ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

決起の朝①

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翌朝、ヒナが起きたのは皆が既に起きていた午前8時半過ぎであった。昨日の疲労が長引いていたからである。そして外に出ると直露の家族と宿泊客に加え、地元の人が数十人は集まっており焼肉か何かで盛り上がっていた。

「おはようございます。今日は選挙の開始では……?決起集会はやらないの?」

「決起集会?」

「あ、ごめんなさい。私の世界では選挙の期間の最初の日は出馬する方が支援者に挨拶するのが決起集会なの……」

「ヒナちゃん、うちは毎回こんな感じ。他の候補者もこれに近いと思うよ。」

「(私の世界なら間違いなく公職選挙法に違反するんですけど……)」

直露はこの世界の現状をいまだに理解できていない(当然だが……)ヒナに説明をしたのである。

「ヒナちゃん、ここの選挙はやりたい放題だよ。相手候補者に戦いを挑んだり妨害したりなんでもOKさ。物を配って相手支援者を買収しようとも出来るさ。まあ大体の支援者は折れないけどね。ただし相手に選挙活動できなくなるくらいの重症を追わせたら失格および逮捕だよ。」

「すごい世界ね……私の世界ではあり得ないわ。」

「だからヒナちゃんもいつもの装備をして望んでね。下手をしたら怪我をする可能性も高いから。ただ、こちらからは攻撃や妨害などは一切仕掛けないからね。」

「仕掛けたら何されるか分からないわ(笑)」

今までにみたことない選挙活動。施設にいたときに議員の事務所に見学に行った際にある程度の知識は集めてきたが異世界ではその常識が通用しないのだ……!するとヒナ達の元にある男性が訪れた。ヒナは警戒して小刀を取り出そうとしたのであった。

「直露くん、おはよう。盛り上がっているね。」

「義喜野(ぎきの)さん、おはようございます!義喜野さんの方はやる気満タンですか?」

「他の候補者!?私の小刀はよく切れるわよ!!」

「ヒナちゃん!?この人は対立候補じゃないよ!!義喜野久孝(ぎきの・きゅうこう)さんと言って僕と同じ思想の仲間グループの人だよ!!」

「直露くん、羨ましいねえ。こんなに綺麗で心強い支援者がいるなんて……はじめましてお嬢さん。僕の支援もお願いしたいくらいのすばらしい動きでしたよ。」

「あ、ありがとうございます……」

ヒナは顔が赤くなっていた。すると義喜野は直露にある話をし始めたのである。

「直露くん、直伸の出馬は知っているか?」

「ええ、昨日の『ブルーサイド新聞』に載っていましたよ。“あれだけのこと”をしでかしておきながら出馬とは本当になめてやがる。」

「本当だね。しかも彼は君達の先祖が守ってきた山を破壊しようとしているし、古代都市が地上に食い込めばその衝撃から地下プレートにかなりの歪みを発生させて近隣の火山はたくさん噴火するよ。」

「古代都市復活賛成する人は大体『噴火の危険性はない』とか『噴火は小規模』と訴えているけど知人の火山学者から聞くとかなりやばい噴火が起きるらしいですね……」

「やばいでは済まないよ。この地域やドーリンをはじめとした周辺地域は壊滅だよ。勿論古代都市もね。」

「矛盾過ぎる……本当に阻止しましょう!!」

二人の会話を聞いていたヒナは直露を応援しないと大変なことになると感じていたようである。
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