騎士隊長と黒髪の青年

朔弥

文字の大きさ
20 / 54
眠れない夜

4 ※

「や···だ·····んっう·····」
 拒絶と淫らな吐息の入り混じった声が莉人の口から洩れる。
 アシュレイに手を重ねられた状態で自分の半身に指を絡め、快楽を求めるように動かされる様は卑猥で、莉人の羞恥心を煽った。こんなのは嫌だ···と思いながらも淫らな姿に欲情がそそられるのも否めず、手を動かし続ける。
「はぁ····ぁ·····やっ·····んんっ」
 絶頂を迎えそうになるのに吐き出す事が出来ず、莉人はその度に脚を引き攣らせ、シーツの上で躰をしならせた。
「······あぁ·····はっ··あ······」
 先ほどシャワーで鎮めた筈の躰の奥に眠る熱が目覚め、もどかしく腰が揺れる。


 前だけでは物足りない

 中に欲しい ───

 と彼の愛撫を思い出しながら躰を慰めるのは···

 ───── もう充分だ


 莉人は空いていた片方の手でアシュレイの手に触れ動きを制すると、自身に触れていた手をスルリとアシュレイの手から抜け出させる。そして、彼の首の後ろに手を回し、引き寄せ口づけた。
 深く舌を忍ばせ、淫らな音を立てながら何度も口づけを繰り返す。
「リヒト·····」
 唇を離し、アシュレイは愛おしく名を口にした。
 上気した莉人の顔は妖艶さが漂い、濡れた唇が誘うように開かれる。
「これ以上·····焦らすな·····」


 指で後ろを解した後、アシュレイは熱いたかぶりを押し当て莉人の中へと埋めていった。少し急いていた所為で解し方が甘く、入口はきつくアシュレイを締めつけてくる。
 奥まで飲み込ませると、アシュレイは荒々しく呼吸をしている莉人の頬を優しく撫でた。
「リヒト···大丈夫か?」
 荒々しく息を吐き、小さく頷く。
「いいから····」
 もっとお前を感じさせろと、濡れた瞳で訴える。
 アシュレイは緩やかに腰を動かした。
「は、あっ·····ぁ·····」
 甘い喘ぎ声が吐息に混ざり、せがむように腰を揺らし始めると、アシュレイは会えなかった分を埋めるかのように激しく責め立てた。
「ああっ····ゃ·····あっ····んぅ·····」
 待ち焦がれた刺激に莉人は、喉を仰け反らせて乱れる。しどけなくシーツの上で黒髪が揺れる姿にアシュレイはゾクリと欲情が駆け抜けるのを感じた。
「リヒト····」

 ───── 愛してる

 耳元で囁やき、更に深く腰を突き入れ、欲情を掻き乱す。
「や····ぁああっ····」
 悶え揺らぐ腰を押さえ、アシュレイは莉人の中に愛液を注ぎ混んだ。流れ込んでくる生暖かいものを感じながら、莉人はアシュレイに向かって手を伸ばし抱き締める。

 
 ──── 眠れない夜は

 もう 終わりに ────




 ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ 




「······昨日、遅く帰ってきた貴方が普通に執務室に顔を出してリヒトが来れないってどうことでしょうね」
 グレースは極上の笑みを浮かべアシュレイに問いかけた。だが、その笑みの奥には怒りのオーラが見える。
「なぜだろうな···」
 視線を合わせず答えるアシュレイの前に書類の山をドサッと置き、
「今日、リヒトにお願いする筈の書類です。ただでさえ第一部うち隊は人手不足で書類が滞ってるんですよ?責任取ってもらいますからね。コレが終わるまで帰れるとは思わないで下さい」
「っ·····」
 昨日のは不可抗力だと言い返したい言葉を飲み込み、グレースの圧力に負けたアシュレイは書類に手を伸ばす。
 書類の山を見ると深く息を吐き、もう少し自重しよう···と思うアシュレイだった。


感想 0

あなたにおすすめの小説

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。