ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

悪夢の日③

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新聞の記事を読むと少し信じられないことが書かれていたのである。

『先日発生した一軒家爆発事件で被害者と同じ一族である日紙直伸さんは「従兄と以前から仲が悪かった。一族の大半が綺麗さっぱり消えてくれて良かった」と被害者とは思えないコメントを出した。』

本当に信じられないコメントだったが直露は新聞記事を完全に真に受けるタイプではなかったので「まさかな」と思う程度であった。

「従兄と仲が悪かったのか……」

全く知らなかった事実である。前日のコメントでは『亡くなったことに関して重く受け止めたい』と悲痛に語っていたのでこの新聞記事が妙に引っ掛かる直露であった。

“ピンポーン!”

「客か?」

誰かが来たようだ。旅館の勝手口の扉を開けると新聞記者らしき男性がいた。

「私は『D・プレス』の記者の小塩山一泰(こしおやま・かずやす)と言います。」

「はじめまして、日紙直露です。そういえばおたくさんの記事に直伸さんの変なコメントがあったけどあの事件に関わるインタビューですか?」

「はい。あの事件について詳しく……」

笑いながら対応したらつまみ出すつもりだったが真剣な顔つきだからとりあえず話を聞くことにした直露であった。

「困りますね……あのような記事を書かれたら彼が日紙家のことを憎んでいた、つまり殺したと思われるじゃないですか!!」

「実はその事をあなたに伝えたく思いまして……この記事を書いた大深島(おおふかしま)という記者が同伴してくれていますので呼びますね。」

車に戻った小塩山はある男性記者を呼び出したのである。

「はじめまして、私がこの記事を書いた大深島綴(おおふかしま・つづる)と申します。この記事に関して親族のあなたに伝えたい事実があり、掲載と同時にこのように突然訪問いたしましたことをお詫び申し上げます。」

「いえ、こちらこそ何か勘違いしていたみたいで申し訳ないです。その話、無視してはいけないので聞かせていただきたいです。」

「分かりました。お話しします……」

一度回想が終わり、ヒナと直露達と直伸は対立していた。

「直伸さんは本当にそのようなことをいったのかな?」

「お嬢ちゃん、他人の家庭に口を出すもんじゃないぜ……」

「まさかお前が(従兄の)直兵(ちょくへい)さんを恨んでいたとはな……仲良さそうな感じだからまさかと思ったわ。」

「直兵はな……お前は知らんだろうけど俺から大金を騙しとったんだよ。そのお陰で俺は嫁や子供と離ればなれになった上に自分も回収屋から狙われるようになったんだよ!!」

「回収屋?」

「ヒナさん、回収屋って借金を回収する人のことだよ。」

「雪ちゃん、そうだったのね。私の世界で言うなら『金融業』の方ね。」

「ヒナさんはこの辺の出身じゃないのですか?」

「言うのを忘れてたわ。私は異世界から来たのよ。この世界とは違うのよ……」

雪は目を輝かせていたが、直露の真剣な顔つきを見た雪は雰囲気的に気まずく感じたか静かになったのであった。

「どんなことをしたか知らんがだからと言って……」

「まずは続きの話をしろ!そこからだ!」

「わかった……」

再び回想に戻り、旅館の居間には直露、直露の姉と弟(両親は用事で不在)、遠縁の高島平権(たかしまたいら・けん)と小塩山、大深島両記者が居た。そして話ははじまった……

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