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本編
48.腐敗の森と毒沼の魔鉱石
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貧民街が王都に近接していながら放置され続けている事には理由がある。
『腐敗の森』に接している為に不浄の瘴気が流れ込み、徐々に身体を蝕む障害のある土地だったからだ。
貧民街の奥で感じた、腐敗臭のような悪臭もその瘴気によるものだった。
そして、巨大な魔鉱石があると知られていながらも、誰も手を出さなかった事にも理由がある。
巨大な魔鉱石の周囲を囲う、瘴気を発する脅威の『毒沼』があったからだ。
毒沼の水は触れた者の血肉をたちまち腐敗させ溶かしてしまう劇毒だった。
周囲の広大な森も毒沼から染み出した毒から、腐り果てて悍ましく変異した草木だけが残った。
実を口にする者、匂いを嗅ぐ者、触れる者、それらの命を悉く奪う猛毒の草木だ。
そこに踏み入る生ける者を死に至らしめ腐らせる森、それが『腐敗の森』なのだ。
いくら魔鉱石が高額で取引されていても、命を捨てるも同然の脅威を掻い潜り魔鉱石を手にしようとする者はいない――いなかった――それまでは――
『俺、少しだけど土と風の魔法が使えるようになったんだ……だから何かできないかなって……』
――だがしかし、風向きを操り瘴気を避け、毒水や毒草に触れずに足場を確保する事ができれば、あるいは――
チョコチップはもう居ても立っても居られなくなり走り出した。
僕も慌ててチョコチップの後を追いかけて走る。
「僕も行くよ!」
「駄目だ、来るな! とても危険な場所なんだ。そこにいる確証はない。いたら直ぐに連れ戻すから。だからラズベリーはここで待っていてくれ!!」
「嫌だよ、僕も探しに行く! 初めてできた友達なんだから!! 一人より二人の方が早く見つけられるよ!!!」
「くっ……足手まといになるなら置いて行くからな、そしたら直ぐに戻れ! 危ないと思ったら直ぐに戻るんだ! いいな……」
「分かった、絶対遅れはとらないよ!」
僕達は貧民街の奥地へと、『腐敗の森』へと急ぎ走って行ったのだ。
◆
「早く! 早く! 遅いよー!!」
僕がぽよんぽよんと飛び跳ねて、遅れて走って来るチョコチップを急かす。
やっと追いつき汗だくで息を荒げているチョコチップが、僕を見て唖然とする。
「……なんで……ぜぇぜぇ……そんな形して……ぜぇぜぇ……そんな足、早いんだ……ぜぇぜぇ……信じられん、早さだな……」
「毎日トレーニングしてるからね。このくらい楽々だよ」
息を整えたチョコチップは急に険しい顔をして、最後の忠告だとして僕を見据えて言い聞かせる。
「ここから奥は『腐敗の森』だ。引き返すなら今のうちだぞ? 一歩間違えれば死ぬ。怖いなら引き返すんだ……」
確かにそこから先は明らかに空気が違った。
腐敗したような悪臭が立ち込め空気は重苦しい、瘴気なのか暗雲が漂いどんよりと薄暗い、怪物みたいな歪で不気味な草木が茫々と生い茂っている。
その光景を目にするだけでゾゾゾと鳥肌が立ち、怖気付きそうになる。
「ごくり……僕も行く!」
僕は生唾を飲み込み己を奮い立たせて、足場を作り先を進むチョコチップの後に続き『腐敗の森』へと足を踏み入れた。
「瘴気はできるだけ吸うな、身体に毒だ……」
森に入ってすぐにチョコミントの痕跡を見つけた。
重い瘴気を魔法で左右に割り隔てたその中心に、足場を作った跡が点々と続いていたのだ。
「くそっ、やっぱりか! ラズベリー、走るぞ! 余り大きく息は吸うな!!」
「うん、分かった!」
僕達はその跡を辿り、森の奥へ奥へと急いで走って行く。
どんどん奥深くへ進んで行くと『毒沼』が見えてきた。
そして、チョコミントの姿もそこにあった。
チョコミントは毒沼の上に足場を作り、その上をゆっくりと歩いていたのだ。
「いた! チョコミント!?」
「迎えに来た! 直ぐに戻るんだ!!」
だが、チョコミントの様子がおかしい。
僕達の声にも気付いていない、聞こえていないようだ。
チョコミントは足元が覚束ない様子で、ふらふらとしている。
「瘴気を吸い過ぎたのか……まさか、魔力切れを起こしているのか……」
今にも足場から毒沼に落ちてしまいそうな危うい息子に、チョコチップは瘴気を吸う事などもう構わず、必死に息子の名前を叫び続ける。
「チョコミント! しっかりしろ、チョコミント!! しっかりするんだ、チョコミントー!!?」
このままだと二人供危ないと思った僕はチョコチップに叫んだ。
「急いで足場を作って、僕が走る!!」
「ああ、分かった!」
チョコチップが急ぎ、ありったけの魔力で土魔法の呪文を詠唱する。
『地の精霊よ、我が魔力を以てこの岩石を繋げ。【岩石架橋】』
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
轟音を響かせて繋がっていく岩石の上を僕は駆け抜ける。
あと少しでチョコミントまで辿り着く、もう少しで手が届く。
そう思った瞬間――
「チョコミント!?」
――チョコミントは力尽き、よろめいて足場から滑り落ちる。
「チョコミントーーーーーー!!!!」
遠くでチョコチップの叫ぶ声が聞こえる。
僕は咄嗟に飛んだ。
足場から滑り落ちていくチョコミントを飛んで受け止めた。
チョコミントが僕に気付いて名前を呼ぶ。
「……ラ、ラズベリー?」
そのまま勢いを付けて僕は回転し、チョコミントを魔鉱石のある陸地へと投げ飛ばした。
「あっ……」
そして、僕は毒沼へと落ちていく。
どっぼーーーーーーん
僕は毒沼の底へと沈んでいく。
ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく
◆
陸地に投げ飛ばされ転がっていたチョコミントの元に、チョコチップが駆け寄る。
チョコミントはのろのろと身体を起き上がらせ、信じられない思いでラズベリーの沈んだ毒沼を見つめた。
「……え……そ、そんな……そんな……」
チョコミントはふらふらとラズベリーの沈んだ毒沼に近付き手を伸ばそうとする。
そんな息子をチョコチップは慌てて抱き留めて、行かせまいと止める。
「……だ、駄目だ! チョコミント、お前まで!! ……うぐっ、うぅ……」
触れればたちまち血肉を腐り落とさせ死に至らしめる毒沼に、ラズベリーは落ちてしまった。
チョコミントを救う為に自ら飛び込み、ラズベリーは身を挺してチョコミントを救ってくれたのだ。
親子の目からは涙が溢れ出て止まらない。
ラズベリーの落ちた毒沼からは、絶えず煮え立つように泡が立ち上っていた。
「……ラズベリー……ラズベリーーーーーー!!!!??」
腐敗の森の奥深く禍々しい毒沼には、チョコミントの泣き叫ぶ声が響き渡っていた。
◆
『腐敗の森』に接している為に不浄の瘴気が流れ込み、徐々に身体を蝕む障害のある土地だったからだ。
貧民街の奥で感じた、腐敗臭のような悪臭もその瘴気によるものだった。
そして、巨大な魔鉱石があると知られていながらも、誰も手を出さなかった事にも理由がある。
巨大な魔鉱石の周囲を囲う、瘴気を発する脅威の『毒沼』があったからだ。
毒沼の水は触れた者の血肉をたちまち腐敗させ溶かしてしまう劇毒だった。
周囲の広大な森も毒沼から染み出した毒から、腐り果てて悍ましく変異した草木だけが残った。
実を口にする者、匂いを嗅ぐ者、触れる者、それらの命を悉く奪う猛毒の草木だ。
そこに踏み入る生ける者を死に至らしめ腐らせる森、それが『腐敗の森』なのだ。
いくら魔鉱石が高額で取引されていても、命を捨てるも同然の脅威を掻い潜り魔鉱石を手にしようとする者はいない――いなかった――それまでは――
『俺、少しだけど土と風の魔法が使えるようになったんだ……だから何かできないかなって……』
――だがしかし、風向きを操り瘴気を避け、毒水や毒草に触れずに足場を確保する事ができれば、あるいは――
チョコチップはもう居ても立っても居られなくなり走り出した。
僕も慌ててチョコチップの後を追いかけて走る。
「僕も行くよ!」
「駄目だ、来るな! とても危険な場所なんだ。そこにいる確証はない。いたら直ぐに連れ戻すから。だからラズベリーはここで待っていてくれ!!」
「嫌だよ、僕も探しに行く! 初めてできた友達なんだから!! 一人より二人の方が早く見つけられるよ!!!」
「くっ……足手まといになるなら置いて行くからな、そしたら直ぐに戻れ! 危ないと思ったら直ぐに戻るんだ! いいな……」
「分かった、絶対遅れはとらないよ!」
僕達は貧民街の奥地へと、『腐敗の森』へと急ぎ走って行ったのだ。
◆
「早く! 早く! 遅いよー!!」
僕がぽよんぽよんと飛び跳ねて、遅れて走って来るチョコチップを急かす。
やっと追いつき汗だくで息を荒げているチョコチップが、僕を見て唖然とする。
「……なんで……ぜぇぜぇ……そんな形して……ぜぇぜぇ……そんな足、早いんだ……ぜぇぜぇ……信じられん、早さだな……」
「毎日トレーニングしてるからね。このくらい楽々だよ」
息を整えたチョコチップは急に険しい顔をして、最後の忠告だとして僕を見据えて言い聞かせる。
「ここから奥は『腐敗の森』だ。引き返すなら今のうちだぞ? 一歩間違えれば死ぬ。怖いなら引き返すんだ……」
確かにそこから先は明らかに空気が違った。
腐敗したような悪臭が立ち込め空気は重苦しい、瘴気なのか暗雲が漂いどんよりと薄暗い、怪物みたいな歪で不気味な草木が茫々と生い茂っている。
その光景を目にするだけでゾゾゾと鳥肌が立ち、怖気付きそうになる。
「ごくり……僕も行く!」
僕は生唾を飲み込み己を奮い立たせて、足場を作り先を進むチョコチップの後に続き『腐敗の森』へと足を踏み入れた。
「瘴気はできるだけ吸うな、身体に毒だ……」
森に入ってすぐにチョコミントの痕跡を見つけた。
重い瘴気を魔法で左右に割り隔てたその中心に、足場を作った跡が点々と続いていたのだ。
「くそっ、やっぱりか! ラズベリー、走るぞ! 余り大きく息は吸うな!!」
「うん、分かった!」
僕達はその跡を辿り、森の奥へ奥へと急いで走って行く。
どんどん奥深くへ進んで行くと『毒沼』が見えてきた。
そして、チョコミントの姿もそこにあった。
チョコミントは毒沼の上に足場を作り、その上をゆっくりと歩いていたのだ。
「いた! チョコミント!?」
「迎えに来た! 直ぐに戻るんだ!!」
だが、チョコミントの様子がおかしい。
僕達の声にも気付いていない、聞こえていないようだ。
チョコミントは足元が覚束ない様子で、ふらふらとしている。
「瘴気を吸い過ぎたのか……まさか、魔力切れを起こしているのか……」
今にも足場から毒沼に落ちてしまいそうな危うい息子に、チョコチップは瘴気を吸う事などもう構わず、必死に息子の名前を叫び続ける。
「チョコミント! しっかりしろ、チョコミント!! しっかりするんだ、チョコミントー!!?」
このままだと二人供危ないと思った僕はチョコチップに叫んだ。
「急いで足場を作って、僕が走る!!」
「ああ、分かった!」
チョコチップが急ぎ、ありったけの魔力で土魔法の呪文を詠唱する。
『地の精霊よ、我が魔力を以てこの岩石を繋げ。【岩石架橋】』
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
轟音を響かせて繋がっていく岩石の上を僕は駆け抜ける。
あと少しでチョコミントまで辿り着く、もう少しで手が届く。
そう思った瞬間――
「チョコミント!?」
――チョコミントは力尽き、よろめいて足場から滑り落ちる。
「チョコミントーーーーーー!!!!」
遠くでチョコチップの叫ぶ声が聞こえる。
僕は咄嗟に飛んだ。
足場から滑り落ちていくチョコミントを飛んで受け止めた。
チョコミントが僕に気付いて名前を呼ぶ。
「……ラ、ラズベリー?」
そのまま勢いを付けて僕は回転し、チョコミントを魔鉱石のある陸地へと投げ飛ばした。
「あっ……」
そして、僕は毒沼へと落ちていく。
どっぼーーーーーーん
僕は毒沼の底へと沈んでいく。
ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく
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陸地に投げ飛ばされ転がっていたチョコミントの元に、チョコチップが駆け寄る。
チョコミントはのろのろと身体を起き上がらせ、信じられない思いでラズベリーの沈んだ毒沼を見つめた。
「……え……そ、そんな……そんな……」
チョコミントはふらふらとラズベリーの沈んだ毒沼に近付き手を伸ばそうとする。
そんな息子をチョコチップは慌てて抱き留めて、行かせまいと止める。
「……だ、駄目だ! チョコミント、お前まで!! ……うぐっ、うぅ……」
触れればたちまち血肉を腐り落とさせ死に至らしめる毒沼に、ラズベリーは落ちてしまった。
チョコミントを救う為に自ら飛び込み、ラズベリーは身を挺してチョコミントを救ってくれたのだ。
親子の目からは涙が溢れ出て止まらない。
ラズベリーの落ちた毒沼からは、絶えず煮え立つように泡が立ち上っていた。
「……ラズベリー……ラズベリーーーーーー!!!!??」
腐敗の森の奥深く禍々しい毒沼には、チョコミントの泣き叫ぶ声が響き渡っていた。
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