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第14章・日常へ戻る時
コルベッドにて②
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直露はここまで親切にしてくれるクライサをすぐには信用できずにいたのか少し警戒したような顔をしていたがクライサは笑顔を絶やさず言う。
「そうかもしれませんね……」
「?」
「すぐには……誰も信用できませんよね……」
「…………」
「でも僕達があなたを助けたのは人助けの大切さの重みを理解しているから……」
「どういうことでしょうか?」
「すみません、さっきまで“私”と言ってましたがあなたとなら仲良くなれそうなので“僕”と言いますね。実は僕は数年前まである男の部下でした。」
「?」
「その男は人を洗脳し、役に立たなければ平気で部下を見捨てるとんでもない男でした。」
直露は誰の部下か名前こそ直接聞いてはいないが分かったようである。
「僕はある日、同じ洗脳下にあったある女の子が野球をしている姿を見て彼女に惚れました。そして彼女が僕達の活動に関心を持ってくれるかは分かりませんが上に無理を言って彼女を一緒に行動するメンバーにしてもらいました。おかしいかな?」
「それはおかしくない。男の人は好きな女性と仲良くしたいと思うのは当たり前です。私も妻とはじめてあったときに惚れてずっと夢中でしたよ。」
「ありがとう。そう言ってもらえたら嬉しいです。ですが、その活動中に彼女は土砂崩れで生き埋めになり“死んで”しまいました……」
「…………!?」
「遺体を見たとかそういうわけではありませんが完全に砂に沈んだので間違いなく死んでいます……もう彼女に会えない寂しさと僕のせいで死なせてしまった罪悪感が…………うぅ…………」
突然うなだれて大粒の涙を流したクライサ。それを見たある女性が彼を慰めたのである。
「あなた……その過去は思い出しちゃダメよ……!!」
「…………」
「はじめまして、私は彼の妻です。彼は好きだった子を死なせてしまった辛い経験からすぐに精神が乱れてしまうのです…………」
「こちらこそはじめまして……そうでしたか……実は私自身も家族をなくす辛い出来事がありまして彼の気持ちは深くわかります……」
「理解してくださってありがとうございます…………この人は本当に優しい人なので仲良くしてあげてくださいね……」
妻の涙の訴えに直露は頷いた。
「恩人ですから……次は私も彼のために力になりたいです。」
「ありがとうございます…………」
クライサの妻の姿を見て直露は洗脳した人物を必ず倒そうと決意したのか立ち上がって右の拳を力強く丸めていたのであった。
「そうかもしれませんね……」
「?」
「すぐには……誰も信用できませんよね……」
「…………」
「でも僕達があなたを助けたのは人助けの大切さの重みを理解しているから……」
「どういうことでしょうか?」
「すみません、さっきまで“私”と言ってましたがあなたとなら仲良くなれそうなので“僕”と言いますね。実は僕は数年前まである男の部下でした。」
「?」
「その男は人を洗脳し、役に立たなければ平気で部下を見捨てるとんでもない男でした。」
直露は誰の部下か名前こそ直接聞いてはいないが分かったようである。
「僕はある日、同じ洗脳下にあったある女の子が野球をしている姿を見て彼女に惚れました。そして彼女が僕達の活動に関心を持ってくれるかは分かりませんが上に無理を言って彼女を一緒に行動するメンバーにしてもらいました。おかしいかな?」
「それはおかしくない。男の人は好きな女性と仲良くしたいと思うのは当たり前です。私も妻とはじめてあったときに惚れてずっと夢中でしたよ。」
「ありがとう。そう言ってもらえたら嬉しいです。ですが、その活動中に彼女は土砂崩れで生き埋めになり“死んで”しまいました……」
「…………!?」
「遺体を見たとかそういうわけではありませんが完全に砂に沈んだので間違いなく死んでいます……もう彼女に会えない寂しさと僕のせいで死なせてしまった罪悪感が…………うぅ…………」
突然うなだれて大粒の涙を流したクライサ。それを見たある女性が彼を慰めたのである。
「あなた……その過去は思い出しちゃダメよ……!!」
「…………」
「はじめまして、私は彼の妻です。彼は好きだった子を死なせてしまった辛い経験からすぐに精神が乱れてしまうのです…………」
「こちらこそはじめまして……そうでしたか……実は私自身も家族をなくす辛い出来事がありまして彼の気持ちは深くわかります……」
「理解してくださってありがとうございます…………この人は本当に優しい人なので仲良くしてあげてくださいね……」
妻の涙の訴えに直露は頷いた。
「恩人ですから……次は私も彼のために力になりたいです。」
「ありがとうございます…………」
クライサの妻の姿を見て直露は洗脳した人物を必ず倒そうと決意したのか立ち上がって右の拳を力強く丸めていたのであった。
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