ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第16章・ステラガーデン編

更なる真実①

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 その頃、竜太は松浦と共にスイダースの広場である男性と待ち合わせしていたのであった。男性はまだ到着しておらず、二人でジッと待っていたのである。


 「…………なあ松浦さん。」


 「?」


 「あの“グリーンウッドフィールド”って人物、なんか胡散臭くないですか?」


 「確かに胡散臭く感じるな。もしかしたら何らかの因縁を知らないうちに作っているかもしれませんね。」


 「……どうでしょう。」


 なぜ竜太はグリーンウッドフィールドを胡散臭く感じたのかこの時点ではまだ分からなかったのである。


 一方、ヒナの監視役の携帯に電話をかけたのはグリーンウッドフィールドであった。


 「もしもし、私です。もりです。はい……はい……分かりました。それなら私は……地盤調査にうかがいます……」


 すると森はヒナの方を向いてガッツポーズをしたのである。ヒナはなんのことか分からずにいたが……そして電話を切ると森は突然衝撃事実を暴露したのである。


 「猫屋敷さん、今のは地盤調査に行けという任務だ。つまり処刑場所の正確な位置や形を調べる時間が出来るわけだ。もし誰か君達を助けに来る人が来たらその情報をその人達に流すまでだ!!くぅ~、やったぞ!!」


 「でも森さんはグリーンウッドフィールドさんという方の……」


 すると森は目を鋭くしてヒナに出自の話をしたのである。


 「俺は元々“フォレストタウン”の代々森林を護る町の歴史に携わる家に生まれた。名字は母方の方を名乗っているが本当は“森衛もりえ”という姓なんだ。」


 「森衛……?」


 「知らないのかい?フォレストタウンは森衛家がまで町の外れにある山の大きな木を護っていたんだ……」


 森は父方が“森衛”で母方が“森”だと明かしたのである。森衛家はフォレストタウンの自然を護る一族で母方のルーツはステラガーデンから非常に近い村だという。


 「しかし3年前……ウィンガタウンの事故の際、ウィンガタウンから流れた毒ガスの一部がフォレストタウンのその山に漂い、その際に誰かがタバコの吸い殻を捨てたらしく山が火災となって毒ガスを消しに行った父は焼死してしまった……」


 「それがグリーンウッドフィールドさんと……」


 「ああ……関係あるさ。それはまた言うね……ようだ。」


 すると二人のもとに通り抜けバッジを付けたあの男がやって来たのである。


 「何雑談してんの?早く調査しに行きや。」


 「コージロー……そうだな。」


 なんと現れたのは『大野おおの鋼次郎こうじろう』であった。すると森は豹変したかのような顔と口調で喋りだしたのである。


 「また後で来る。徹底していたぶってやるからな!!女っ!!」


 ヒナは森が演技をしているとすぐに分かったのである。彼の名は『もり正成まさしげ』といい、フォレストタウン出身の人物である。何らかの事情があり、グリーンウッドフィールドの部下になっているのである。



 一方、竜太と松浦の元に現れたのはヒナと旅をした京介の大叔父である羽久はねきゅう伸一しんいちであった。伸一はウィンガタウンの羽久家の出身であの羽久はねきゅうしゅん議員の親戚であった。


 「羽久さん、久しぶりですね。」


 「久しぶりだな二人とも……新聞を見たがあのグリーンウッドフィールドを倒してほしいんだ……竜太君はに倒すべき人物だよ……」


 「どういうことですか?」


 「実は……あの男こそウィンガタウンをなんだ……!!!」


 「!!?」


 伸一はウィンガタウンの悲劇について語り始めたのである。竜太は驚き何も言えなかったのであった。
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