騎士隊長と黒髪の青年

朔弥

文字の大きさ
15 / 54
後日談

謹慎明け編1

「··········」
 莉人は自分の部屋の前に立ち、ドアノブを凝視していた。
 アシュレイの謹慎が今日で解ける。あの日、莉人がアシュレイにお預けを食らわせて以来、彼が莉人の前に現われる事はなく、大人しく自室で謹慎処分を受けているようだった。大人しくしている事が逆に怖い。

 ·····絶対、お預け食らった事怒ってるだろ

 怖い程の笑みを浮かべ、『おやすみ』と言いながら部屋を出ていったアシュレイを思い出すだけで、莉人は背筋が凍るようだった。
「部屋に居ませんように!」
 祈るようにドアをそっと開け、部屋の中を覗いた。誰も居ない事を確認すると、ホッと胸を撫で下ろす。
 部屋の鍵をかけてしまえば今日もゆっくりと眠れそうだと、部屋へ入ろうとした莉人の肩に手がかけられた。
「リヒト、誰の確認だ?」
「っ!!」
 恐る恐る振り向くと、満面の笑みを浮べたアシュレイが立っていた。
「······何で俺が部屋に戻る時間が分かるんだよ。監視でもしてるのか?」
「ドアに触れた事が分かる感知魔法がかけてある。また拐われないとも限らないからな」
「·········」

 もっともらしい事を並べているが、絶対に俺が部屋に戻ったのを知る為だろ····

 莉人は呆れた表情でアシュレイを見る。そんな莉人の視線を知ってか知らずかアシュレイは部屋の中へと入り、ベッドへ腰掛けた。
「どうした?入ってこないのか?」
 促され、莉人は部屋のドアを閉める。
「上を脱いだらどうだ?今度は手伝わずに見ていてやろう···」
「·····根に持ってんだろ····」
「まさか」
 唇の端を上げて笑うが、瞳は扇情的せんじょうてきな視線を向けている。その視線に、隊服を脱ごうとした手の動きが鈍る。
 視線だけで愛撫されているようで、莉人は躰の中にむず痒い熱が生まれるのを感じていた。
 ゆっくりと隊服を肩から滑り落とすと、ポールハンガーにかけ、莉人はアシュレイに近づく。
「どうしたい?リヒト。前回はお預けを食らったからな···お前の好きにさせてやる」


 やっぱ根に持ってんじゃねぇか····

感想 0

あなたにおすすめの小説

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。