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第14章・日常へ戻る時
キララと護と奇跡を託された医者⑥
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だが護はそれを思い出そうとしないように気を付けた。
「(下手に思い出せば精神的な乱れを起こして負ける……!!)」
護は危惧していた。もしここで自分が敗退すれば他の全員の命も危ういからである。
「(自分から温室を抜け出してここまでやって来たんだ!!絶対弱音は吐かん!!)」
護の気を察知したのかM(マナコ)は真剣に見守るヒナの隣にやって来て言ったのである。
「あなた、彼の事気になる?」
「いや……そうではないです……」
「そうなの?顔が惚れてるように見えたわよ。」
「…………」
Mに指摘されたヒナは顔が真っ赤になったのである。そして続けてMは言う。
「あの子の実家は私も何度か行ったことがあるの。あの子は『ジョーラ島』で私は『クルトン』なの。クルトンは『キウイ国』の隣の国よ。少し話が逸れたけどあの子は昔から知っているの。小さいときによく遊んだりもしたわ。今は敵対することになってしまったけど私は憎めないわ……」
「Mさん…………」
「あら、名前を覚えていてくれたの?嬉しいわ。あなたの名前は?」
「猫屋敷日奈凛です。みんなは“ヒナ”と呼びます。」
「ヒナちゃんね。よろしく……」
二人のやりとりを見ていた竜太は優しい笑みを浮かべていた。そして護にゲキを飛ばした。
「あんた、負けるな!!」
護は剣を持って全身に気を入れていたが竜太の声を聞くとかすかな笑みを見せた。そして護は対立するジェルをさらに威嚇するつもりで睨み付けたのである。
「何ガン飛ばしてんだてめぇ!?」
その頃、飛鳥達の状況にも変化があった。
「飛鳥……君はジェルの正体を知っているか?」
「知らねえし……興味すら全くねえし。」
春日がジェルのことを飛鳥に教える。
「あいつはな、これまでに“度を越えた殺人”を多数やらかしてきた。」
「!?」
「ある時なんかは保安部隊800人を一時間足らずで全滅させたという経歴がある。」
「…………その話知ってるぞ。新聞で大きく報道されていた…………」
「ああ、あの事件は全世界(※1)に配信されたから地元でなくても知る者は多いはずだ。」
「あの事件はやつが……」
「なあ、このアジトを壊滅させたら飛鳥よ。ジェルを始末しに行くか?」
「!?」
突然打倒ジェルを飛鳥に提案した春日。これはもちろんジェルに対する危機感があるからこそ春日は飛鳥に打倒ジェルを持ちかけたのである。危機感を抱くのは春日達だけじゃない。護達もまたその事件を知るからこそジェルの危険性を理解していた。
(※1)ヒナの世界を始めとする異世界には配信されていない。
「(下手に思い出せば精神的な乱れを起こして負ける……!!)」
護は危惧していた。もしここで自分が敗退すれば他の全員の命も危ういからである。
「(自分から温室を抜け出してここまでやって来たんだ!!絶対弱音は吐かん!!)」
護の気を察知したのかM(マナコ)は真剣に見守るヒナの隣にやって来て言ったのである。
「あなた、彼の事気になる?」
「いや……そうではないです……」
「そうなの?顔が惚れてるように見えたわよ。」
「…………」
Mに指摘されたヒナは顔が真っ赤になったのである。そして続けてMは言う。
「あの子の実家は私も何度か行ったことがあるの。あの子は『ジョーラ島』で私は『クルトン』なの。クルトンは『キウイ国』の隣の国よ。少し話が逸れたけどあの子は昔から知っているの。小さいときによく遊んだりもしたわ。今は敵対することになってしまったけど私は憎めないわ……」
「Mさん…………」
「あら、名前を覚えていてくれたの?嬉しいわ。あなたの名前は?」
「猫屋敷日奈凛です。みんなは“ヒナ”と呼びます。」
「ヒナちゃんね。よろしく……」
二人のやりとりを見ていた竜太は優しい笑みを浮かべていた。そして護にゲキを飛ばした。
「あんた、負けるな!!」
護は剣を持って全身に気を入れていたが竜太の声を聞くとかすかな笑みを見せた。そして護は対立するジェルをさらに威嚇するつもりで睨み付けたのである。
「何ガン飛ばしてんだてめぇ!?」
その頃、飛鳥達の状況にも変化があった。
「飛鳥……君はジェルの正体を知っているか?」
「知らねえし……興味すら全くねえし。」
春日がジェルのことを飛鳥に教える。
「あいつはな、これまでに“度を越えた殺人”を多数やらかしてきた。」
「!?」
「ある時なんかは保安部隊800人を一時間足らずで全滅させたという経歴がある。」
「…………その話知ってるぞ。新聞で大きく報道されていた…………」
「ああ、あの事件は全世界(※1)に配信されたから地元でなくても知る者は多いはずだ。」
「あの事件はやつが……」
「なあ、このアジトを壊滅させたら飛鳥よ。ジェルを始末しに行くか?」
「!?」
突然打倒ジェルを飛鳥に提案した春日。これはもちろんジェルに対する危機感があるからこそ春日は飛鳥に打倒ジェルを持ちかけたのである。危機感を抱くのは春日達だけじゃない。護達もまたその事件を知るからこそジェルの危険性を理解していた。
(※1)ヒナの世界を始めとする異世界には配信されていない。
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