ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第12章・ヒナの国造り

「所詮“2番手”でしかない」②

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俊策は勤に語りかけたのである。

「立場は上でも状況に応じて対処できる能力は下の人間の方が上という時がある。」

すると勤はあるケースを語りはじめたのである。

「そういや、副隊長の僕の部下の古林(こばやし)戦闘対策長官という人がいまして彼は僕より立場は下ですが、ある日ドーブループ村の洪水が発生したときに村民救出の指示やその行動は僕以上の判断力と行動力を見せていました。」

「彼は僕の『はとこ』だ。それはあまり関係ないが部下の人間だから上司に劣る訳じゃない。力というのは状況に応じて変わるものだ。だから僕は君が出来る役割があるからこそ君に依頼をしたわけだ。」

「な……なるほど……」

「でも君は自身がないみたいだ。それじゃ副隊長は務まらないよ。君の能力がどれだけ僕に必要なものか説明してあげるから。」

「では……よろしくお願いします。」


その頃、西村は父方祖母の実家の関東の中村(なかむら)家に訪れていた。叔父の中村徹(なかむら・とおる)は表向きは自営業だが裏の顔は俊策の右腕である人物。徹自身は周参見野一族ではないので俊策とは普段から行動をすることはないが、俊策も一目置くほど高い能力を持つ人物であった。

「中村さん、今晩は。」

「今晩は、西村さん。」

「今日は我々の仲間の俊策がWを倒すための計画を立てています。」

「ほぉ……」

「なので一族と行動していただけないかと思いまして……」

「この日を楽しみにしていましたよ。西村さん。」

「では一緒に行きましょうか?」

「はい…………」

西村雄麿は中村を連れ出すと自分の車に乗せたのであった。車には普段の車にはない、特殊なジェット機がついていたのである。


その頃、夜となった俊策らのいる喫茶店。勤の力を確認した俊策はドロシーと共に出発の準備をしていたのである。

「とにかく……とにかく……あの人の協力はほしいな。」

「誰ですか?」

勤が聞くと彼は二人の名前を出したのである。

「中村徹と東住吉竜太の二人だよ。二人は正義感が強いから是非とも協力してWを倒したい。」

「中村さんは以前から知っていますが、その東住吉さんとは?」

「ああ、彼は僕の母方の東住吉家と関わりのある人物だ。今は“高直”に改姓したみたいだけど彼はまさしく“東住吉の魂”を持つ。」

勤は竜太のことを聞くと心強い仲間と感じたからか笑みを浮かべたのである。ドロシーは常にニコニコしながら俊策の話を聞いていたのである。

「ただ、中村さんはタケが手配してくれたんだが……竜太はちょっと別人物と行動中だ。」

「敏也ですか?」

「敏也?大荒馬敏也(おおあらば・としや)のことか?違うな……」

勤は俊策の表情を見てあまりの力強さの笑みに驚いたのである。
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