ヒナの国造り

第９章・世界の歪み

謎が謎を呼ぶ②

しかし理由がでっち上げとあり竜太は本当のことを知りたいという気持ちがあった。

「本当は何なんだろうか…………？」

他にも理由があるとしか思えないのだが……と思いきや、ある事実を思い出したのである。

「もしかしたらあの時か…………」

色々考えているうちに夜は更けてしまったのである。そして夜中１時頃にヒナは自室から出てきて装備を備えて山の方へ向かったのである。

「(よし……誰も起きてないわ……)」

誰も気づいていないことを確認するとヒナは山の方へと向かったのである。その時オフィスから出ていくのをたまたまトイレで目を覚ました竜太が見かけたのである。

「(何しに行く気だ？)」

竜太はさすがにヒナを追うことにしたのである。追いかけていくとヒナの向かうのはアラドマウンテンの方であったのだ。

「(おいおい……夜中に行くなんて自殺行為だぞ！！！)」

「(誰か……私をつけている？)」

ヒナが振り向くと竜太はサッと建物の後ろに隠れたのである。ヒナがまた走り去ってから竜太は目的地を確信したためかゆっくり余裕を持ちながら追いかけたのである。

「ヒナちゃん、何がしたいんや…………」

アラドマウンテンの入口に着くとヒナは装備を全て装着して山道へと向かったのである。勿論人気はなく誰もいない…………が、あれはいるのである。

「わっ！猛獣がいっぱい！」

夜中は猛獣がうろうろしやすいため誰も登山に来ないのである。ヒナも帰るべきかどうか考えたが竜太の目的を自分が代わりに調べてあげたい気持ちから恐怖心の治まらないうちに山道を走り抜けたのである。勿論竜太はそんなことなど願っているはずもない。

「わっ！！夜中の山は危険やろ！！何しとるねん、危ないわ！！」

竜太は短剣と物理技衝撃減少服(物理攻撃のダメージを減らすための服)を装着すると山の中へ行くのであった。ヒナの心配と危険との戦いを意識していた竜太は恐怖心などない。

「連れ戻してやる！！」

猛獣が竜太に襲いかかるも竜太は華麗な剣技で次々と倒していくのであった。

「(剣技が完璧に使えないヒナちゃんにはまだ夜中の山道は危険だ！！しかもここの猛獣は…………！！)」

ヒナは５合目辺りに着くとベンチみたいな椅子を発見し、そこに座り込んだのである。

「私が……私が……何とかしてあげたい…………」

少し息が乱れていてバテている感じのヒナであったが少し仮眠をしたのである。竜太はその時、山のなかで転倒して軽い怪我をしたため山の外に出て一旦休憩していたのである。


夜中の中盤の時間帯になり、ヒナが目を覚ますと周りに少し青い人型の髪の長いリザードの猛獣が彼女の回りをたくさん囲んでいたのである。

「あわわわわ…………助けて～」

焦るヒナは氷の特殊能力を活かして周囲に吹雪を起こしたのである。だが、猛獣達に効いていなかったのだ。

「わーい、ピンチだ～～！！」

ヒナは再び絶対絶命になっていた。その時竜太は怪我が治まったのか再び山道へと向かう。