ヒナの国造り

第１１章・新たな武器と過酷な道のり

嵐の前の静けさ？

ヒナは店につくと自分の剣を特製のタオルで磨いていたのである。すると外川は興味を持っていたのか近づいてきたのである。

「お！すごい良い剣だな！ちょっと俺の剣と一戦交えてみない？」

「え、良いですよ！！この剣の威力を試してみます？」

何を試すのかは分からないがなぜかヒナと外川の剣を交えた戦いが始まるのであった。竜太、幹夫、直露、西村事務員と四人で見物をしていると一人の男性が西村の横に現れたのである。

「あーら、面白い見世物ですか？」

「南原さん、ちょうど良かった。いまから面白いことをするそうよ。」

この男性は南原高夫(みなみはら・たかお)といい眼鏡をかけた明るい感じの男性である。ところが先程の“いっちゃん”という青年とトラブっているとかいないとか……

「さあ、いくぞ！ヒナちゃん！」

「よろしくお願いします！！」

“シャキン！！”“シャキーン！！”

すると剣の技術の高さを披露する外川にヒナは苦戦したのである。剣と剣が交じり合い、油断をすれば切られてしまうのだ。

「つ……強いわね……！！」

「俺は剣の技術は誰にも負けられねえ！！百戦錬磨の人生で築き上げたものを簡単に破られるつもりはねえから！！いくぞ！！」

能力の有無の不明な外川だが能力のあるヒナに普通に対抗している。ヒナは剣に氷の力を込めて氷の剣に変形させたのである。

「えーーいっ！！“アイススプラッシュ！！”」

ヒナは新しい技を披露したが、これは大きくジャンプして上から斬りかかるという結構強い技なのだが……

「！？」

“シャキーン！！”

「と……止められた……！？」

「まだまだだなヒナちゃん！！」

ヒナの新技を剣でなんと受け止めたのだ！！ヒナは力が抜けて地面に座り込んでしまったのである。

「俺は特殊能力(リミットアビリティ)はないぞ。それでもかなわないならまだまだだな……」

「あ、ありがとうございました……」

「こちらこそ楽しかったよ！ありがとう！！」

剣を交えて盛り上がっていたのを作業室からじっと覗いている男性がいた。いや、青年であった。

「(なんだ……あの女……すごい技だな……)」

その青年の背後にスッとヒナが現れたのである。振り向いた青年は驚いてしりもちをついてしまったのだ。

「うわっ！！なんだなんだっ！？」

「どうでした？試合は？」

「ビックリしたあ……試合ですか？いやあ、良かったですよ。」

「私は猫屋敷日奈凛です。あなたは？」

「僕は“いっちゃん”と呼ばれている市山竜太(いちやま・りゅうた)です。」

「市山くん？これからもよろしくお願いします！」

「こちらこそよろしくお願いします。」

市山はなぜか近くで見ていなかったのにヒナが気づいて声をかけにいったのであった。ところで南原と市山に一体何があったのだろうか。