ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第3章・若さを保つ食材

いざ、頂へ③

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再び木が生い茂る登山道に戻ったヒナはある物を発見した。

「ん?これは何かな?」

彼女が見つけたのは小さな祠であった。この祠には何も祀ってはいなかったが何か紙が何十枚も置かれていた。

「どれどれ……『この山に登って命の危険を感じた。だがこの山には私が求めているものがある!必ず登頂してみせる!』。他の紙も同じようなことが書いているからここにこの山に登る決意のメモを残しているのかな。でもなぜ何も祀ってないのかな……?」

ヒナはこの祠に不思議な気持ちを抱いたものの今は立ち止まるべき時ではないと祠を後にした。

山の中を進んでいくと池が現れた。池にはフェンスが張られていて立ち入りは出来ないが、池の中に何かがあるのをヒナは発見した。

「!?あの池の中に何かある……」

池の中に何かがあるのを発見したとはいえフェンスが張られていて立ち入りができないのである。仕方なく諦めようとしたが小刀を使えば切れるだろうと思って切ったのであった。

「切れ……ない!?」

なんとフェンスが切れないのだ!!どうやら特殊なフェンスのようである。しかし諦める訳にもいかず何とかしようと考えたがアイデアは思い付かず移動することにしたのである。

「しかし池の中に街がなぜあるのか疑問だわ……」

池の中に水中都市があるのをヒナは見つけたようであった。しかしそれが本当に水中都市かは分からず、結局は確認できずに終わってしまったのであった。

池を後にして進んでいくと登山口と山頂の中間地点に到着した。すると看板が立っているので読んでみたのである。

「『ここから先は地面から火が噴く危険地点あり。注意せよ』。」

どうやら山道の一部から火を噴くとされる場所があるらしく、足元の危険とはそういうことかとヒナは納得した。ただ、火傷を負えばこの山の中では救助が来れそうにもなく危険なので気を付けなければいけないという危機感が強くなったヒナであった。

しかし火はどこから出てくるのか分からないのは当然であった。するとヒナはあることを思い出したのである。

「サングラスつけるの忘れてたわ……!これをつけてたらイチジクに食べられることなかったのにな~」

苦笑いしながらサングラスをかけたヒナの視界には地面に赤くそまっている部分があった。ヒナはなんだろうと思い、赤く染まる部分に石を投げてみた。すると……

“ドドォーーッ!!”

なんと地面から火柱が出てきたのである。しかし不思議なことに山の中の木や草には火は燃え広がらないのであった。ただリアルに熱かったので本物の火には間違いないようだ。しかも火というよりどちらか言えばマグマのような気もしたのである。

「とにかく赤い部分を避けないといけないということね。」

それが分かれば安全……だと認識していたのだがとんでもない落とし穴があったのだ!ヒナが歩いていると足元に大きな石があったのに気付かずにつまずいて転倒してしまったので少し苛立ったヒナはその石を林の向こうに投げ捨てたのであった。

石は変な形のキャベツの上を通過しようとしたらキャベツがパクッ!と石を飲み込んでしまったのである。ヒナは驚いた……このサングラスには食人植物の情報が表示されていなかったのである。

「めちゃくちゃヤバいわ……サングラスでわからないとなれば食べられる危険性は避けられないのね……」

彼女の表情が険しくなり、身体が震え始めたのである。特定の危険を拭えていない状態は今も続いているのだ!
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