ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
190 / 762
第9章・世界の歪み

謎が謎を呼ぶ①

しおりを挟む
竜太の一件でこれからどうすべきか分からないヒナ達は悩んでいた。オフィスに戻ると皆が心配していたのを知った竜太は皆に感謝したのである。

「皆さん、ご迷惑おかけしました。またこれからもよろしくお願いします。」

「いや、竜太さんは悪くないです。一緒に倒すべき相手を倒しましょう!!」

皆の思いを聞いて頑張る気持ちを込めた竜太は再び例の山を目指そうとしたが全員が反対した。

「今は休みましょうや。」

松浦がそう言うと竜太は受け入れてお見舞いに来た石井以外の6人と一緒に治療を受けていた3人に連絡を入れるのであった。

「まあ、本当に良かったわ。」

オフィスには竜太の義理の伯母も来ていて心配してくれた。皆が心配してくれた。……だから竜太の気持ちは友人に襲われた悔しさ、悲しさよりも大切な周りの人への思いの方が強い。

「ふぅ……しんど……」

竜太は回復したばかりで少し疲労が伺えた。皆は竜太の姿を見て回復したという嬉しい気持ちが忘れられずにいた。

「これからどうしようかな……」

ヒナは竜太の回復に安堵してすぐにこれからを考えていた。だが、竜太のことや周りのことを思うと竜太は今すぐに旅には出られない。

「よし、行こう!」

ヒナはつい呟くと松浦の突っ込みがあった。

「どこに?」

「いや、別に。一人言でして…………」

「それなら良いけど(笑)。」

ヒナは独り言を即否定した。ただこのときに何かヒナが考え事をしていたのは事実である。しかしヒナの方をサトキがジッと見つめていた。拳をきかせている演歌歌手のような気迫と厳しい目付きであった。

「サトキさん、どうしたの?」

「ヒナちゃん、バカなこと考えちゃダメだよ…………」

「(…………!!)いえ、何も考えてないわよ!」

「それなら良いけど……」

ヒナが一瞬“ギクッ”とした表情を見せたのをサトキは見ていたのか少し鋭い口調であった。

「(ヒナちゃん、君は何を考えているんだ?)」

やはりこの時、サトキはまだ疑問を抱いていた。案の定この発言後にヒナは自室にこもり、一歩も部屋から出てこなかったからだ。

「ヒナちゃん、良い子ですよね。サトキさん。」

「ああ、だからこそ無理をおかす性格をどうにかしてほしいですがね……」

「?」

ヒナは部屋から出てこないので皆で話し合いをはじめたのである。

「竜太さんはなぜ襲われたか理由が分かりますか?」

「理由は分からない。とにかく襲われた理由も自分のしたことちゃうからな。」

京介の質問に竜太は真剣に答えたのである。なぜ襲われたか竜太は真剣に考え直そうと改めて思ったのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜

来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。 自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。 「お前は俺の番だ」 番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。 一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。 執着と守護。すれ違いと絆。 ――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。 甘さ控えめ、でも確かに溺愛。 異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

妻が通う邸の中に

月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。

処理中です...