ヒナの国造り

第５章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

テロリスト指定②

直露は皆に向かってある決意をした。

「彼が僕らをそう思っているのならそうではないと見せるために運動すればいい。それは同じような形で争うものではない。彼らが植え付けたイメージと違うことをすればすぐに僕たちの目的は分かってもらえるはずだ。」

ヒナは直露の言葉を一つ一つ頭に染み込ませた。いつも以上にたくましい直露の言葉が胸に響いたのである。

「それでヒナちゃんに秘書を任せたいとおもうのですが皆さんはどう思われますか？」

なんと突然真剣な表情でヒナを自分の秘書に認定した直露である。ヒナは顔が真っ赤っかに染まり、支援者達も驚いた。すると直露の妻はこう語った。

「あなた、最高の決断をしましたね。私もヒナさんが秘書になるのはいいと思います。最近こちらに来たばかりであなたと強い絆を結ぶこの子の秘められた力に期待したいわ。」

妻の発言を皮切りに難麦をはじめとした支援者達も賛同し始めたのである。

「そうか！！お嬢ちゃんなら体力もあるし、直露さんを支えることは出来そうだ！！」

「仲良さそうだもんな！俺も賛成！！」

「お嬢ちゃん！！よろしく頼むよ！！」

戸惑うヒナに直露が近づいてあることを言ったのである。

「(この期間だけだよ。当選したらかみさんか難麦さんに秘書を頼むから今だけお願いしたいけど良い？)」

ヒナはそれを聞いて頷いた。最後の期間だけでも直露やその家族に恩返ししたい気持ちがあるからこそ秘書の業務を了承した。

「旅立つ前にまだやらなくちゃいけないことがあるから是非とも直露くん達の力になりたい！！」

ヒナが決意を決めると支援者達から拍手が飛んだ。直露の家族も皆が拍手していた。必ず直露についた悪いイメージを払うとヒナは決意したのだ。

翌朝、トライギアへ着くと直露のイメージが悪いエリアに入った時にヒナが農家の畑を見つけたのである。

「おじさーん、畑の仕事を日紙直露一同がお手伝いしまーす！！」

なんと直露達は地元のお手伝いをすることにしたのである。だが、ただの点数稼ぎではなく地元のために頑張りたいという気持ちを強くするためと地元の人々と繋がるためにという思いの込められた手伝いなのだ。直露や支援者達は畑仕事を長時間手伝ったのである。ヒナも手伝いたかったようだが、農家の夫人と一緒に昼食を作ったり皿を洗ったりと家事的な面でがんばった。するとヒナが皆にお茶を配りに外に出たときに直露達が作業する畑に人が集まっているのを見つけたのである。その中にはテレビ局のカメラマンもいた。

「おっ、あれ直露くんじゃない？テロリストとか言われていた子が畑の手伝い？」

「いや、直露くんは以前個人的な手伝いでトライギアの畑の稲刈りに参加していたことがあったと聞いたことがある。」

「テロリストと言われていたけど本当かしら。直伸さんの発言だけどこれを見ていたら疑問に思うわ。」

いずれの発言も畑作業に夢中の直露には聞こえていない。だがヒナは一人一人の声を聞いていた。少なくとも直露を悪者だと認識する人は減りつつあったのだ。