ヒナの国造り

第１４章・日常へ戻る時

キララと護と奇跡を託された医者④

３人で作戦会議を練ることになったが紫丁香花はあることに気付いたのである。

「そういえば私、また『懲罰タイム』があるの。先日大失態しちゃったから……」

「大失態？」

飛鳥(俊策)が反応すると紫丁香花はなぜか失態話を聞かせてくれた。

「実はね、春日君の嫌いな“刃物君”と一緒に『リテン』の街に行ったのよ。そうしたらその街に住む『浦麗華(うら・れいか)』ちゃんという子が困っていたから能力で助けたのよ。私達は姉妹揃って能力者なの。そうしたらね……んん～っ……Ｗに一般人に能力を見せたというだけで懲罰を受けることになったの。もうここに来て２０回目だわ懲罰は。」

春日はそのことを知らなかったのか質問をしたのである。

「何しに『リテン』に行ってたんだ？」

「任務の一環よ。ボギーちゃんの親友の協力のために行ったの。でもその親友は……少し……あれだったわ。」

「？」


その頃、護はジェルと互角に力を交えていた。護は素早さもあり、攻撃を回避できてジェルは能力で傷をなかなか作らなかった。

「さすがだな…………だが俺とハイデルンの絆には敵わないぜ。」

「ふん！強気のようだが、ここでおしまいだ……まだ出していない最強の力があるのでね…………」

「……！？」

「見せてやるよ……剣獣(けんじゅう)だ……！！」

するとジェルの右手が徐々に巨大な剣に返信し、その剣は猛獣のような口と牙を見せたのである。不気味な笑顔でジェルは言った。

「食いたいようだ。おいしい肉を食いたいようだよこいつは……」

ジェルと剣獣を見たヒナは呟いたのである。

「うわ……気持ち悪い……」

すると笑顔でいたジェルは怒りを見せ、ヒナの方を睨み付けたのである。

「てめえ！！今何と抜かした！？今から俺の前に来い。痛めつけてやる！！」

「上等よ！！やってみなさいよっ！！」

するとヒナを護は右手を伸ばして制止したのである。そしてヒナの方を振り向いて彼は言う。

「俺とこいつの喧嘩が終わるまで待っててくれないか。」

すると護はハイデルンに声をかけたのである。

「ハイデルン、こちらもいくぞっ！！」

「ガォォォォォォ！！」

その時ハイデルンの身体が光り、オレンジ色の剣が登場したのである。

「これぞ“ハイデルンブレード”だっ！！」

「ハイちゃんカッコいい！！」

「ハイちゃん！？」

ヒナのつけたハイデルンのあだ名(？)に護は驚いたようだ。そのコントみたいなやりとりを見ていたジェルは苛立っていた。