ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第11章・新たな武器と過酷な道のり

孤児院③

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翌朝、起床したヒナの元にある少年がやってきたのである。

「お姉ちゃん、おはよう。僕ね、対場健太(たいば・けんた)と言います。弟の優磨(ゆうま)と一緒にここに住んでいるの。」

どうやら兄弟揃って預けられているようだが直子によると生まれてすぐの時に母親が連れてきてそれっきりだという。

「ここは大体はそういう子ばかりなのよ。勿論一時期だけと決まっている子もいるけどやはり大体はは親が面倒見切れないからということで預けたきり顔すら出さないのよ。」

ヒナはその話を聞いてなにも言えなかった。彼女自身、父親に施設に入れられてから一度たりとも両親は顔を出すことはなかったのである。尚徳が父親に引き取るよう迫っても断られてしまっており、彼女もまた身内から見捨てられていたのだ。

「(私もこの子達と同じ立場だからこそこの子達の悔しさや悲しさが分からなくもないわ…………)」

ヒナはこの孤児院に来たのは一つの運命だったのではないかと思ったのである。

「(ここにきてあらためて私の立場というのが他の人に味わわせたくないというのが分かった……)」

自分のような人が出てきてほしくない……ヒナはこの孤児院に来たことを通じて強く思うようになったのだ。しかし孤児院に来る子供が減らないのも現実である。


尚徳はヒナが孤児院にいる頃、東口を自宅に招いて話をしていたのである。

「ヒナちゃんとは面識は強かったですか?」

「いえ、彼女とは少し話をしましたが深くは印象に……」

「長い時間じゃなかったようだから仕方ないですけどね……」

「すみません。記憶力が悪くて……」

「仕方ないですよ。僕も時々数日前の記憶がないときがありますから。」

東口は尚徳の話を聞きながらヒナという一人の人間の話を聞いていた。

「ヒナちゃんはずっと両親がいなくて唯一彼女の手元にあった戸籍を調べて父親は突き止めましたが引き取りを拒否されてしまい、この時僕は『ヒナちゃんは孤独になってしまったんだ……』と思いました。」

「親が子供を捨てるなんてどんな神経しているのか……普通なら大切に育てるのが親の役目でしょうに。その父親は子育てできない状況とかでは……?」

「いや、家はそんな悪いものでもなかったし、普通に経済的に不安定な感じは見受けられませんでした。それと彼女にはいってませんが、父親には新しいパートナーらしい人物がいたような気が……」

「………………!!?」

尚徳と東口の会話が真剣になってきた頃、ヒナ側にも動きがあった。


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