ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
164 / 762
第8章・まさかの新展開

竜太VS大東②

しおりを挟む
竜太にとある事実の一部分を突然告げた大東。竜太は怒りを見せながらも聞く姿勢も見せたのであった。

「一体何の話だ?」

ヒナは竜太の反応が少し恐怖感を醸し出していることに気づいたのだ。怖さしか見せなかったはずの竜太が怖がっているように見えたからだ。

「ちょっと何の事故か話してみろよ。」

竜太がボソッと喋ると大東はついにその口を開いたのである。

「竜太さんはお母さんから何も聞かなかったのかい?」

「別に……何も聞いとらへんわ!!」

「実は君の住むウィンガタウンについてだが……」

「俺は今は住んでねえ。実家にはそのうち帰ろうかと思ってな……」

冷静になって話をする竜太に大東は恐い顔をしながら話を進めたのである。

「君は何もしらないか?まあ仕方がないよね……収容されている時だったからね……」

「何のことだ?」

「君のウィンガタウンにエネルギータンクがあるだろう?」

「生活エネルギーの発信はウィンガタウンからだからな。」

「そのエネルギータンクが3年程前に爆発事故を起こしたんだよ……!!」

竜太はその瞬間言葉を失った。生活エネルギーは名前とは裏腹に非常に危険なエネルギーであり、タンクから漏れれば人に害を及ぼすのである。生活のエネルギーを起こすために有害物質を外に出さないようにタンクがあるのだがそれが爆発した以上、ウィンガタウンは人の住めない町と化してしまったのだ。

「………………」

竜太は口を閉ざした。顔つきは精悍さがなくなり、今にも泣き出しそうな表情であった。言葉すら出ないほどの辛い現実であった。ヒナは事情は分からなくとも竜太の顔を見て辛いことだというのは理解していた。

「竜太さん…………」

「もうどないも出来んわ……」

ヒナに対して竜太が言った一言は彼の心の傷の大きさを示していた。竜太は項垂れて喋る気力すらなくなりかけていた。


回想に入る……20年前のウィンガタウンのエネルギータンク建設現場に住人達が怒りの言葉を出していた。

「こんな自然の村に危険なタンクを作るな!!」

「ここに建てないでくれ!!頼む!!」

声を上げる住人達の中にはヒナの世界でいう高校生だった竜太がいた。彼は事情をよく分かっていなかったが何が起きたか知りたくてその場に来ていたのである。すると住人達のリーダーの元にある背広を着た男性がやって来たのである。

「あんたが責任者か?」

「はい、ここからエネルギーを発信すれば全部の国に電気やガス等生活にとって大切なエネルギーが届くのです。」

「他のところにも既にエネルギータンクがあるでしょう?そこらの安全も考えずなぜ『ここにも作るんだ?』という話だ!!」

「大丈夫ですよ。安全は確保できます。その最高の技術を使い、事故を起こさぬよう対処はしてまいります。」

男性は住人のリーダーにそう言ったのである。その建設現場に立つ看板に協賛企業の一つとして『黒翼グループ』と書かれていたのである。この黒翼グループとは……

「ここからエネルギー……?」

竜太は疑問に持ちながらも建設現場を眺めていたのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

【完結】お父様の再婚相手は美人様

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 シャルルの父親が子連れと再婚した!  二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。  でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...