騎士隊長と黒髪の青年

朔弥

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すれ違い (拘束)

3 ※

 莉人の陰茎に絡みついた指は淫らに動き、こすり上げながら快楽を煽っていった。
「んんっ······」
 莉人は首を振って嫌だと伝える。口を開けば、我慢していた喘ぎ声が止まらなく溢れてしまいそうだった。
「ふっ··うっ···ん、んぅっ···つっ···」
 声を押し殺しながら、沸き起こる快楽の波をやり過ごしていた莉人の耳に執務室のドアがノックされる音が聞こえた。
「ああ、そういえばグレースが報告書を置きに来ると言っていたな、また直ぐに出て行くとは思うが、音を立てると覗かれるかもな···」
 アシュレイは耳元で小声で囁くと、膝を折って床に片膝をつき、目の前で透明な液を滲ませ始めていた陰茎を口に含んだ。
「─── っ!!」
 息を飲み、口腔内に取り込まれる快楽に打ち震える。声をあげなかったのは我ながら褒めてやりたい。
 潤んだ瞳でアシュレイを睨めつければ、彼は口に含んだまま意地悪な笑みを浮べた。
 カツ カツ ─···と執務室を歩く足音が聞こえる度に、ヒヤリと汗が伝うのを感じた。それと同時に自分のシャツで腕を縛られ半身を露わにした状態でアシュレイに咥えられている自身の姿が背徳めいて感じられ、羞恥が欲情を刺激する。
 咥えられているだけで刺激を与えられていないのに、莉人の陰茎はビクンと脈打った。
「っ······」
 淫らな自分にいたたまれず、莉人は顔を横にらしうつむく。声が洩れないように口を閉ざし、早くグレースが部屋から出て行くのを祈った。


 やがて、足音はドアの開く音と共にしなくなった。
 ホッと莉人が気を緩めるのと同時に、アシュレイは舌を絡ませ口腔全体を使って丁寧にしごいていく。
「やっ···ああぁっ···は··ぁ···んうっ···あっ···」
 我慢していた快楽が一度に押し寄せ、莉人は躰を震わせながら喘ぎ声が溢れ出すのを止める事は出来なかった。
 一度口を突いて出てしまった喘ぎ声は、絶え間なく零れていく。
 込み上げてくる快楽に絶頂を迎えた莉人は、アシュレイの口腔内にビクビクと震えながら精を放った。
 はぁ···はぁ····
 疲労感に肩で息をきながら、莉人が放ったものをコクッと飲み込む姿に憤りの視線を向ける。
 アシュレイは立ち上がると、莉人のズボンを直し後ろのいましめを解いた。
「ふざ··けんなよ···」
 莉人はアシュレイの胸ぐらに掴みかかった。
「何考えてやがんだ!!」
 服を掴む手に力を込め怒鳴る莉人の手にアシュレイはそっと触れた。
「···そうだな。俺もリヒトがどう想っているか分からない···」
「······っ」
 アシュレイの言葉が突き刺さる。

 そんなの···
 態度で分かるだろ···
 
 莉人はふいっとアシュレイから視線をらした。
 それがアシュレイにとって決定的な拒絶として伝わるとは····


 ──── 思いもしなかった


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