ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第10章・団結に向けて

便利と不便

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しかしヒナはこの世界に来てから不便に感じることもあるという。

「バスとかタクシーとか電車とか少し私の世界より少なく感じるわ。」

そうである。乗り物が少なく感じるのだ。先程の選挙活動の時だって車でなくて大体が徒歩だったしこの世界に来てタクシーなぞほとんど見かけていない。ただし枚笠は元タクシードライバーである。

「僕もそう思う。確かに交通手段が他の世界に比べれば少なすぎる気がする。」

異世界研究もしている枚笠からすればこの自分の世界の乗り物があまりにも少なすぎるような気がしてならないのだ。

「車に乗れば誘拐される危険性も少ないし、なんせ移動とかに本当に便利だからねえ……」

車は絶対の安全こそ保証できないが、ある程度の身の安全は保障される。だからこそヒナ達にとっては必要なのだが……

「さて……今日はもう少ししたら晩飯の時間だよ。」

数時間後、ヒナ達は枚笠に連れられて食堂へとやって来た。新しく就任した中條ナニータ(なかじょう・なにーた)新料理長の挨拶を経て食事が始まるのだ。ヒナと雪は食事を楽しんでいるとその中條がやって来たのである。中條は笑顔でヒナ達に喋りかけてきたのである。

「はじめまして!」

「あ、は……は、はじめまして!!」

「僕は中條といいます。これからもよろしくお願いします!!」

「私は猫屋敷日奈凛といいます!よろしくお願いします!!」

「私は柏之山雪といいます!よろしくお願いします!!」

どうも中條はヒナ達が気になったらしくいきなり声をかけたのだという。

「この世界は便利と思いますか?不便と思いますか?」

いきなり質問をして来た中條だがヒナは即答した。

「う~ん、文化面は私の世界より発展している部分もありますが自分の世界より発展していない部分も見受けられます。」

しっかり自分の感じたことや分析したことをスラスラとしゃべるヒナを中條は少し気に入ったようだ。ただし、中條は既婚であるのでヒナを恋愛対象として見ることはない。

「僕は代々この世界の住人だからあれだけど異世界にはあちこち行ったことがある。タイムワープ(※1)の乗り物に乗って旅をしていたんだ。」

なんとこの人はあちこち旅をしていたのである。ヒナは中條に色々聞きたいと思うようになってきた。

(※1……この世界ではタイムワープの乗り物なるもので時空や異空間に旅することができるという。富裕層の人がよくこの乗り物を乗っているためか中條は富裕層の人かもしれない。)
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