ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第4章・ドーリンの洞窟と若さの効用のルーツ

古代都市復活計画②

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しかし、本当に古代都市を復活させることが出来るかは当然未知数である。ただ鷹酉弟の自信の強さから本当に出来る可能性は秘めているかもしれない。

ヒナは古代都市復活計画に対してある危機感を抱いていたのである。

「もし池の中の古代都市を復活させてしまえばここの山も破壊されてしまうのでは……そうならないことを願うしかないわ……」

もし池から古代都市が這い上がれば山の一部は破壊される危険性がある。実際自然のなかで育ったヒナにとって自然破壊ほど忌まわしいものはない。

「一度鷹酉さんと話がしたいわ……」

ヒナがそう言うと直摩は運転しながら厳しい現実を伝えた。

「鷹酉さんと話しても自然破壊が避けられる訳じゃない。とにかく都市の復活を阻止しなければ防ぎようがないからな……」

ヒナは頷くしかなかった。またあの山を登るつもりだからこそその山の自然を破壊されたくない……その気持ちは届くのだろうか……すると直摩はある発言をしたのである。

「来週、選挙があるよ。ドーリン地区のね……」

「選挙?」

「古代都市を復活させるためにはドーリン地区の『都市開発法』という新しい土地作りの開発に必要な法案が採決されるかどうかが今はドーリン議会で焦点となっているよ。」

「その選挙で……?」

「ああ、法案反対派が議席の半分を越えれば間違いなく古代都市を復活させるのを阻止できるな。ただ、選挙活動は色々な場所に訪れないといけないだけでなく対立候補が何してくるかわからないから常に武器や防具は必要だよ。」

「でも私はいつか町を出るから議員には……」

「違うよ。僕の兄が出るから兄の支援と兄が襲われそうになったときのサポートを頼むよ。色々な場所に行くから冒険がてらに活動できるし、結構スリリングだよ……!!」

「(私の世界の選挙活動と全然違うわ……)」

「勿論兄も何かあれば戦う準備をすると思うからその時は後援サポート頼むよ!!健闘をいのるよ!!」

「…………(大丈夫かな……?)」

話を聞くとかなり危険な選挙には間違いはないが、とりあえず冒険も出来るのと古代都市復活阻止のためにとヒナは支援を承諾した。

「さて、戦うわ!!絶対古代都市は復活させないわ!!!必ず直露くんに勝たせてあげるんだから!!!」

ヒナは強気の姿勢に変わった。また久々に胸が熱くなってきたので頑張っていこうと思ったのであった。しかし週明けまで2日間の間があるのでまずは新しい地域へ行くように考えるヒナであった。

翌朝、ヒナは起きてすぐにドーリンの町を越えて道をジョギングで駆けているととある山道に入っていったのである。

「あら、こんな山道知らないわ。」

なんと彼女の知らない道であり、しかも人気がないことから何らかの出来事の前触れかと思ったのである。そしていよいよヒナの新しい冒険がはじまるのだ!!
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