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第12章・ヒナの国造り
計画が崩れたのはもう一組あるようで……
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その頃、あるアジトにいた周参見野英寛(すさみの・えいかん)の元に西村雄麿(にしむら・たけまろ)が報告をしに帰ってきたのである。近くには周参見野俊策(すさみの・しゅんさく)が座って苛立ちながらスマートフォンのようなものを眺めていたのである。英寛は一族の長なだけにでかい椅子に座っていた。
「雄麿、“あの少女”の件はどうなったか?」
「それがですが……東住吉氏(竜太)がロージーパインへ行くまでは順調でしたがとんだ邪魔が入りました……」
「何っ!?」
英寛の質問に雄麿が答えると俊策は画面を眺めながら怒りを露にした。この形式で会話は続く。
「詳しく説明してくれないか?」
「はい、彼らがロージーパインへ行き、そこで助けを求める少し前までは実は少女は我々の元にいました。すると私の協力に任命した日尻勤(ひじり・つとむ)防衛隊副長官がW(ういゆ)に操られてしまい、やつに少女を渡してしまったようで……」
「何だと…………!?」
「それから少女はどうなったのだ?まさかWの……?」
「それで更に近くにWのアジトがあるために東住吉氏らはあちらの方へと向かってしまいました。完全に計画は破綻しました!!」
「野郎…………ぶっつぶしてやる……!!」
「じゃあ、もう計画はおじゃんか……」
「いえ、幸いですがWのアジトにスパイとして周参見野一族の人間が潜入しています。Wは完全に油断し、さらにW一味と我々が敵だということにWの新入り部下は気づいておらず、彼の部下はその新入りで構成されているそうです!」
「へっ(笑)!」
俊策は少しうすら笑みを浮かべたのであった。だが、雄麿はそれに気づいたのであった。
「お前、さっきから何ブツブツ言ってるんだよ!?」
「わぁ!!雄麿!!ビックリするじゃないか!?」
急に話しかけられて驚く俊策に雄麿は呆れ口調でしゃべったのである。
「何か画面見ながらブツブツ言ってるけど何を見てるんだ?」
「いやあ、『生活ゲーム・愛のサイコロ編』をしているんだよ……」
「ほぉ……」
「ちょっとお金を100万無くしたり、恋愛イベントで妨害されたりして……ね?」
「“ね?”じゃねーよ!!お前、大事な会話中に何ゲームしてる?」
「いやあ……暇だったから……」
「まあまあ雄麿、わしも会話が終われば『ファイトガールアカデミー』をする予定だ……」
「英寛さん……自分も『ザ・エンペラーオブバトラーズ89』をしようかなと……っておいっ!!」
「まあ、日尻さんはたまたまやられただけでよく頑張っていたと思うよ……タケはどう思うよ?」
「俊策……俺もそう思う。あとはアジトにいるあいつに任せるしかない!!」
周参見野一族は自分達のしていることを理解できているかは不明だがどうやらリンの誘拐の元凶が彼らであることは明確である。あと一族のゲーマー疑惑も浮上しているがそれはまたの機会に……
一方のヒナは腹部の怪我を左手で抑えてリンの元へと向かうのであった。
「リンちゃん……待っててね……」
周参見野一味と違い、ヒナは真剣な表情でWの元へと行く。リンの件のきっかけが周参見野一族の計画など知るよしもなく……
「雄麿、“あの少女”の件はどうなったか?」
「それがですが……東住吉氏(竜太)がロージーパインへ行くまでは順調でしたがとんだ邪魔が入りました……」
「何っ!?」
英寛の質問に雄麿が答えると俊策は画面を眺めながら怒りを露にした。この形式で会話は続く。
「詳しく説明してくれないか?」
「はい、彼らがロージーパインへ行き、そこで助けを求める少し前までは実は少女は我々の元にいました。すると私の協力に任命した日尻勤(ひじり・つとむ)防衛隊副長官がW(ういゆ)に操られてしまい、やつに少女を渡してしまったようで……」
「何だと…………!?」
「それから少女はどうなったのだ?まさかWの……?」
「それで更に近くにWのアジトがあるために東住吉氏らはあちらの方へと向かってしまいました。完全に計画は破綻しました!!」
「野郎…………ぶっつぶしてやる……!!」
「じゃあ、もう計画はおじゃんか……」
「いえ、幸いですがWのアジトにスパイとして周参見野一族の人間が潜入しています。Wは完全に油断し、さらにW一味と我々が敵だということにWの新入り部下は気づいておらず、彼の部下はその新入りで構成されているそうです!」
「へっ(笑)!」
俊策は少しうすら笑みを浮かべたのであった。だが、雄麿はそれに気づいたのであった。
「お前、さっきから何ブツブツ言ってるんだよ!?」
「わぁ!!雄麿!!ビックリするじゃないか!?」
急に話しかけられて驚く俊策に雄麿は呆れ口調でしゃべったのである。
「何か画面見ながらブツブツ言ってるけど何を見てるんだ?」
「いやあ、『生活ゲーム・愛のサイコロ編』をしているんだよ……」
「ほぉ……」
「ちょっとお金を100万無くしたり、恋愛イベントで妨害されたりして……ね?」
「“ね?”じゃねーよ!!お前、大事な会話中に何ゲームしてる?」
「いやあ……暇だったから……」
「まあまあ雄麿、わしも会話が終われば『ファイトガールアカデミー』をする予定だ……」
「英寛さん……自分も『ザ・エンペラーオブバトラーズ89』をしようかなと……っておいっ!!」
「まあ、日尻さんはたまたまやられただけでよく頑張っていたと思うよ……タケはどう思うよ?」
「俊策……俺もそう思う。あとはアジトにいるあいつに任せるしかない!!」
周参見野一族は自分達のしていることを理解できているかは不明だがどうやらリンの誘拐の元凶が彼らであることは明確である。あと一族のゲーマー疑惑も浮上しているがそれはまたの機会に……
一方のヒナは腹部の怪我を左手で抑えてリンの元へと向かうのであった。
「リンちゃん……待っててね……」
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