻は女性的でありながらもキュッと上向きに引き締まり、くびれた腰には立派なシックスパックが…。
それに比べて私の体ときたら…トホホと自分のお腹をプニッと摘まむ。
どういうわけか、昔から筋肉が付きにくいのよね…。
「ともかく!とりあえず汗を流そう!」
それぞれタオルと木桶を抱え、湯けむりの向こうへと進んでいく。
ところが――湯煙の奥に現れたまるで神殿のような、神聖さすら漂う幻想的な湯殿に三人はぴたりと足を止め、言葉もなく固まってしまった。
その時だった。
元気いっぱいのガチャ丸としーちゃんが、横からダッシュで登場。勢いよく木桶を構えると―
バッシャーーーンッ!!
と豪快に湯をかぶり、温泉に突撃して行った。
尚、クィールは濡れるのが嫌いなので脱衣所で門番をしている。
その音と勢いで、三人はようやくフリーズ解除されたように顔を見合わせ、ふっと肩の力を抜く。
「おや、まぁ元気だねぇ」
「全くだ」
「でも、なんだか楽しいですね」
どんなに神々しい温泉でも、ガチャ丸としーちゃんの前ではただの遊び場。そんな無遠慮さが、むしろ三人の緊張をほどいてくれたようだった。
そわそわと、湯船にそろりそろり入る三人は、まるで冒険に飛び込む直前の探検隊みたいで、けれどいざ肩までつかってしまえば至福の顔でお互いの顔を見合わせて「ふふふ」と笑っている。
そんな三人を見て私も嬉しくなって、はぁ~と思いっきり息を吐きながら足を伸ばした。
奥ではガチャ丸としーちゃんがプールのように岩風呂で遊ぶ賑やかな声が木霊している。
夏の昼下がり。
誰問うこともなくゆったりと入る温泉の何と贅沢なるひとときか。
おばあちゃんは「長生きしてみるもんだねぇ」としみじみ呟き、アンジーさんは「傷跡が…ないっ!?」と驚き、ケイトさんは「肌がスベスベだわ~」と感動している。
その姿を見て、あぁ温泉ってやっぱりすごいな~って思いながら私は静かに肩までつかりながら、三人を見ていた。
-----------
湯上り、休憩室では私達と同じくピカピカのツヤツヤになったロニーさんとイケメン度が増したリアムさんが一枚板のテーブルの前でまったりと寛いでいた。
「お先に」とグラスを傾げるリアムさん。カランと氷の音が鳴る琥珀色の液体は、多分、梅酒だろう。
隣りのロニーさんは“梅スカッシュ”を飲みながら目を白黒させている。
そんな私達の前にも、熟練のバーテンダーのように完璧なタイミングで番頭さんからそっと差し出される飲み物。
私とアンジーさんが梅酒ソーダ割。イオナおばあちゃんとケイトさん、ガチャ丸達が梅スカッシュ。
「彼は……本当にゴーレム…なのか?」
アンジーさんが番頭さんを見つめながらポツリとつぶやくと、番頭さんは無表情(たぶん)ながらも、ほんのわずかに頭を下げたように見えた。
「さすがはエルディナ様…」とおばあちゃんはお神酒でもいただくような恭しさで梅スカッシュをちびり。
そして、初めての炭酸に目をパチクリ。
その隣ではケイトさんが「このグラスの縁に飾ってあるミントも可愛いですね」と目を細めている。
おそらくそれは、番頭さんから生えたか、もしくはハーブ園から摘んで来たものと思われる。できれば後者であって欲しい。
私はそっとソーダ割をひと口。炭酸が舌の上ではじけて、やさしい甘さと、大人の香りが喉を滑っていく。ああ……最高。
それぞれが無言でこのひと時を心から享受していた。
湯の恵みと、冷たい飲み物。ほどよい疲労感と、寄り添うような静けさ。
番頭さんから香るイランイランの葉っぱがサワサワと擦れ、時折どこかで水の滴る音がして、ふいに風が吹き抜ける。
私達はその心地よさに身を委ね、しばし言葉もなく過ごした。
番頭さんが静かに一歩下がる。
その姿はまるで一流のコンシェルジュのようだった。
* * *
(※1)第2章.夏「◆おばあちゃんのペンダントの正体」
-----------
【ちょこっとお知らせ】
いつも『女神の箱庭』をお読みいただき、誠にありがとうございます。
現在、書籍化に向けた準備を進めており、その関係で更新ペースが少しゆったりめになっております。
今後の投稿は、基本的に「金・土の週2回更新」を目安とさせていただく予定です。
ただし、制作状況によっては更新日が前後する場合もございますので、あらかじめご理解いただけますと幸いです。
引き続き、『女神の箱庭』をどうぞよろしくお願いいたします!
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玉砂利の道を口をあんぐり開けながら歩く一同を連れ、エントランス兼休憩スペースまで降りてくるとー
「…っ!何かいる!!」
刹那、アンジーさんの手が剣の柄に伸びる。
私は慌てて
「アンジーさん、待って!それ番頭さん!」
と止めに入ると、剣を抜く体勢でピタリと制止したまま、首だけがギギギとこちらを向いた。
「……バント―さんとはゴーレム…なのか?」
「エヘヘ、バッカスさんとエルディナさんが本気出しちゃった」
「そ、そうか………精霊と神が…」
何だか歯切れ悪く納得したらしいアンジーさんは抜刀の体勢を解き、納刀して姿勢を正した。
一方、イオナおばあちゃんは“エルディナさんが作った”と聞き、「あらまあ、これはこれは…」と拝んでいる。
おばあちゃん、番頭さんはエルディナさんの使途じゃないからね?
その隣ではケイトさんとロニーさんの目が点になっていて、リアムさんは魂が抜けたように遠くを見つめていた。
クィール?
クィールはいつも通り、ガチャ丸達とギャッギャ、ニャゴニャゴ楽しそうだよ!
ともあれ、番頭さんはそんな一行の様子など気にするでもなく、いつも通りピリリとしたホテルマンの姿勢でお客様をお迎えし、枝葉をユサユサと揺らしながら物腰柔らかに私達を温泉へと案内してくれる。
ちなみに、番頭さんから生えている葉っぱや花はその時々で違う。理屈はよくわからないけれど、今日は心を落ち着かせるイランイランのような香りのする葉っぱがはえていた。
うん、いい香り♪
それぞれが男湯と女湯に分かれ、脱衣所で服を畳み終えた頃には、さすがのアンジーさんもようやく落ち着きを取り戻し、髪をまとめはじめた。
さすが、一流冒険者。均整のとれた体!
腰の位置は高く、お尻は女性的でありながらもキュッと上向きに引き締まり、くびれた腰には立派なシックスパックが…。
それに比べて私の体ときたら…トホホと自分のお腹をプニッと摘まむ。
どういうわけか、昔から筋肉が付きにくいのよね…。
「ともかく!とりあえず汗を流そう!」
それぞれタオルと木桶を抱え、湯けむりの向こうへと進んでいく。
ところが――湯煙の奥に現れたまるで神殿のような、神聖さすら漂う幻想的な湯殿に三人はぴたりと足を止め、言葉もなく固まってしまった。
その時だった。
元気いっぱいのガチャ丸としーちゃんが、横からダッシュで登場。勢いよく木桶を構えると―
バッシャーーーンッ!!
と豪快に湯をかぶり、温泉に突撃して行った。
尚、クィールは濡れるのが嫌いなので脱衣所で門番をしている。
その音と勢いで、三人はようやくフリーズ解除されたように顔を見合わせ、ふっと肩の力を抜く。
「おや、まぁ元気だねぇ」
「全くだ」
「でも、なんだか楽しいですね」
どんなに神々しい温泉でも、ガチャ丸としーちゃんの前ではただの遊び場。そんな無遠慮さが、むしろ三人の緊張をほどいてくれたようだった。
そわそわと、湯船にそろりそろり入る三人は、まるで冒険に飛び込む直前の探検隊みたいで、けれどいざ肩までつかってしまえば至福の顔でお互いの顔を見合わせて「ふふふ」と笑っている。
そんな三人を見て私も嬉しくなって、はぁ~と思いっきり息を吐きながら足を伸ばした。
奥ではガチャ丸としーちゃんがプールのように岩風呂で遊ぶ賑やかな声が木霊している。
夏の昼下がり。
誰問うこともなくゆったりと入る温泉の何と贅沢なるひとときか。
おばあちゃんは「長生きしてみるもんだねぇ」としみじみ呟き、アンジーさんは「傷跡が…ないっ!?」と驚き、ケイトさんは「肌がスベスベだわ~」と感動している。
その姿を見て、あぁ温泉ってやっぱりすごいな~って思いながら私は静かに肩までつかりながら、三人を見ていた。
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湯上り、休憩室では私達と同じくピカピカのツヤツヤになったロニーさんとイケメン度が増したリアムさんが一枚板のテーブルの前でまったりと寛いでいた。
「お先に」とグラスを傾げるリアムさん。カランと氷の音が鳴る琥珀色の液体は、多分、梅酒だろう。
隣りのロニーさんは“梅スカッシュ”を飲みながら目を白黒させている。
そんな私達の前にも、熟練のバーテンダーのように完璧なタイミングで番頭さんからそっと差し出される飲み物。
私とアンジーさんが梅酒ソーダ割。イオナおばあちゃんとケイトさん、ガチャ丸達が梅スカッシュ。
「彼は……本当にゴーレム…なのか?」
アンジーさんが番頭さんを見つめながらポツリとつぶやくと、番頭さんは無表情(たぶん)ながらも、ほんのわずかに頭を下げたように見えた。
「さすがはエルディナ様…」とおばあちゃんはお神酒でもいただくような恭しさで梅スカッシュをちびり。
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その隣ではケイトさんが「このグラスの縁に飾ってあるミントも可愛いですね」と目を細めている。
おそらくそれは、番頭さんから生えたか、もしくはハーブ園から摘んで来たものと思われる。できれば後者であって欲しい。
私はそっとソーダ割をひと口。炭酸が舌の上ではじけて、やさしい甘さと、大人の香りが喉を滑っていく。ああ……最高。
それぞれが無言でこのひと時を心から享受していた。
湯の恵みと、冷たい飲み物。ほどよい疲労感と、寄り添うような静けさ。
番頭さんから香るイランイランの葉っぱがサワサワと擦れ、時折どこかで水の滴る音がして、ふいに風が吹き抜ける。
私達はその心地よさに身を委ね、しばし言葉もなく過ごした。
番頭さんが静かに一歩下がる。
その姿はまるで一流のコンシェルジュのようだった。
* * *
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