【R18】雪のつのる頃に(女性向け?)

風亜

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肩を叩く闇

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彼と愛し合って2時間過ぎ程経った。
気付いたら時間は9時過ぎをさしている。
雅「深雪、そろそろチェックアウトして出掛けようか、シャワーに行っておいで」
優しく微笑みながら彼は言う
雪「そうね。服も着なくちゃ」
そう言って私はシャワーを浴びにいく。
彼は優しい。
その優しさにつけ込んだ…のかもしれない…
寂しさを埋める為に…
と少し冷たいシャワーを浴びながら思ってしまった…
けど、私は彼の事が好きだし、愛してる。
確かに直接会ったのは昨日だったかもしれない。
けど、前々から電話でやりとりしてる時から惹かれて居たのは事実だと思う。
改めて、自分の問に答えを見つけ、身体を拭く。
昨日着てきた服しかないや…
雪「雅人、私1度家に帰りたいの…いいかな?」
雅「全然いいよー」
ぁぁ、けど部屋片付いてないや…部屋の中はダメって言わなくちゃ…
雅「あ、じゃあさ、ちょっと俺も寄りたい所があるから、11時半に昨日の場所で待ち合わせってどう?」
私はその言葉で安堵する
雪「ええ、いいわー」
私は服を整え、出る準備を済ます。
雅「ここの場所分かる?帰れそうかな?」
多分大丈夫だと思う。
最悪タクシーを呼べばいい訳だし
雪「うん、大丈夫だよ。」
雅「じゃあ、先に行って大丈夫だよ。あとの事は俺がしておくからさ。」
雪「ありがとう、じゃあまた後でねっ」
私はにこやかに返し、部屋を後にする。

ホテルを出て直ぐに分かった。
私の仕事場の近くにあるホテルだった。
いつもの駅に乗り、いつもの駅で降りるだけだ。
定期を使い、電車に乗り込む。
休みの日だからか電車は人がある程度乗っている。
一つだけ空いている椅子があったので、そこに座った。
スマホを見る。
彼からメッセージが入っている。
雅「気をつけてね。また後で会えるのを楽しみにしてる」
こうゆう所だ。
マメというか、気遣いが出来る人なのだ。
私はここを好きになったんだと思う。
私は返信をした

ありがとう、私も楽しみにしてるから

メッセージにハートや絵文字をふんだんに使って返す。
私の頬は少し緩んでいた。

?「あら、羽島さん、こんな所で奇遇ね。顔が緩んでいるけど何かいい事でもあったのかしら?」

この声は…
私は声の方を向く…
そこには会社の意地悪な先輩…岡田美紀恵さんがこちらを睨み立っていた。
雪「ぁぁ、おはようございます、岡田さん。」
私は挨拶をした
身体が強ばるのが分かる。
美「そうね、おはよう。で、私の質問には答えてくれないのかしら?」
雪「ぇ?」
美「え?じゃないわよ、顔が!緩んで!いたけれど!いい事でもあったのかしら?」
雪「あ、はい!ちょっとだけいい事があって…」
怖いよ…
美「あらそう、仕事では私がお願いしたお仕事を時間内に出来ないのに、そんな幸せそうにしてるなんて…」
違う…あんなの出きっこない…
2人でこなす量を私は1人でやらされてるんだから…
雪「幸せそうに…なんて…」
美「いつもは辛そうな顔をしてるのに、今日はやけに嬉しそうな顔をしてたものだから…明日からの仕事、大丈夫よね?」
雪「ぇぇ…大丈夫…です。」
美「あっそ、じゃあ明日ね」
そう言ってカツカツと私から離れていく…

最悪な気分だ…
1番会いたくない人に会ってしまった…
あんなに幸せな気分だったのに…
…気持ち悪い……
私は降りるべき駅で即座にトイレに駆け込む…
あまりの気分の悪さに吐き気が出てしまった…
中身は出なかったけれど…
明日の事を思ったら気が滅入る…
けど、雅人と約束してるから…
行かなくちゃ…

家に戻り、鍵を開ける。
寂しい空間だと再認識してしまう。
新しい下着と服を取り出し、着替える。
衣擦れの音が部屋を包む。
静かで…冷たい…そんな部屋だなって思った。
服を着替えて、時計を見る。
今から出ると、15分前に着いてしまうけど、いいか
と思い、部屋を後にする。
この寂しい空気や、さっきの気分の悪さを忘れたかった。
だから早く雅人に会いたかった。
駅までの道は小走りだった…

昨日待ち合わせをしたベンチまで小走りで来てしまった。
やっぱり15分ちょっと前に着いてしまった。
彼はそこには居なかった…
早かったし…しょうがないよね…
小走りで来た為か、少し喉が乾いた。
近くにコンビニがあったなと思い、そちらに足を向ける。
ここを曲がればコンビニがあるはず
あったあった

コンビニの前には1台の黒い車が止まっている。
その横には綺麗な女性と雅人が…話をしている…
雅人の顔は見えない…
女性はなんとなくにこやかに話している…
それを見て…私は目の前が真っ暗になった…
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