ヒナの国造り

第５章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

地獄の懸垂ダービー①

知らない山道にやって来たヒナは少しウロウロしていると小屋を見つけたのであった。小屋に入ろうとしたら電話がかかってきたのだ。相手は直露からだ。

「ヒナちゃん、資鑼村さんがあと一週間前後だけ結果を待ってほしいとさ。」

「わかった。一週間後が楽しみだわ。」

電話を切るとヒナは小屋に入り、そこで受付の男性に声をかけた。

「ここは何の受付ですか？」

「ちょっとしたアトラクションの受付だよ。君も参加するかい？」

「はい！」

「本当に“参加”するんだね？“命をかけて”でも参加するんだね？するならどーぞ！」

「いや……命がかかるなら……」

「ほら、もう書いちゃってるよ！！参加決定だね！！ちょっとバイト君彼女を連れていってあげてね！！」

「合点承知しました！！」

受付がバイトを呼ぶと二人のバイトらしき筋肉ムキムキマッチョの男性二人がヒナの身体を担いで小屋の奥の扉の中へ連れていってしまったのである。

「やめて！まだ心の準備が……！！」

二人は容赦なく彼女をどこかへ連れ去ってしまったのである。

昼の民宿ではヒナが帰ってこないことに少なからず疑問の声が出始めていたのである。

「いや、ヒナちゃん帰ってこないわね……」

「ほんとだな……兄貴は行方知ってるか？」

「知らんよ。どこへ行ったかも分からないですよ。」

「もしかしてヒナさんも連れ去られたのではないでしょうか。最近、ドーリン方面で相次いで若い男女が行方不明になっていますからね。」

「かみさん、どう言うこと？」

「最近、噂で聞いたのですがこの地域やドーリン地域を始めとする地域で突然若い男女が消えている事件が相次いでいるようです。」

「まじか……そういえば最近そんな事件増えたような……もしかしたらヒナも連れ去られたとか……いや、あの子は自分からヒョイヒョイ行ったような気がしてならんわ……」

心配しているのかと思うと突然呆れた顔つきになり、自分から行ったのではと言いはじめた直露ではあるが心のなかでは心配しているようだ。そして直露はテレビをつけたのだが……

「ニュースをお伝えします。ここ２ヶ月ほど前から男女が相次いで行方不明になっている事件で……」

するとテレビが急に砂嵐となった。おいおい、ニュースを見れないじゃないかと直露が苛立ち始めるとテレビはちゃんと映るようになった。だが映ったのは報道局ではなくある洞窟の中であった。

「なんだ、この洞窟は？」

直露は首をかしげた。一体これは何なのかと思っていたのである。

その頃、あの小屋では怪しい人間達が集まっていた。何かが始まるのだろうかという雰囲気であった。

「そろそろはじめましょか！」

受付の男性はニヤニヤしながらある合図を出したのであった。