騎士隊長と黒髪の青年

朔弥

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背徳の香り (拘束・目隠し)

 なかなか眠れずベッドの中で何度目かの寝返りをうった莉人は、喉の渇きを感じ起き上がった。
 先程のアシュレイとのやり取りが胸のつかえとして残り寝つけない。

 そんなに守られないといけない存在なのか?

 莉人は机の上に置かれた水差しを手にしたが、中身が空だと気づく。いつもはアシュレイが用意してくれていたが、今日はまだ仕事が残っているのだから何時までも一緒にいなくていいと、さっさと部屋から追い出してしまった為、空なのだろう。
 空の水差しを見つめながら、さて飲水はどうやって補充したらいいのだろうか···と莉人は考え込んだ。
 アシュレイは確か·····ああ、魔法で出していたな、と思い出す。

 ·······便利だな

 当然、莉人に魔法は使えない。食堂にでも行けば飲水でもあるか、と水差しを持ちドアへと向かった。
 ドアに手をかけた所で、莉人はアシュレイに独りで行動するなと言われていた事を思い出し、動きを止めた。
 水を汲みに食堂へ行くだけだろ?それでも独りで行くなって言うのか?
 そもそもアシュレイはまだ仕事があるからと自分を部屋へ送り届けた後、再び執務室へと戻った筈だ。水が欲しいと執務室へ行くのか?その間も独りなのに?


 ·········馬鹿らしい


 様々な考えが思い浮かんだ結果の答えがコレだ。莉人はドアを開けると独りで食堂へと向かった。



 ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇ ❇



 執務室で報告書に目を通していたアシュレイはピクッと指が反応し、書類から目を離した。
「どうしました?」
 同じく書類の整理をしていたグレースがアシュレイに声をかける。
「···部屋を出たようだ」
 誰が···と聞かずとも莉人の事だと察したグレースは立ち上がりアシュレイに近づくと、彼の手から報告書を抜き取った。
「感知魔法ですか···。夜も遅いですし、部屋から出ている隊員があまりいるとは思えませんが···行ってきたらどうですか?先程、貴方から聞いた二人の隊員の事も少し気になりますから···」
「ああ、そうする」
 アシュレイは立ち上がるとドアへと向かった。


 あれほど独りで行動するなと言ったのに

 どうして大人しくしてないんだ ────


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