ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第3章・若さを保つ食材

村への帰還と食材の正体①

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ヒナは帰り道を探すことにしたのである。しかし帰り道となると危険な山道を再び歩かねばならないのかという心配があった。すると歩いていくと『出口』という看板を見つけた。

「え、何これ!?」

彼女が見た出口の正体はなんとエレベーターであった。しかもエレベーターといっても太い木の板に紐をつけたような感じの簡素なものではなく地上から地下街へと行くタイプの場違いの窓無しエレベーターであった。

「ここは中心街じゃないのになんでこんなのがあるの!?」

さすがにヒナも苦笑いしたのである。しかし罠という情報がサングラスに表示されないので信じてそれで帰ることにしたのである。彼女がエレベーターに乗ると山頂の扉は閉まった。

下の階(?)のエレベーターの扉が開くとヒナが現れた。ヒナの視界にはビルの中の連絡道みたいな光景が映る。

「ここはビルの中なの?」

すると少し先にエレベーターがあるのでそこを目指して歩くと怪しい顔を隠した黒ずくめの二人組に捉えられてしまったのである。抵抗しても力が強く、逃げられない!!

「離してっ!!」

ヒナが抵抗している最中に別の黒ずくめの人物が大きな箱を台車に乗せてエレベーターから現れたのである。


数時間後の直露の民宿前。直露が民宿の食事の買い出しに出掛けようと外に出た時、入口前に『至急開けるように!』の紙が貼られた大きな箱を発見した。

とりあえず開けることにした直露だったが箱には2つ鍵がついていて一つ目が鍵穴に合わないのでもう一つの鍵を合わせたら箱が開いたのである。

すると箱の中に大きな厚めの袋が入っていて南京錠つきの紐で密封されていたのである。

「なんやこれ。何かの注文した品物か?」

そう思った直露だったが中の品物が動いているので驚いた直露は南京錠を最初の鍵で開けたのである。すると中からヒナが登場したのである!

「直露くん、ただいま!!」

ヒナは疲れた感じの笑顔であった。直露は完全に固まり、目が点になっていた。

「ヒナちゃん……どういうことなの……これ?」

「よく分からないの。下山しようとしたら通路でよく分からない人達に捕らえられてしまって……」

「…………意味が分からん……」

「直露くん!!でもこれ、手に入れたんだよ!!」

「こ……これは……?」

「頂上の野菜の種だよ!!浦なんとかっていうおじさんがくれたの!!」

少し固まりが取れて目が普通に戻った直露は種をヒナから受け取ったのである。

「これが若さを保つ食材の種なのか……」

「うん!これを大きな畑に植えたら良いんだって言ってたよ!!」

「(ヒナちゃん疲れてるのかしゃべり方が子供っぽくなってるわ……)」

しかし直露はヒナが帰還した上に食材の手がかりが手に入って嬉しいと思うと同時に箱にヒナが入っていた衝撃と急変(?)したヒナへの戸惑いがこんがらがってしまい複雑な感情であった。

「とにかく地元の学者さんにこの種を明日見せに行こうか?」

「うん!どんな食材が分かるかもしれないね!!」

「(あぁ……違和感が……)」

「直露くん?どうしたの?」

「いや、何でもないよ……ごめんね、心配させて。もう夜七時だからお客様と一緒に食事をしよう!!」

「うん!!食事、食事!!」

そして二人は食堂へ向かい、晩飯を食べることになるのだがここでも一悶着が起きるのであった。
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