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第15章・古座川町編
ローション使い
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だがヒロと同じ組織の人間の中に彼に対して不信感を抱く面々もいなくはなかった。内の一人である『片山津・ベイリー・セラフォルー・大祐』であった。彼は身体からトロトロした汗らしきものを流しながら仲間の一人『宇梶神兵衛』に呟いた。
「最近、ウキョウの野郎が少し怪しいような気がするな。」
「大祐もそう感じていたか。俺も何かあいつは最近変なような気がしてならない。」
「当たり前だ。あいつ少食のくせにやたら食事を増やしたり前より笑顔を見せたりおかしいところだらけだよ。」
「言われてみればそうだな。冷酷な男と言われた男がニヤニヤしたりなんかおかしいよな。」
勿論ヒロも内部の自分への疑惑の目線には気付いている。だからこそ慎重に行動しなければならないのだ。場面は変わり、二人はヒナのいる部屋で作戦会議をしていたのである。
「…………」
「どうしましたか?」
「いや……なんでもない……」
少し考え事をしてしまいボ~っとしていたヒロだった。だが内心はある危機感があった。
「(結局、気付かれたら自分だけでなく身内にも危害が加えられる……どうするべきか。)」
弱味を握られているヒロにとって謀反が確実にならないよう……つまり疑惑程度にとどまるように行動して二人や他の収容者を助けないといけないのである。それは簡単には言えても簡単には実行できることではないのだ。
「今のところいい手段は思い付かないなあ……」
「私も考えてみるわ。」
「頼むよ。あと周りの視線が気になるから“ライラック”とは無事に物事が解決したら会おうか。」
「ええ、その方が良いかも……」
場面は変わり、将志とリン達の近くにある人物がやって来たのである。その人物は……“ジェラート・レオニダス”!!あの護とハイデルンのコンビを苦しめた男である。
「(あいつら……あの時の……んっ?)」
すると将志の義妹の耳がコアラの耳のようになり、顎にもコアラのような毛がはえていたのである。
「あなた、能力者なの?」
「うん、そうだよ!!」
「ひゃああ~!!そうだよリンちゃ~ん!!この子は“コアラ”に変身できるんだよ~!!」
リンが将志の義妹に質問をすると能力者であることが判明した。勿論将志はすでに知っていたようだ。
「助けて~!!」
「将志君!!妹の前で泣き言言わず耐えなさいっ!!」
それを見ていたジェルはいつもと違う笑みを見せて三人を見守っていたのである。
「(ここで芽を摘んでいい連中じゃあないな……10年後には驚異な存在になるだろう。その時を楽しみにしているぞガキ共……!!)」
彼は何もせずその場を去ったのである。三人は勿論ジェルがいたことを知らない。
場面は戻り、ヒロは業務を終えて仲間のもとへと戻ると早速大祐はヒロに質問をしたのであった。
「お前、最近何か企んでないか?」
「いや……何も……」
当然否定するヒロ。だが大祐は疑惑の目を変えることはなかったのだ。彼の身体にこの時もトロトロしていた汗らしきものが流れていたのである。
「俺は“ローション使い”だと知っているなヒロ?」
「ああ、知っているとも。」
大祐は化粧水を発生させる“ローション使い”であった。しかしなぜ能力をヒロに確認させたかは不明である。
「最近、ウキョウの野郎が少し怪しいような気がするな。」
「大祐もそう感じていたか。俺も何かあいつは最近変なような気がしてならない。」
「当たり前だ。あいつ少食のくせにやたら食事を増やしたり前より笑顔を見せたりおかしいところだらけだよ。」
「言われてみればそうだな。冷酷な男と言われた男がニヤニヤしたりなんかおかしいよな。」
勿論ヒロも内部の自分への疑惑の目線には気付いている。だからこそ慎重に行動しなければならないのだ。場面は変わり、二人はヒナのいる部屋で作戦会議をしていたのである。
「…………」
「どうしましたか?」
「いや……なんでもない……」
少し考え事をしてしまいボ~っとしていたヒロだった。だが内心はある危機感があった。
「(結局、気付かれたら自分だけでなく身内にも危害が加えられる……どうするべきか。)」
弱味を握られているヒロにとって謀反が確実にならないよう……つまり疑惑程度にとどまるように行動して二人や他の収容者を助けないといけないのである。それは簡単には言えても簡単には実行できることではないのだ。
「今のところいい手段は思い付かないなあ……」
「私も考えてみるわ。」
「頼むよ。あと周りの視線が気になるから“ライラック”とは無事に物事が解決したら会おうか。」
「ええ、その方が良いかも……」
場面は変わり、将志とリン達の近くにある人物がやって来たのである。その人物は……“ジェラート・レオニダス”!!あの護とハイデルンのコンビを苦しめた男である。
「(あいつら……あの時の……んっ?)」
すると将志の義妹の耳がコアラの耳のようになり、顎にもコアラのような毛がはえていたのである。
「あなた、能力者なの?」
「うん、そうだよ!!」
「ひゃああ~!!そうだよリンちゃ~ん!!この子は“コアラ”に変身できるんだよ~!!」
リンが将志の義妹に質問をすると能力者であることが判明した。勿論将志はすでに知っていたようだ。
「助けて~!!」
「将志君!!妹の前で泣き言言わず耐えなさいっ!!」
それを見ていたジェルはいつもと違う笑みを見せて三人を見守っていたのである。
「(ここで芽を摘んでいい連中じゃあないな……10年後には驚異な存在になるだろう。その時を楽しみにしているぞガキ共……!!)」
彼は何もせずその場を去ったのである。三人は勿論ジェルがいたことを知らない。
場面は戻り、ヒロは業務を終えて仲間のもとへと戻ると早速大祐はヒロに質問をしたのであった。
「お前、最近何か企んでないか?」
「いや……何も……」
当然否定するヒロ。だが大祐は疑惑の目を変えることはなかったのだ。彼の身体にこの時もトロトロしていた汗らしきものが流れていたのである。
「俺は“ローション使い”だと知っているなヒロ?」
「ああ、知っているとも。」
大祐は化粧水を発生させる“ローション使い”であった。しかしなぜ能力をヒロに確認させたかは不明である。
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