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騎士隊長と黒髪の青年
11 ※(拘束される表現があります)
頭が重い······
腕も······動かせない······
莉人は瞳を開けた。見慣れない絢爛豪華な造りの部屋の真ん中に置かれた広めのベッドの上に莉人はいた。だが、両手首に革ベルトの拘束具を着けられ、拘束具と繋がる鎖は天井から吊り下げられている。お陰で、莉人は両手を頭の上高く挙げさせられ、ベッドの上で膝立ちする格好となっていた。着ていた隊服も脱がされ、ボタンを全て外されたシャツを羽織っているだけの姿にされている。
「お目覚めかな?」
まだぼんやりとした頭のまま、声のした方へ顔を向けた。
そこには身なりの良い中年の紳士が立っている。
「·········誰だ?」
「私はルーベルト・ヴァルストーレン。君の主となる名前だ、覚えておきなさい」
「あ···主?何を言って······」
ルーベルトは莉人にゆっくりと近づく。
うっとりとした表情で莉人の上から下までじっくりと眺めた。
その異様とも言える視線に、莉人は後ずさりをしようとした。だが、拘束されている鎖がそれを阻む。
「くっ····外せよ!テメェ!!」
怒鳴りつけた瞬間、頬に痛みがはしる。
一瞬、何が起こったのか分からなかったが、じんじんとした熱い頬の痛みに、ルーベルトに掌で思い切り叩かれた為だと知る。
「口の利き方に気をつけろ····私が君の主だと言った筈だが?」
ルーベルトの右手が伸び、後ろ髪を掴まれたかと思うと、思い切り下へと引っ張られた。
「っ ────!!」
上を向かせられた苦痛に、声にならない叫びをあげる。呼吸がしづらく、喘ぐように息を吸う莉人の唇をルーベルトは満足気に見つめた。
「躾けが必要のようだ。痛みや苦痛さえも快楽に感じるよう調教してやろう·····」
そう言いながら、ルーベルトは莉人の首筋に舌を這わせた。
ねっとりと肌を這う感覚に莉人は嫌悪感をお覚える。今までだって舌を這わせ舐められる事はあった筈だ。
これくらい平気だったのに····今はアシュレイの顔が思い浮かび、心も躰も拒絶していた。
「嫌····だ·······やめっ·······」
目尻に涙を滲ませる。
「その嫌がる表情、欲情をそそられる····ああ、ますます屈従させたくなるよ」
恍惚とした表情をルーベルトは浮べ、空いている方の手をシャツと肌の間に滑り込ませ、肌の感触を味わいながら撫で回す。
「···········っう········」
ルーベルトの触れる手や声さえも不快に感じ、悪心がする。
何時までこの苦痛に耐えなければならないのだろうか····そう思っていた時だった。扉の向こうから怒号や物が壊れる音に混じって悲鳴も聞こえてきた。
「何事だ!」
常軌を逸した騒ぎに、ルーベルトは確認しようと莉人から離れ扉へと向かう。
──── ダンッ!!!!
ドアが震える程の音がし、ルーベルトは動きを止めた。
「リヒト!!」
アシュレイの叫ぶ声と共に今度は部屋のドアが蹴り破られた。髪を乱し、必死の表情のアシュレイが部屋へ駆け込んでくる。
「アシュレイ····」
安堵から自然と彼の名が口から零れた。
あられも無い姿で鎖に拘束されている莉人を見たアシュレイは静かに剣を抜き、ルーベルトに向けた。その瞳は酷く冷ややかに彼を見据えている。
「貴様····今すぐリヒトに触れたその手を切り落とし、リヒトに語りかけたその口が二度と開かぬよう胴から切り離してやろう」
アシュレイの言葉と迫力に、すっかり腰を抜かしたルーベルトは床にへたり込んだまま動けずにいた。
「ちょ···隊長!!曲がりなりにも公爵家なんだから、手にかけるのはマズイですって!隊長!!」
部屋へ入ってきたルークは、今にも斬りかかろうとしているアシュレイとルーベルトの間に慌てて割って入った。
「捕らえる際に腕の一本や二本、無くなる事ぐらい珍しくないだろ」
「た、隊長!なに怖い事さらっと言ってんですか!!こいつは俺が捕縛しますから、隊長は早くリヒトの所へ行ってあげて下さいよ!」
釈然としないが、ルークにそう言われ剣を収めると莉人の元へと急ぐ。
繋がれた鎖を外し、拘束具を外すとアシュレイは自分の隊服を脱ぎ莉人に羽織らせた。
「遅くなってすまない····大丈夫か?リヒト」
莉人は頷き、アシュレイの胸元に顔を埋めた。
腕も······動かせない······
莉人は瞳を開けた。見慣れない絢爛豪華な造りの部屋の真ん中に置かれた広めのベッドの上に莉人はいた。だが、両手首に革ベルトの拘束具を着けられ、拘束具と繋がる鎖は天井から吊り下げられている。お陰で、莉人は両手を頭の上高く挙げさせられ、ベッドの上で膝立ちする格好となっていた。着ていた隊服も脱がされ、ボタンを全て外されたシャツを羽織っているだけの姿にされている。
「お目覚めかな?」
まだぼんやりとした頭のまま、声のした方へ顔を向けた。
そこには身なりの良い中年の紳士が立っている。
「·········誰だ?」
「私はルーベルト・ヴァルストーレン。君の主となる名前だ、覚えておきなさい」
「あ···主?何を言って······」
ルーベルトは莉人にゆっくりと近づく。
うっとりとした表情で莉人の上から下までじっくりと眺めた。
その異様とも言える視線に、莉人は後ずさりをしようとした。だが、拘束されている鎖がそれを阻む。
「くっ····外せよ!テメェ!!」
怒鳴りつけた瞬間、頬に痛みがはしる。
一瞬、何が起こったのか分からなかったが、じんじんとした熱い頬の痛みに、ルーベルトに掌で思い切り叩かれた為だと知る。
「口の利き方に気をつけろ····私が君の主だと言った筈だが?」
ルーベルトの右手が伸び、後ろ髪を掴まれたかと思うと、思い切り下へと引っ張られた。
「っ ────!!」
上を向かせられた苦痛に、声にならない叫びをあげる。呼吸がしづらく、喘ぐように息を吸う莉人の唇をルーベルトは満足気に見つめた。
「躾けが必要のようだ。痛みや苦痛さえも快楽に感じるよう調教してやろう·····」
そう言いながら、ルーベルトは莉人の首筋に舌を這わせた。
ねっとりと肌を這う感覚に莉人は嫌悪感をお覚える。今までだって舌を這わせ舐められる事はあった筈だ。
これくらい平気だったのに····今はアシュレイの顔が思い浮かび、心も躰も拒絶していた。
「嫌····だ·······やめっ·······」
目尻に涙を滲ませる。
「その嫌がる表情、欲情をそそられる····ああ、ますます屈従させたくなるよ」
恍惚とした表情をルーベルトは浮べ、空いている方の手をシャツと肌の間に滑り込ませ、肌の感触を味わいながら撫で回す。
「···········っう········」
ルーベルトの触れる手や声さえも不快に感じ、悪心がする。
何時までこの苦痛に耐えなければならないのだろうか····そう思っていた時だった。扉の向こうから怒号や物が壊れる音に混じって悲鳴も聞こえてきた。
「何事だ!」
常軌を逸した騒ぎに、ルーベルトは確認しようと莉人から離れ扉へと向かう。
──── ダンッ!!!!
ドアが震える程の音がし、ルーベルトは動きを止めた。
「リヒト!!」
アシュレイの叫ぶ声と共に今度は部屋のドアが蹴り破られた。髪を乱し、必死の表情のアシュレイが部屋へ駆け込んでくる。
「アシュレイ····」
安堵から自然と彼の名が口から零れた。
あられも無い姿で鎖に拘束されている莉人を見たアシュレイは静かに剣を抜き、ルーベルトに向けた。その瞳は酷く冷ややかに彼を見据えている。
「貴様····今すぐリヒトに触れたその手を切り落とし、リヒトに語りかけたその口が二度と開かぬよう胴から切り離してやろう」
アシュレイの言葉と迫力に、すっかり腰を抜かしたルーベルトは床にへたり込んだまま動けずにいた。
「ちょ···隊長!!曲がりなりにも公爵家なんだから、手にかけるのはマズイですって!隊長!!」
部屋へ入ってきたルークは、今にも斬りかかろうとしているアシュレイとルーベルトの間に慌てて割って入った。
「捕らえる際に腕の一本や二本、無くなる事ぐらい珍しくないだろ」
「た、隊長!なに怖い事さらっと言ってんですか!!こいつは俺が捕縛しますから、隊長は早くリヒトの所へ行ってあげて下さいよ!」
釈然としないが、ルークにそう言われ剣を収めると莉人の元へと急ぐ。
繋がれた鎖を外し、拘束具を外すとアシュレイは自分の隊服を脱ぎ莉人に羽織らせた。
「遅くなってすまない····大丈夫か?リヒト」
莉人は頷き、アシュレイの胸元に顔を埋めた。
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