ヒナの国造り

第１１章・新たな武器と過酷な道のり

ヒナ探偵の推理！①

ヒナと大深島が話をしていると再び市山はキレだしたのである。

「誰や！俺のオートライナー(ヒナの世界でのバイク)の前かごの防水皮(カバー)をそこに飛ばしたのは誰や！！？」

なんと市山のバイクのカバーがバイクの後ろに落ちていたのである。走って落ちたなら普通は気づくし、職場の敷地の近くに落ちているのは不自然である。

「ふざけ……やがって……」

顔が赤くなり、蒸気が身体から発生し始めてきた市山に店の従業員連中たちはあたふたした。しかしヒナは市山の背後から彼の肩を揉むようにつかんで怒りを治めるために技を使ったのである。

「ダメですよ、市山さん♪」

笑顔で市山の顔を見つめるヒナだったがその場にいた全員は驚愕したのである。なんと市山の身体の腰よりしたが氷付けになっていたのだ！！

「ひんやりします？市山さん？」

「う……うん……」

市山からは蒸気は止まり、赤くなっていた顔もいつもの穏やかな表情と化していたのである。

「だめですよ。投げたのは誰か、もしくは飛んだのか調べてみましょうね。」

「は、はい……」

「(氷の魔女かお前…………)」

市山をなだめたヒナを見て竜太は唖然としていたのである。いや、直露も唖然としていたようだ。そりゃそうだろう。元々このような雰囲気の持ち主ではなかったのだから…………尚、ヒナは能力を所持しだしてから少し性格が変わっていることに皆さんは気づいただろうか？

「市山さん、少し可愛いですよ。そんな可愛い人が怒っちゃ……ダ・メ・よ。」

「………………」

市山は顔が別の形で赤くなり、心臓ドキドキであった。するとヒナは市山から離れて投棄現場(？)にやって来たのである。

「ここに……カバーが飛んできたのですね？」

「ええ。」

「それなら……状況検証しましょう！！」

外川はヒナの指示に従うことにしたのである。だが、竜太は少しヒナの様子を見ていて違和感を感じていた。

「初めてあったときより……なんかおかしいぞ……？」

「竜太さんも初めてあったときより変わってますよ。成長しましたね……」

「そ、そうやな…………」

竜太もなぜか照れはじめたのである。そしてカバーがなぜバイクの後ろに落ちていたのか検証することになった。

「あら、そこの人！！」

「俺？」

「あなたは能力をお持ちですね？分かっちゃいましたよ！！」

なぜか笑顔でラトビーを指差したヒナだった。竜太はやはり違和感が胸の内に満載になっていたのである。

「ヒナちゃん……やっぱり……」

「やっぱり？」

「何でもないよー！(地獄耳！？)」

竜太は何か言いたかったようだが……