ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第7章・Enemy search(敵探し)

14階へ③

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出口を塞がれた3人はもはや逃げ道をなくしたのである。ところがヒナは何かアイデアを開発したのである。

「そうだ……調理室にある具材を食べさせる手がある……」

すると鍋と冷蔵庫の食材を取り出したヒナはエプロンを装着し、元栓をつけると鍋料理を作り始めたのである。そして3分で完成したが、見た目はこの世の料理と思えないものであった。

「(なんやこの禍々しいオーラが出た鍋は……つーか、においがなんかこの世のものとは思われへんねんけど……)」

竜太と京介が鼻をつまむとヒナはモンスター達を呼び寄せたのである。

「みなさーん、料理できましたよ!!」

具材が大量の鍋にモンスターが群がる。そして食べるのだが…………

“バタッ!”

“バタッ!”

“バタッ!”

次々とモンスターが倒れていく。意識を確認した竜太は顔が蒼くなった……

「し……死んでる!!!?」

なんとヒナの鍋を食べたモンスター達が死んでしまったのである!!勿論ヒナの最初の計画は鍋を味わってもらってるうちに逃げるという手段であった。なお、ヒナはその鍋を食べておいしすぎて昇天した程度にしか感じていないのだ。しかしまさかの殺傷力抜群の鍋に竜太と京介の額からは謎の冷や汗が大量に出てきていたのである。

「竜太さん、食べて!!」

笑顔で鍋の汁の入った容器を渡された竜太は断れずに飲むだけ飲んだのである。

「おいしいわよ!!」

飲んだ竜太は突然この世の声とは思えない『うっ……』という声を出して意識を失ってしまったのだ。見ていた京介は顔に恐怖が広がっていたのである。

「京介くんは子供だからまた今度ね!!」

それを聞いた京介はほっとした。しかし肝心の竜太が気絶してしまったのである。するとヒナは容器に入れた汁の中に大量の唐辛子を入れては竜太の口に投入したのである。すると……

「ぎょあああああああーーーーっっ!!!」

竜太は悲鳴をあげて水道に向かい、水を大量に飲み始める。それを見ていたヒナは笑いまくっていたのである。

「竜太さん、リアクション大きすぎですよ(笑)。」

「(ヒナさん、あなたは見た目によらずなかなかの冷酷ぶりですね…………)」

さすがに京介はドン引きしていた。ヒナはこんな子ではないはずではと思われがちだが、施設の同じ部屋の子に『トマトジュースだよ』と言ってタバスコ水を飲ませたり(飲んだ子は一瞬気絶)、クリームシチューの中にわさびを入れて友人の舌を一瞬だけ味覚麻痺させたりとなかなかグロい一面がある。

「京介くん、早くおとなになったら私の料理を食べてね!!」

京介は彼女の笑顔を見て大量の汗を流し始めていた。そして竜太が治ると食堂を出て8階へと向かう。
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