ヒナの国造り

第１３章・Ｗの野望

「もしかしたらこれは不思議な因縁ですね」

一方、ヒナ達(ヒナ、ルミ、ハビラ、護、高城、キララ、幹夫、ファルル、Ｍ)は外で集まっていた。ヒナは早速Ｍから話しかけられていたのである。

「あら……あなたは異世界の方で？」

「え……ええ……」

「私はＭ(マナコ)。グラップルタウンから来たＷの右腕的存在よ。」

「…………」

Ｗの右腕が近くにいるのでヒナは緊張していたのである。するとＭの横にいた少女をよく見ると囚われていたはずのリンであった。

「リンちゃん！！」

「わあ！！」

二人は喜び、抱き合ったのである。その様子をアジトの部屋から二人が覗いていたのである。

(右)“火霊師(ファイアジャーマン)”の『赤島儀咲(あかしま・のりさく)』。

(左)鳥の霊獣使いで“鳥天(ちょうてん)”こと『早見儀侖(はやみ・のりろん)』と鳥の霊獣『シャウト・マルビッシュ』。

「赤島、その緑の本はどこで手に入れたんだ？」

「これはアメゾンの未来販売物購入ページから購入した７年後の本だよ。」

「ほぉ……『聞いて下さい僕の人生』か……著名人の本じゃねえじゃねえか。」

「エッセイみたいな内容だがいまいちだな……あ、あの怪物何だ！？」

「どれどれ……？な……何だありゃ！？」

二人は窓の上を見ると怪物が空に浮いていたのである。恐竜に羽根とか不気味でしかないが、しかも羽根の毛の部分が大量の素麺がいそぎんちゃくのように動きながら生えているのでさらに不気味である。

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

“ザッ！！”

怪物は羽根から素麺の塊らしきものを下に飛ばすとヒナ達１０人はまさにミイラのように素麺の塊に全身を拘束されたのである。素麺の巨大な塊が１０人の全身を包み、事情を知らない人が見たらアジトの入口には素麺の塊が１０個あるように見えるのである。


その頃、ヒナの地元の食堂にて息長と尚徳が雑談をしていたのである。

「息長園長……先程の“秘密”とは……？」

「猫屋敷さん、あれは冗談ですよ。私は“物心ついた時から”この地に住んでいますから。」

「ですよね……驚きました。」

「ただ……猫屋敷さん。これは妄想だと思うのですが、ヒナちゃんの遠い前世は彼女が今いる異世界のドラゴンで私はそのドラゴンを退治した人間の英雄かもしれません。」

「？」

「私は前世や異世界は信じられないが、尚徳さんが異世界に行けたならば信じざるを得ない……」

「園長……」

「そして私と彼女は何度か転生を重ねて来たと思います。今こうして私が彼女を助けるのは過去のことからじゃないかなと思います。もしかしたらこれは不思議な因縁ですね…………」

「かもしれませんね……」

「あとヒナちゃんが昔拾ってきたあの“光る石”ですがあれはこの世界の物なのかなと思いまして……」

「あの“石”ですか……？」

二人の会話は弾んだのである。しかし息長の言葉一つ一つに尚徳は不思議な気持ちを感じ取ったのである。


一方、１０個の素麺の塊がある場所にある剣士が現れたのである。

「Ｗの関係者に用事があるのでここにやって来たが何だこの塊は？まあいい、怪物よ。私は“軟弱剣士”『石受無ヌイ(いしじゅむ・ぬい)』と申す。１０年以上にわたり、鍛えてきた技を披露してやる。これから覚悟せよ！！」

突然現れた謎の剣士は怪物と相対する。この剣士はいったいどこからやって来たのか……？