ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第10章・団結に向けて

ヒナ・雪・喜愛と新たなる驚異①

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一方のヒナ達はいつも通りに過ごしているようには見えたが……

「ああ~っ!!窮屈だわ~っ!!」

ヒナは窮屈であった。無理もない……ヒナは外に出て行動するアウトドアタイプだからそれはそれは息苦しい世界なのである。

「ヒナさん、落ち着いてください。」

「雪ちゃん、せっかく能力も身に付けたのに何もしないでこのままずっと箱の中にいて普段もほとんどボ~ッとしなくちゃいけないの!?気が遠くなるわっ!!!」

「私も早く出て今の両親に会いたいですよ……!!ヒナさんだけじゃなくて私も辛いですよっ!!」

二人とも短期間とはいえ自分の生活スタイルに合わないこの状況が苦しく感じるのだ。喜愛は長らくこの生活であるため慣れているようだが外に出るとどうなるのだろうか?

「私は外に出たら動きますけど、今はこのような習慣しか出来ないからこの習慣に対応した行動をしますわ。ヒナさんも雪さんも今は辛いでしょうけどいつかは出られるはずです。少し耐えていきましょう……ね?」

「う~ん、喜愛ちゃんがここまでいうなら……私も雪ちゃんももう少しだけ我慢してみるわね。」

「アハッ!!」

喜愛は喜んだ。二人とも前向きな気持ちになってくれたのだから……そして喜愛は二人の息苦しい生活をちょっとでもよくしようと遊びを教えることにしたのである。

「これ、大きなお縄です!」

「?」

「この縄の中に3人で入って電車ごっこしながら移動するのです!」

「…………やってみようか。」

とりあえず食堂にいく時間になっていたので電車ごっこしながら食堂に行くことにしたのである。先頭からヒナ、喜愛、雪と並んで運転手兼車掌はヒナである。

「次はー、食堂~っ!!食堂~っ!!この電車は特急オーシャンアローです!!」

「ヒナさん、オーシャンアローって何ですか?」

「わ、私の世界の地元で走っている特急電車よ!!」

ヒナは少し顔が赤くなった。皆の知らない異世界(ヒナの世界)の特急電車の名前を出してしまい恥ずかしくなったのである。

「(ややややっちゃったー!!!私の地元ならオーシャンアローは有名だけどこの世界にはオーシャンアローは無かったんだ…………!!)」

「おっ!ヒナさん、かっこいい名前ですね!もしよければ3人で“オーシャンアロートリオ”と名乗りましょう!」

「へ?」

「いいですね雪ちゃん!それならオーシャンアローという名前で電車ごっこができますねっ!!」

雪の提案に喜愛が賛同した。二人は気を遣っているのかただ単に名前が気に入ったかは分からないが、少なくともヒナと盛り上がろうという気持ちがあるようだ。

「二人とも……ありがとう……」

ヒナは涙を流していた。二人の思いが心に伝わったようである。
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