夏の思い出と僕(3部)

市川 雄一郎

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第一章・懐かしき25年前

登場人物まとめ

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●登場人物紹介

【主人公と仲間】

石川竜太(いしかわ・りゅうた)

松原市の『中部河内新聞』松原店に勤務する29歳の業務主任でぽっちゃりな体型の男性。4歳の頃の竜太と区別するため『現代の竜太』もしくは『現在の竜太』と表現する。性格は意外と短気できつい発言もする。
一人称は「僕」。
ある日、客の家に新聞を届けに行った際にある子供達が近鉄南大阪線の恵我ノ荘駅のホームに居たのを見てその子供達を追いかけてあべの橋方面へと向かう。
そしてJR阪和線の天王寺駅で自称旅人の川津真佐人と出会い、彼の計らいで和歌山県古座川町を訪問する。その時に現在の2017年ではなく1992年にタイムスリップしていたことを知った。
そして子供達がキャンプファイヤーを楽しんでいるときに4歳の頃の自分の姿を見たのである。
弟の竜治とは確執があり、過去の竜治と対面した時には憎しみからか視線が厳しかった。
最終日3日目の朝に過去の竜太と共に早朝の校庭をジョギングした。その後林間キャンプを終えて恵我ノ荘駅でマサトと雑談していると駅構内で新山に起こされて目を覚ました。しかし林間キャンプ中に手に入れたバッグや新聞などの荷物や右腕の蚊に噛まれた痕などは手元にあった。

〈出自〉

竜太は児童養護施設『鷲ノ森学園』で3年程過ごしていたのであった。学園にいた時に幼稚園に通っている。後に施設を出て枝村家に養子入りしていたという。名字が『石川』に戻っているので養子縁組を解消したと見られる。


★石川竜太(いしかわ・りゅうた/4歳の頃)

児童養護施設『鷲ノ森学園』の児童の一人で人懐っこい印象を受ける。現在の竜太と区別するために『4歳の頃の竜太』か『過去の竜太』と表現する。現代の竜太はナレーションでは『過去の僕』と呼んでいる。
一人称は「僕」。
現代の竜太との出会いは林間キャンプ2日目に学校のトイレであり、初対面にも関わらず現代の竜太が自分だと気付いていただけでなく何となくだが竜太が未来から来た自分だと気付いていた様子。3日目の朝に現代の竜太と共に早朝の校庭をジョギングした。


川津真佐人(かわづ・まさと)

詳細不明ながら自称旅人で愛称は『マサト』。なぜか竜太のことを詳しく知っている。さらに竜太の生まれた日の中部河内新聞の夕刊も所持している。遊びにもムキになる一面があり、鬼ごっこをしていた子供が怖がっていた。また少し人をおちょくる傾向があるが根は優しい。
一人称は「僕」。
天王寺駅で竜太と出会い、彼の分の特急券を既に購入していた。そして竜太を導いて古座川町へと向かう。
鷲ノ森学園職員の上川と対面した際に『ジャーナリスト兼作家』と名乗った。実はタブレットを所持しており、何故か起動できている(竜太のスマートフォンは起動できない)。しかもそのタブレットで学校内の肝試しや2日目の昼飯の様子を観ていたがどうやって学校内を撮影したのか不明。最終日に恵我ノ荘駅まで竜太と同伴していたがいつの間にか現代の松原市内のコンビニの駐車場にいたのである。この時彼がタイムトラベラーであることが判明するがどうやってタイムスリップしたのかは不明。


シェリル・スぺーサー

マサトの知人らしき女性で外国人かどうかは現時点で不明。発言は竜太やマサトに比べて少ないが段取りの一部を考えるなど頭の回転が良い。子供とかけっこをするなど運動好きな一面がある。
一人称は「私」。
JR紀勢本線の古座駅で竜太・マサトと出会い、二人を目的地へと車で送迎する。ただしマサトとは知り合いの可能性を示唆しているが詳細は不明。林間キャンプ2日目に子供達とかけっこしていたが万知子が転倒した時には子供を泣かせてしまったと自分を責めてしまったのか落ち込んでしまった。
最終日は竜太とマサトをJR古座駅まで送迎して無事に役目を終えて二人と別れた。


【鷲ノ森学園の職員】

上川雄郎(かみかわ・たけろう)

川沿いにいた竜太達の様子を見ていた『鷲ノ森学園』の男性職員で子供達と共に小川小学校で林間キャンプをしている。
一人称は「俺」(但し人前では『僕』とも言っている)。
竜太達を不審人物と思い込み、小学校に来られたら困るような反応をしていたが竜太達が不審者でないと分かると一転して子供達の世話の協力を要請する。
最後は竜太の店に訪れて施設仲間と奈良で集まるのを伝える。


菊池真弥(きくち・まや)

上川の同僚である鷲ノ森学園職員の女性でしっかりした人物。調理の担当を任せられるなど料理の腕前も良いと思われる。
一人称は「私」。
キャンプ初日に不審者だと勘違いしていた上川が竜太達の様子を覗くために学校から離れた場所にいたのを呼び戻しに来た。
2日目では調理を担当しているがシェリルと遊んでいた万知子が転倒したために彼女の足を撫でて泣き止ませた。


【鷲ノ森学園の児童】

朝酌翔太(あさくみ・しょうた)

鷲ノ森学園の子供で小学3年生。林間キャンプ2日目の早朝に学校の校庭でジョギングしていた竜太に声を描けてきた。
一人称は「俺」。
初日には肝試しで怖がっていた子であるが本性は口は少し生意気だが明るい性格。現代の竜太が倒れていたと聞き付けて彼の元にやって来る。
現代では松原市のコンビニで働いているとみられる。


【その他の児童】

朝倉康一(あさくら・こういち)

鷲ノ森学園の児童で妹の知子と一緒に行動している男の子。
一人称は「俺」。
林間キャンプの際に現代の竜太に近付いてきた。現在は松原市内で働く朝酌の発言から恵我ノ荘駅に勤務している『朝倉』姓の駅員が彼と思われる。


朝倉知子(あさくら・ともこ)

鷲ノ森学園の児童で康一の妹。どちらかと言えば大人しいタイプか。
一人称は「私」。
現在は松原市内で『朝酌』姓の店員とのやりとりから『白樫』姓の店員が彼女と見られる。結婚していると見られるが詳細は不明。


大谷長幸(おおたに・おさゆき)

万知子(まちこ)


石川竜治(いしかわ・りゅうじ)

竜太の弟で鷲ノ森学園に預けられている3歳の男の子。
一人称は3歳の時は「僕」で大人の時は「俺」。
未来から来た竜太に何か感じることがあったのか自ら声を掛けにいく反面、大人時代には竜太を家から閉め出したり、家を借りるのに名前を貸してくれなかったという理由で縁切りをするなど兄弟仲が悪くなっている。


【その他】

ある男性

川沿いでテントを張っていた竜太達に台風接近の情報を教えてくれた男性。遠くから声をかけていたためモーニング姿であること以外は詳細不明。現代の松原市内のコンビニの駐車場にも居ており、意味深な発言をしていた。


新山鷹春(にいやま・たかはる)

竜太の同僚で親友。眼鏡と帽子がトレードマークのふくよかな男性。
一人称は「俺」。
本編の6年前(2011年)に竜太や当時一緒に勤務していた三輪と仕事の事で不満を言い合っていた。現在は入口と三人で仲良くしている。恵我ノ荘駅のホームで寝ていた竜太を起こしに来た。


入口敏秋(いりぐち・としあき)

竜太の同僚で明るい性格の男性。竜太や新山と同じ業務をしている。
一人称は「俺」。
冒頭では3人で会話していたときに竜太や新山と雑談で盛り上がっていた。竜太が恵我ノ荘駅のベンチで目を覚ましたときに電話で心配ないことを伝えた。

三輪光(みわ・みつる)

西村洋明(にしむら・ひろあき)

梅上善和(うめがみ・よしかず)



【作者紹介】

●市川雄一郎(いちかわ・ゆういちろう)

1987年11月9日生まれの大阪府出身。本名は「市川雄太」である。
府立農芸高等学校定時制卒業後の2008年10月9日から松原市内の産経新聞専売所に勤務し、現在は業務主任である。その傍らで『千雄履』や『市川雄一郎』名義で無名ながらも作家活動をしている。今回の短編は自身の体験を基にした作品。
主な代表作に『聞いて下さい僕の人生(デザインエッグ社、市川雄太名義)』や『ヒナの国造り(アルファポリス、連載中)』などがある。
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