ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

トライギアと古代都市③

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地元の声援を受けてヒナと直露達はとりあえず近くのレストランでミーティングをすることにしたのである。地元の有名なレストランで同じ席に座った全員は真剣な表情をしていたのである。

「とりあえず今日も順調に進んでいるようで良かったです。」

「ちなみに今回の選挙は今のところトラブルがないですね!」

「まあ、安全でしょう。僕たちは健全な活動していますからね。万が一何かあっても特殊能力(リミットアビリティ)を持っている人もいますから大丈夫でしょう。」

口調がハキハキしてきた絶好調の直露が支援者の一人である難麦重敏(なんばく・しげとし)を防衛の中心に据えたのである。難麦は日紙家との付き合いが非常に長く、過去に自衛軍に所属していた経験から戦闘力の高い人物である。難麦は日紙家の次期当主となるであろう直露のために力を出すのも惜しまない性格だ。

「難麦さんには本当に期待しています。」

「直露さん、このわたくしめでよければ必ず直露さんをこの選挙で勝たせます。日紙家に代々使えてきた難麦家の力を総て出してでもあなたを導いてみせます。」

「ほぉ~、日紙家代々ね……」

「お前は誰だ!!?あ!!貴様っ!!」

なんと直露の隣にあの日紙直伸が座っていたのである。先程の陽気な表情が一転して凍りつくような表情と化していた。それもそのはず過去に何らかの因縁があったからだ……

「自ら俺らの元にやって来るとは飛んで火に入る夏の虫だな!!」

「はっ(笑)!!お前こそ前より弱々しくなっちゃってな!!」

「なにを!!?貴様と違って俺は仕事の間に身体を鍛えてきたんだ!!貴様のように何もせず周りの助けを借りたのと一緒にするな!!!」

「はははっ!!お前人望が無いんやな(笑)!!人望がないから誰も助けてくれないんだと言うことを自覚しろバカタレ(笑)!!」

すると難麦は痺れを切らしたのか怒りを見せた。

「直露さんにこのような無礼な発言をするとは……貴様、許しておけぬ!!!」

「おいおい、なんだこいつ(笑)!!」

「なめているか?特殊能力を見せてやろうか?」

難麦が身体にオーラを纏いはじめるとさすがにこれを直露は制止した。

「難麦さん、やめてください。ここはお店の中なので他のお客さんにも迷惑がかかりますし、店主さんとも知り合いなので今は抑えてください。あと直伸、お前も冷やかしに来るなら帰れといいたい。貴様何の用事だ?」

「いやいや、この子が可愛いなと思ってね……」

どうやなヒナが気になりやって来たという。だがこの男はヒナの身体を早速触り始めたのである。

「やめてくださいっ!!!」

ヒナは激怒したのか強烈な平手打ちを噛ましてしまった模様で何と直伸は吹っ飛んでしまったのである……

「ああ……ややこしいことになりそう……」

ヒナのビンタがややこしい事態を招きそうだと直露達は不安を感じ始めたのである。
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